July 05, 2008

2008年上半期ベストアルバム(海外編)

今年もすでに半年過ぎたんで、恒例の上半期ベストテンをお送りします。ここ最近、ベテラン勢の充実した作品が続々と出ており、ファンとしては嬉しい限りです。もうすぐベック、ロン・セクスミス、そしてランディ・ニューマン(セルフカバーを除けば9年ぶり)も出るんで、これまた楽しみです。ここしばらく日本人のはほとんど購入してないので、今回も海外編でお楽しみください。では、どうぞ。

Ry_iflathead2 Winwood_nine_s Nortec_tsm_s_2
1.RY COODER/I,Flathead
2.STEVE WINWOOD/Nine Lives
3.NORTEC COLLECTIVE Presents:Bostich+Fussible/Tijuana Sound Machine
4.NICK CAVE & THE BAD SEEDS/Dig,Lazarus,Dig!!!
5.AL GREEN/Lay It Down
6.JOHN HIATT/Same Old Man
7.JOANNA WANG/Start From Here
8.THE MARS VOLTA/The Bedlam In Goliath
9.BILLY BRAGG/Mr Love & Justice
10.MELODY GARDOT/Worrisome Heart



以下、初登場のCDを中心につらつらコメントを。ちなみに上掲ジャケットはベスト3。

1.は"Chavez Ravine"('05)、"My Name Is Buddy"('07)に続くカリフォルニア3部作。個人的には過去2作(ともに好盤)よりも好みで、買ってからこればっかり聴いてしまう。"Paradise And Lunch"('74)や"Chicken Skin Music"('76)といった名作を彷彿とさせる開放的な感じがたまらないッス。ハード・ドライヴィンなスライドギター、R&B、ハワイアン、テックスメックス、小粋なスウィング(その名も"Steel Guitar Heaven")など、彼が過去に紹介してきた様々な音楽がギュッと詰まった傑作。ライ自身のヴォーカルも力強く、近年では最も躍動感に満ちたアルバムだと思う(とても還暦過ぎてるとは思えない)。もちろんいつものように盟友ジム・ケルトナー、フラーコ・ヒメネスらがゲスト参加。ちなみに僕は限定ブックレット付きの輸入盤(縦長ジャケ)を購入しましたが、残念ながら中の小説は読めてません(苦笑)

6.はそのライ・クーダーともつながりの深いジョン・ハイアットの新譜。これまた掛け値なしの好盤。これと言って目新しさはないものの、いつも通りの声と音が聴こえてくると何だか幸せな気分になる。

5.と7.については、先日のこちらを参照のこと。カバーが秀逸と書いた後者、その後聴き込んだところ自作曲の方がどんどん良くなってきた。まだ10代ながら、ホントにいいメロディメイカーだなぁと感心した。



その他、下記も購入済み。まだじっくり聴けてないんで、今回のランクインは見送り。ともにフェラ・クティ直系のアフロビート(前者はイギリス産、後者は実の息子)。前者はイギリスというお国柄か、ダブの要素もあり相当カッコイイ。曲がコンパクトな分、ANTIBALASやAKOYA AFROBEATよりポップな印象も。後者については、コメントできるほど聴けてません。間違いなくカッコイイでしょうけど。
・SOOTHSAYERS/The Time Is Now
・SEUN KUTI+FELA'S EGYPT80/Same



最後に、再発ものでは下記2枚がオススメ。
・VAN MORRISON/Moondance
・ALLEN TOUSSAINT/Southern Nights

ルーツ音楽好きの方には今更の名盤ですが(僕も両方アナログで持ってます)、ワーナーから最新リマスターで再発されたんで買っちゃいました。やっぱ音いいんじゃないでしょうか。このForever YOUNGシリーズはいくつか気になるのがあり、アナログやCDで持ってるのを買い直したくなります。

以上、少しでも音楽生活の参考になれば幸いです。では、また。

June 21, 2008

THE BEATLES 1962-1966 20 Best Songs

Rc08072

今月号のレコードコレクターズ巻頭特集は、ビートルズ初期「赤の時代」(いわゆる「赤盤」の時代)のベスト50曲。評論家・ライター25人が20曲ずつ選出したレココレにあわせ、僕も20曲選んでみた。

ビートルズは中期〜後期が特に好きなもんで、そんなに苦労しないだろうと思ってたんだけど、これが大間違いで(苦笑)。すぐに4,50曲は選べちゃうし、中期の名作「リボルバー」を全曲選びたくなっちゃうしで、絞り込むのに相当苦労した。この調子だと後期「青の時代」(レココレ来月号の特集。ちなみに再来月は「ソロの時代」)はもっと苦しみそう。いちばん好きなホワイトアルバムから果たして何曲選ぶのか、もうすでに悩んでるし(さらなる悶絶の予感…)。それはさておき。

中学時代に初めて聴いて以来、少なくとも数年に一回はマイブームの波がやって来るビートルズ。その度ごとに新たな発見があり、さほど好きじゃなかった曲が新たにフェイバリット・ソングとなる。個人的にはその新鮮さが彼らの魅力であり魔力である。というわけで、以下、珠玉の20曲をどうぞ。

1.We Can Work It Out
2.You Can't Do That
3.I'm Down
4.Drive My Car
5.Rain
6.Tomorrow Never Knows
7.Taxman
8.I've Just Seen A Face
9.And Your Bird Can Sing
10.Mr. Moonlight
11.I Should Have Known Better
12.Got To Get You Into My Life
13.I Saw Her Standing There
14.Help!
15.A Hard Day's Night
16.In My Life
17.You've Got To Hide Your Love Away
18.I Want To Hold Your Hand
19.Bad Boy
20.Things We Said Today

June 15, 2008

[CD] 最近のオススメ(夏至version)

今回ベストテンは小休止して、最近購入した色んなジャンルのヴォーカルものをつらつら紹介してみます。では早速、どうぞ。

Algreen_lid Cwilson_loverly2 Jwang2
・AL GREEN/Lay It Down
・CASSANDRA WILSON/Loverly
・JOANNA WANG/Start From Here

トップバッターはちょっと前になかなか良さそうだと書いたアル・グリーンの新譜(ブルーノート移籍後3枚目)。これが期待に違わずソウルフルで素晴らしい。もちろん基本はいつもながらのメンフィス産ハイ・サウンド(個人的にはこれだけでOK)。加えて今作の新味と言えるのは、THE ROOTSの?uestlove(Questlove)がプロデューサーとして、JOHN LEGENDやCORINNE BAILEY RAE、ANTHONY HAMILTONがゲストヴォーカルとして参加してるところ(しかし豪華メンツ)。粒揃いの楽曲が並ぶなか、あえて1曲選ぶとするとM-3だろうか。(意外なほど)ジャジーなギターが妙に心地良く、つい繰り返して聴いてしまう。いつも通りなのに新鮮な感触がある佳作。

お次もブルーノートから。カサンドラ・ウィルソン初のスタンダード・カバー集は、歌もいいがバックの音がまたいい。「セント・ジェームス病院」やエルモア・ジェイムスのカバーに混じって、ボサノヴァ名曲「黒いオルフェ」(ルイス・ボンファ作)やビートルズのカバーで有名な"'Til There Was You"(メレディス・ウィルソン作)なども。次のオリジナル・アルバムに期待が膨らむ作品。

最後は珍しく東アジア女性を。このジョアンナ・ウォンは台湾生まれLA育ち・現在19歳のSSW。なかなかの美人だし、ちょっと期待しながら試聴した。これが予想以上に声質が良く、即購入。ノラ・ジョーンズあたりを彷彿とさせる翳りあるスモーキー・ヴォイス(こういうの世界的に流行りなんでしょうか?)は、とても10代とは思えない。ほとんどを占めるオリジナル曲もいい出来だし、"True"(スパンダー・バレエ)と"New York State Of Mind"(ビリー・ジョエル)のカバー2曲も秀逸。憂いを含んだアコースティックな肌触りは70年代のSSWと直結してる感じもする(ちなみに日本盤ボーナストラック以外は全曲英語)。なかなかの逸材なんで、今後過度にポップにならないでほしいと願う(彼女自身そういう志向はないみたいだけど)。

May 31, 2008

土岐麻子、名曲カバー5曲+新曲のミニ・アルバムを発売

久々にブログのデザインを変えてみました。しばらくこれでよろしくです。

http://www.bounce.com/news/daily.php/14305

さて、これまた久々の音楽ニュースを。

このGWに初めて土岐麻子さんのライヴへ行った(この時はジャズ・ライヴ。生で聴いて、本当に声質が好きだなと実感)。その際、現在制作中とアナウンスがあったCDの詳細が決定した模様。

フォー・トップス、マドンナといった洋楽有名曲のカバーに加え、真心ブラザーズ(夏の名曲)、松田聖子(シングルでは彼女の隠れ名曲No.1だと思う「小麦色のマーメイド」!)、大貫妙子(これも名曲)といったワクワクするような日本勢のカバーもあり(しかしいつもながら選曲がツボ)。

もちろん新曲も気になるし、今から6/25の発売日が待ち遠しい。彼女のことなんで、きっと清涼感あふれる夏向きポップなCDになることだろう。

May 28, 2008

2008年ベストアルバム・海外編(小満version)

ちょうど1ヶ月半ぶりのベストテンです。今年は充実したCDが多い気がするんで、ひとまず日本と海外とで分けてみました(今後また違う分け方にするかもしれませんが)。とりあえず今回は、初登場の多い海外編をどうぞ。

Winwood_nine_s Nortec_tsm_s_2 Ncave_dig_s
1.STEVE WINWOOD/Nine Lives
2.NORTEC COLLECTIVE Presents:Bostich+Fussible/Tijuana Sound Machine
3.NICK CAVE & THE BAD SEEDS/Dig,Lazarus,Dig!!!
4.BILLY BRAGG/Mr Love & Justice
5.THE MARS VOLTA/The Bedlam In Goliath
6.VAN MORRISON/Keep It Simple
7.R.E.M./Accelerate
8.THE KOOKS/Konk
9.MELODY GARDOT/Worrisome Heart
10.ORQUESTRA IMPERIAL/Carnaval So Ano Que Vem



以下、初登場のCDを中心につらつらコメントを。ちなみに上掲ジャケットはベスト3。

1.6.8.9.の4枚については、先日のこちらを参照のこと。特に1.は国境マスターも絶賛の逸品。取っつきやすく、かつ懐の深い傑作。素晴らしい。

2.はタワレコで試聴して面白そうだったんで購入。軽い気持ちで買ったけど、これが聴けば聴くほどクセになる代物。今のところ今年いちばんの掘り出し物(初めて聴くけど、その筋では有名な人たちのようだ)。メキシカン・モンド・エレクトロ(とでも言ったらいいのか)を基調にしながら、随所でアコーディオン(これがホントいい)やトランペットなどの生音が絡む。ノルテーニョ、マリアッチ・レゲエ、スカ、ダブ、スーザフォン+ブレイクビーツ、ニューウェイヴ、フォーキー……といった雑多さにクラクラ。何だか架空のロードムービーのサントラを聴いてるような気分。祝祭的ながらどこか醒めたクールさもあり、絶妙のバランス感覚を持った人たちだなぁと感心した。これは「国境の南」で爆音で聴きたいッスね(お客さんのいない時に)。それにしても去年あたりから妙に中南米がツボに入る。

3.は久々に買ったけど、予想以上に良かった。灼熱ロックンロール、暗黒ブルース、黄昏ミディアム、どれも素晴らしい。個人的には「黒と赤」のイメージの人だが(初めて聴いたのが20年くらい前の"Tender Prey"なもんで)、今回はもう少しカラフルかつスタイリッシュな印象。ルー・リード、イギー・ポップ、「ルイ・ルイ」が好きな人は必聴。

4.も久々に買ったけど、これまた予想以上に良かった。優しく穏やかな声につい引き込まれてしまう佳作。政治的活動がクローズアップされることの多い彼だけど、むしろタイトル通り「愛と正義の人」だなぁと。個人的にはイアン・マクレガンとロバート・ワイアットが参加してるのもツボ。ちなみに僕は輸入盤の2枚組(それぞれバンド・ヴァージョンとソロ・ヴァージョンを収録)を購入。通常盤および日本盤はバンド・ヴァージョンのみだけど、エレキ弾き語りのソロがすこぶる良いので、できれば2枚組の方をどうぞ。



その他、下記も購入済み。まだじっくり聴けてないんで、今回のランクインは見送り。それぞれ聴き所がある感じで楽しみッス(ようやく少しずつワールドミュージックにも手が伸びてきました)。
・ORCHESTRE NATIONAL DE BARBES/Alik
・MOSE FANFAN/Bayekeleye
・DEVOTCHKA/A Mad & Faithful Telling
・AL GREEN/Lay It Down



最後に、再発ものでは下記2枚がオススメ。
・CAROLE KING/Tapestry (Legacy Edition)
・V.A./マグレブ音楽紀行 第1集 アラブ・アンダルース音楽歴史物語

名盤中の名盤である前者は、ディスク2にほぼ全曲のライヴ音源が曲順通り収録されている(しかし「つづれおり」買うのはこれで何回目だ?・笑)。後者はサラッと聴いただけだけど、とんでもない面白さ。アラブ周辺は最近ご無沙汰だったけど、これはしばらくハマりそう。詳細は別途。

以上、少しでも音楽生活の参考になれば幸いです。てな感じで、また。

May 04, 2008

[CD] 最近のオススメ(立夏version)

まだじっくり聴けてないものが多いんで、ベストテンは小休止。今回は最近のお気に入りをつらつら紹介します。まずは新譜からどうぞ。

Vm_keep Winwood_nine
・VAN MORRISON/Keep It Simple
・STEVE WINWOOD/Nine Lives

このところ企画ものやコラボ作が多かったヴァン御大。この新作は最近始まった自身の旧作再発プロジェクトにも負けない、これぞヴァン・モリソン!と膝を打つ作品。滋味溢れる声と音をじっくり堪能できるのは嬉しい限り。染み入る逸品です。

続いては僕の友達に似ている(逆か?笑)ウィンウッドおじさん。これは前作"About Time"の好調さを持続した会心作。パーカッション、オルガン、ギター主体のシンプルな編成から繰り出されるグルーヴが堪らない。それにしても今年還暦を迎えるというのに、この潑剌さは何なんだ?カッコ良すぎ。軽やかなのに、ずっしりと聴き応えがあるのは、芸歴40ウン年の成せる技か。早急に来日を希望します。

Kooks2 Mgardot2
・THE KOOKS/Konk
・MELODY GARDOT/Worrisome Heart

超がつくほどのベテランもますます元気だけど、若手も負けてません。まずはイギリスのザ・クークス。良質なメロディと勢いのある演奏が気に入った。今時少ないタイプのオーソドックスなバンドで、好感度大。

お次はアメリカの新人SSW、メロディ・ガルドー。ミュージックマガジンの「ジャジー特集」を読んで気になり購入。確かにジャジーで、ノラ・ジョーンズやリッキー・リー・ジョーンズなどを想起させる。ただ個人的にはこの人の持ってるカントリー風味が印象的(ルシンダ・ウィリアムスに似てるかな?)。声良し、曲も書けるし(全曲オリジナル)、なかなかの逸材ですぜ。

あとまだちゃんと聴けてないけど、WAS(NOT WAS)の18年ぶり(!?)の新譜"Boo!"(この間にドン・ウォズはプロデューサーとしてすっかり名を馳せた)と、元スーパーカーのフルカワミキ2ndソロ"Bondage Heart"がいい感じ。



次は再発もの。

Otisblue
・OTIS REDDING/Otis Blue:Otis Redding Sings Soul

問答無用のソウル名盤。ミックス違いやライヴ音源など追加された40曲入りの宝箱。R&B/ソウル好きでこれ聴いてなかったら「もぐり」でしょ。アップナンバーもバラードも最高で、もちろんすべての音楽ファンにオススメできます。
他にオーティス関連では
2種のDVDも(「オーティス・レディング/ドリームズ・トゥ・リメンバー〜オーティス・レディングの伝説」「リスペクト・ユアセルフ〜スタックス・ストーリー/スタックス/ヴォルト・レヴュー〜ライヴ・イン・オスロ1967」)。こちらは時間が取れず見れてないけど、画面に釘付けの必殺映像満載(のはず)このGW中に見ようと思ってます。

最後に日本人では、
鈴木茂の名盤2枚("BAND WAGON 2008 -Special Edition-"、"LAGOON 2008 -Special Edition-")と、BENNIE Kのベスト盤"Best Of The Bestest"(DVD付きがお得。厳密に言うと再発とはニュアンスが違うけど…)を。両者ともファンは必携でしょう。

てなわけで、また近いうちに。

April 13, 2008

2008年ベストアルバム(穀雨version)

このところ日本勢を中心に充実した新譜がリリースされ、半分が初登場という入れ替わりの激しいランキングとなりました。ぜんぜん手が回ってませんが、ワールドミュージック関連にも聴きたいのがたくさんあるんですよねぇ。まぁぼちぼちいきますわ。ということで、よろしくどうぞ。

Sd_para2 K1_s 1_s
1.SCOOBIE DO/パラサイティック・ガール
2.鈴木慶一/ヘイト船長とラヴ航海士
3.木村カエラ/+1
4.SEEDA/Heaven
5.キリンジ/7 -seven-
6.THE MARS VOLTA/The Bedlam In Goliath
7.R.E.M./Accelerate
8.Mr.BEATS a.k.a. DJ CELORY/Beautiful Tomorrow
9.ORQUESTRA IMPERIAL/Carnaval So Ano Que Vem
10.CLARE & THE REASONS/The Movie



初登場のCDを中心につらつらコメントを。ちなみに上掲ジャケットはベスト3。

1.は待望のフルアルバム(去年のベストテンにはミニアルバムを入れた)。とにかく勢いありまくりの傑作。夏向きポップなソウルチューン「真夜中のダンスホール」に代表される粒揃いの各曲もさることながら、フルアルバムならではの緩急つけた流れが素晴らしい。特に爆発するファンクロック「散歩男」〜「だめだこりゃ」からメロウな「Sunset Summer Breeze」につながる中盤は最高。後半の「DRUNK BEAT」(サンバでズンドコな酒飲め音頭)〜「僕不安です」(タイトルもいいスローファンク)という流れも病みつきになるし。

生ぬるい癒し系や自分探し系とは対極にある音で(自分にやさしいオーガニックライフに一石を投じる曲もあり)、聴いてると背筋がシャキッとする。テクと志とアホさを兼ね備えたバンドだから信頼できるのだ。あと個人的には、土岐麻子さんのコーラス参加と宇宙服ジャケがとても嬉しかった(昔から宇宙服フェチなもんで)。



シングル曲が当初ピンとこなかったため、正直ちょっと不安だったのが3.。いやいや、なかなかどうして。やっぱ彼女いいっすわ。まぁ奥田民生、石野卓球、ミト(クラムボン)、高桑圭(グレイト3)、會田茂一(エルマロ・彼はライヴツアーにも帯同)といつも以上に豪華な作家陣だしね。アルバムの中で聴くとシングルもだんだん良くなってきたけど、やっぱり非シングル曲の出来がいい。特にラストの「Humpty Dumpty」(DE DE MOUSE作)は名曲。ほんのりオリエンタル(中華風?)で春めいて、まさに今の季節にぴったり。聴かず嫌いの方にもぜひ聴いてもらいたいアルバムです。興味のある方はこちら(カエラ嬢のセルフ・ライナーノーツ付き)やこちらもご覧ください。

4.は前回よりもランクアップした唯一のCD。バックトラックがカッコ良く、ヘヴィな経歴とは対照的にポップで清々しい印象すら受ける和製ヒップホップ。

7.はギターバンドの面目躍如と言える好盤。いちばん好きだった頃の彼らが戻ってきたような気がして、素直に嬉しい。"Document"や"Green"を彷彿とさせると言えば、昔からのファンには堪らないのでは?

2.と5.は先日アップしたこちらを参照のこと。



ベストテン圏外で気に入ってるのは、この3枚。
・MAP/Debout La D'dans!
・高田みち子/TOKYO GIRLS TALK
・サカナクション/NIGHT FISHING

それぞれ順にコメント。アコーディオンやヴァイオリンなど生楽器が絡むフレンチ・ラップ。国境マスターもお気に入りの子供には分からぬシティ・ポップス(タイトル曲はDJでもOK)。くるり、スーパーカー、オザケンを彷彿とさせる今後楽しみな若手バンド(ただし、ちょい線細め)。

こちらはまだサラッとしか聴けてないけど、なかなか良さそう。ちなみに後者は16年ぶり(!)の新譜。いつ聴いても彼らの声が好きだなぁ。
・SNOOP DOGG/Ego Trippin'
・THE B-52s/Funplex



最後に再発もの。下記2枚がオススメです。

Krankin2 Nl_jesus2
・KENNY RANKIN/Silver Morning
・NICK LOWE/Jesus Of Cool

前者はボサノヴァ好きにぜひ聴いてもらいたいSSW名盤(紙ジャケリマスター)。ビートルズのカバー2曲を含む人気盤。後者は今年発売30周年を迎えデラックスになった(ボーナス10曲入り)ニック・ロウのデビュー作。パブ・ロック、パワー・ポップ好き必聴の名盤。ちなみにCD未収録曲がダウンロードできるおまけ付き。

以上、少しでも音楽生活の参考になれば幸いです。てな感じで、また。

March 29, 2008

[CD] マエストロたち

7
・キリンジ「7 -seven-」

今や日本を代表するポップ・マエストロである堀込兄弟の新譜は、前作「DODECAGON」の好調さをしっかりとキープした逸品。ソウル、AOR、ポップス、フォーク、レゲエ、カントリーなどをベースにしつつ、どこを切ってもキリンジ印の楽曲が並ぶ(時折スティーリー・ダンや大滝詠一が顔を覗かせるが)。ここまで粒揃いのポップ・アルバムはホント久々に聴いた。

前作でフィーチャーされていたエレクトロ風味が奥に練り込まれたことにより、二人のヴォーカリストとしての魅力と類いまれなるメロディセンスが浮かび上がってきた感じ(もちろんエレクトロも絶妙の隠し味になっている)。いい曲が目白押しの中、あえて1曲選ぶとすると、ゆったりしたビートに揺られる引っ越しソング「この部屋に住む人へ」(M-9)。心地よいリズム、彼ららしいメロディ、そして歌詞もキリンジ・テイストに溢れたナイス・チューン。最近キリンジ聴いてないよなぁという方もぜひ。メジャーデビュー10周年を迎えた彼らが新たな黄金期に入ったことを印象づける一枚。

K1
・鈴木慶一「ヘイト船長とラヴ航海士」

こちらは30年以上も第一線で活躍する日本ロック界のマエストロ、鈴木慶一の17年ぶりのソロアルバム。ムーンライラーズをはじめ(そう言えばこちらも兄弟でバンドやってますね)、色んなところで精力的に活動中なのはご承知の通り。このアルバムは各所で絶賛されていることもあり、熱心なファンとは言えない僕もいっちょ聴いてみるかと購入した次第。

で、期待半分、不安半分で聴いてみたんだけど、これは文句なしの傑作。言葉、声、音、すべてが素晴らしいッス。プロデューサーである曽我部恵一との相性もgood。いいねー、この「Keiichi」コンビ(ちなみに「KeiichiからKeiichiへ」という曲もあり。一枚通して音楽遺産が受け継がれるドキュメントとも言えるかな)。

つい何度もリピートしたくなる曲が並ぶが、特に「Sukanpin Again」「自動販売機の中のオフィーリア」「煙草路地」(はちみつぱい時代のリメイク。遠藤賢司ライクなヘヴィチューン)などが気に入った。若造には真似できない力強い筆致は、ニール・ヤングを彷彿とさせたり(随所に見える繊細さも含め)。まさにベテラン健在、しかもちゃんと今の音なのが嬉しい。飽きずに何度も聴いてるもんだから、「all right 船長」というコーラスが頭から離れなくて困ってます。まぁ、それくらい繰り返し聴けるアルバムってことで。宜候。

March 05, 2008

2008年ベストアルバム(啓蟄version)

気付いたらまた1ヶ月更新してませんでした。オススメCDは結構あるんですけど、例によってなかなか紹介できてません…。で、今回はオススメをまとめて紹介できるベストアルバム形式にしてみました(こちらこちらにヒントをいただきました!)。ということで、よろしくどうぞ。

Mvolta_g2 Oimperial2 Mrbeats2
1.THE MARS VOLTA/The Bedlam In Goliath
2.ORQUESTRA IMPERIAL/Carnaval So Ano Que Vem
3.Mr.BEATS a.k.a. DJ CELORY/Beautiful Tomorrow
4.CLARE & THE REASONS/The Movie
5.TOMI/Same
6.SEEDA/Heaven
7.HIM/1110
8.ROMANES/It's My Turn
9.LIGHTSPEED CHAMPION/Falling Off The Lavender Bridge
10.RUFUS WAINWRIGHT/Rufus Does Judy At Carnegie Hall



以下、つらつらコメントを。ちなみに上掲ジャケットはベスト3です。

1.は国境マスターも絶賛の一枚。去年もオマーのソロ関連は続々出てたけど、バンドとしては2年ぶり。ホント発売日が待ち遠しかった。ラテン風味が減退しているものの、今回も期待に違わぬ王道変異ロック。色んな意味で圧倒的。

7.と9.はタワレコの試聴機で初めて知った人たち。前者はドラマーがリーダーのユニット。ジャズ、ロック、ポップ、ワールドなど、ジャンル横断的で程良く前衛的。クラムボンの原田郁子さんも参加(これがまたいい)。後者は黒人SSW。ポップだけどちょっと風変わりなところが好み。

10.は去年出たライヴ盤だけど、先月ようやく購入(よって10位に)。才能溢れるSSWが自作曲を歌わないというのも面白いと思うし(ジュディ・ガーランドの名公演を完コピ)、ショービズのゴージャスさが本当に似合う人だとも思う。マガジン3月号にルーファス・ウェインライトとスフィアン・スティーヴンスの記事が載ってたこともあり、一時期はこの二人ばかり聴いてた。残念ながらルーファスは観れなかったけど、スフィアンは心斎橋クアトロで観ることができた(何と大阪公演はそれぞれ難波と心斎橋にて同日公演。どちらに行くかまさに究極の選択…)。ちなみにスフィアンにはちゃんと羽が生えてました。

4.はそのスフィアン・スティーヴンスに加え、ヴァン・ダイク・パークスも参加という豪華な一枚。お察しの通り、彼女はジェフ・マルダーの娘さん(マリア・マルダーとは血がつながっていないとか)。レトロでキュートな感じがちょっとジャネット・クラインを彷彿とさせる。スティールパンの響きもころころと気持ちいいッス。

2.はモレーノ・ヴェローゾ(カエターノ・ヴェローゾの息子)、カシン、ドメニコらを中心としたビッグ・バンドのデビュー作。カエターノの来日公演でも活躍していたペドロ・サーも参加。優美で清涼感ある豊かな音に惚れ惚れ。日本盤にはライヴのエクストラ映像も付いてます。

5.はスロヴァキア出身の変わり種。シルキー・ヴォイスが魅力だが、曲作りの才能もある将来有望な新人。ブルーアイドソウルや、スムースなソウルが好みなら聴いて損なし。プリンスの影がちらちら見えるのも個人的にはツボ。

3.と6.は久々にグッときた和製ヒップホップ。ともにトラックが相当カッコイイ!特にファンキーでダークなトラックは絶品。前者には豪華なゲストがズラリ。で、後者はそちらにも参加。

Romanes2 Ramones2
8.はRAMONESじゃなくて、ROMANES。その名の通り、ラモーンズの日本語カバーバンド(もちろん名字はみんなロマーン)。ガールズバンドってのもポイント高い。これが2ndらしく、今回からオリジナル曲も収録されている。とにかく潔いのが好もしく、ほとんどの曲が1分台。そして多くの曲が「1、2、3、4」ってカウントから入る(笑・ロック好きならこれは嫌いになれないでしょう)。本家の"End Of The Century"(写真右)を再現したジャケも愛に溢れた出来。上部の点線箇所に自分の写真を貼れば、今日からあなたもロマーンズに!



その他気に入ってるのは、
・V.A./細野晴臣ストレンジ・ソング・ブック - Tribute to Haruomi Hosono 2
・MARY J. BLIGE/Growing Pains
・CONJURE/Bad Mouth
あたり。特にCONJUREは待ちに待った日本盤。同時発売の旧譜"Music For The Texts Of Ishmael Reed"(ニューオリンズ産の名盤)もぜひ。ということで、近いうちにまた。

February 03, 2008

2007年ベストアルバム(再発編)

いつの間にやら、もう2月。雪が積もった節分の日、皆さまいかがお過ごしでしょうか?今日はサルコジ大統領がカーラ・ブルーニと結婚して、ちょっとビックリしました。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080203-00000005-jij-int


さてすっかり遅くなりましたが(苦笑)、新譜編に続いて2007年ベストアルバム・再発編をお届けします。続けざまにアップする予定だったんですが、気づいたら丸1ヶ月も空いてました(スイマセン!)。



気を取り直して、まずはベスト3から。

Aretha_rare
ARETHA FRANKLIN/Rare & Unreleased Recordings From The Golden Reign Of The Queen Of Soul

1位は女王アレサ。これぞお宝、去年のベスト・リイシューでしょう。レココレでは鈴木啓志さんが、そしてこちらでは我らが「国境の南」マスターが絶賛のブツです。僕のような若輩者がとやかく言えるものではありませんが、ソウル好きならマスト!のすごい未発表音源集です(特に冒頭のデモ音源)。僕は秋口に購入したんですが、これ聴くとしばらくは他のCD聴けない体になってました(魂を吸い取られてたんでしょうか?・笑)。やっぱり絶頂期のアレサ・フランクリン、格が違いすぎます。アレサは他にも"Live At Fillmore West"(デラックス・エディションの日本盤)が本国に遅れてリリースされました。


Jamendez
JOSE ANTONIO MENDEZ/Canta Solo Para Enamorados

2位は記念すべきエルスールレーベル第一弾、ホセー・アントニオ・メンデス。しっとりと、ひっそりと、夜によく聴きました。以下、以前書いたレビューを載せておきます。まだの方はぜひどうぞ。



何はともあれ、エルスールレーベルの第一弾、ホセー・アントニオ・メンデス「フィーリンの誕生」から(紹介がとても遅くなりスイマセン…)。しっとりした 情感に溢れ、本当に素晴らしい。今年の発掘ものでは間違いなく上位にランクインでしょう。音楽大国キューバのフィーリン(ボレーロを下敷きにしたラテン歌 謡)はあまり一般に馴染みがないかもしれないけど、良質で落ち着いたヴォーカルミュージックを求める向きにはぴったりだと思う。このCDはふと寄り添う感 じで、押しつけがましくないところが好み。ただオルガンが興味深い音だったりするんで、サラッと聞き流すにはちょっと勿体ない逸品。

ジャケットも雰囲気あって、中身同様、秋冬の夜にぴったり。しっとり系ボサノヴァ好きはもちろん、ジャズ・ヴォーカ ル、シャンソン好きにもオススメ。原田さん入魂のライナーノーツも読み応えあり。ちなみにエルスールで買うとおまけCD-Rも付いてくるんでお得です(詳細は下記URL参照)。原田さん、第二弾も楽しみにしてますよー(決してプレッシャーをかけてる訳ではありません)。
http://www.elsurrecords.com/contents/staff/jose-elsur001.html



Bbryant
BROWNING BRYANT/Same

3位はニューオリンズ産の隠れ名盤、ブロウニング・ブライアント。これもよく聴きました。こちらも以前書いたレビューを載せておきます。ニューオリンズものの再発では、FRANKIE FORD/Let's Take A Sea Cruiseも楽しめました。



録音当時15歳の白人SSW、ブロウニング・ブライアントの再発盤(世界初CD化)。何とプロデュースがアラン・トゥーサンで、バックにはミーターズも参 加。甘口のヴォーカル、メロウ・ファンキーなグルーヴが心地よく、ところどころでトゥーサン・アレンジも炸裂。これは相当な名盤。よくぞ再発してくれまし た。




ベスト3以外は特に順位付けてませんので、以下つらつらと。まずはロック周辺から。

・SLY & THE FAMILY STONE/Fresh

・RY COODER/Into The Purple Valley

・BONZO DOG DOO/DAH BAND/Gorilla

去年は例年以上に、持ってるCDを紙ジャケで買い直すことが多い年でした。リトル・フィートやキャロル・キングなども購入しましたが、上記アーティストがまとめてリマスター再発されたのは特に嬉しかったです(代表としてそれぞれ1枚ずつ挙げてます)。音もさることながら、当時のアートワークを丁寧に再現しているのには驚きました。特にボンゾ・ドッグは特殊ジャケット、付属ブックレットとも凝った作りで大満足でした。

・NEIL YOUNG/Live At Massey Hall 1971
・TRAVELING WILBURYS/The Traveling Wilburys Collection
・U2/The Joshua Tree

ニール・ヤングのアーカイヴはDVDなしのを購入しましたが、トラヴェリング・ウィルベリーズとU2はともにDVD付きのを購入。今後はさらに映像付きのものが増えていくんでしょうね。

・BOB DYLAN/DYLAN
・LED ZEPPELIN/Mothership

こういう場にベスト盤はあまり相応しくないんですが、ともによく聴いたんで。何たってディランとツェッペリン、問答無用のカッコ良さです。後者は12月のアー メット・アーティガン追悼コンサートで再結成され、世間的にも話題になりました(レココレ2月号にその模様が載ってます)。先日、友人の友人が会場で見たという羨ましい話を聞きました(しかもVIP席!至近距離にブライア ン・メイがいたそうです)。ちなみに沢尻エリカではありません。



次にワールドミュージック。ギリシャの「レンベーティカ」やアラブ、アフリカにも気になってるCDがたくさんあるんですが、ほとんど聴けてません(まぁこれからぼちぼち楽しみます)。数少ない候補の中では、ジンバブエのギター・バンド、BHUNDU BOYS/The Shed Sessionsがカッコ良かったですね。

Ethio22 Ethio9
ALEMAYEHU ESHETE/Ethiopiques 22 -More Vintage!(左ジャケ)
ALEMAYEHU ESHETE/Ethiopiques 9(右ジャケ)

あと遅ればせながら今年に入って、エチオピーク・シリーズのアレマイユ・エシェテにハマりました。エチオピアのJB、エルヴィス、はたまた北島三郎かと、好き者の間では以前から話題の人でしたが、ずっとタイミングを逃してまして最近ようやく購入しました(このエチオピーク・シリーズ自体も2,3枚しか持ってなかったですし…)。しかしこれはホント、病みつきになるダサカッコ良さ!今まで聴いてこなかったのを猛烈に後悔しました。ファンキーで、ソウルフルで、ブルージーで、ロッケンで、サイケで、ど演歌で。こぶし鍋の中で色んな食材がごろごろと煮えたぎってます。濃い目の味付けが好きな方はぜひどうぞ。ジャケがそそるので、過去に出た2枚とも載せておきます(ちなみに去年出たのは左)。



・タモリ/タモリ
・ 加藤和彦/ガーディニア
・細野晴臣/ハリー細野 クラウン・イヤーズ 1974-1977
・天地総子/天地総子大全〜フーコのコマソン・パラダイス
・オリジナル・ラヴ/LOVE! LOVE! & LOVE!

最後に日本勢。特に上の2枚が出たのは嬉しかったです。オリラヴは久々に聴き直しましたが、その完成度に改めて驚きました('91年のデビュー作)。もろもろ出た阿久悠さんのコンピはどれも聴けてませんが、大学時代の友人が関わってるので何か買ってみたいと思ってます。

以上、長々となりました。最近の新譜でもオススメが結構あるんで、何とか早めにアップしたいと思います。気長にお待ちください。