Stop Look Listen(2025年2月号)

月刊誌的「Stop Look Listen」の第2回。音楽関連以外で、「今月の読みかけ」も始めました。よろしくどうぞ!

<目次>

①今月の音楽
②今月の惹句
③今月の読みかけ
■編集後記 

①今月の音楽

今月もたくさんいい曲に出会えました。



Scott Bradlee's Postmodern Jukebox feat. Stella Katherine Cole / Uptown Girl

ニューヨークのピアニストScott Bradleeが創設した興味深い音楽集団。Billy Joelのヒット曲をヴィンテージ・ジャズ・アレンジでカヴァー。

Scott Bradlee's Postmodern Jukebox feat. Robyn Adele Anderson & Dave Koz / Careless Whisper

こちらはWham!の大ヒット曲カヴァー(西城秀樹や郷ひろみも日本語カヴァーしたほど、当時日本でも売れてた)。どこかクレズマー的なアレンジがクセになる。楽曲との相性、妙にいい。



Everyone Says Hi / Somebody Somewhere

先月セルフタイトルのデビューアルバムをリリースしたばかりのバンド(バンド名の由来はDavid Bowieの曲とのこと)。耳に残るドリーミー・ポップ。



Vulfmon / Dawn

VulfpeckのJack Strattonによるソロ・プロジェクト。溢れるGeorge Harrison感。ちなみにVulfpeckは今年のフジロック2日目のヘッドライナー(山下達郎と同日)。



Emilia Sisco / Love So Divine

昨年末にリリースされたアルバム"Introducing Emilia Sisco"を最近入手。これが素晴らしい。フィンランドのTimmion Records発で、バックを務めるのはCold Diamond & Mink(Bobby Orozaとの共演で有名)とくれば、間違いない出来。ヴィンテージ・ソウル好きの方ぜひ。早くも今年のベストアルバム候補。



Seu Jorge / Sete Prazeres

単独では10年ぶりのアルバム"Baile à la Baiana"の冒頭曲。相変わらずカッコイイ、サンバ・ファンク。ライヴが観たい。



mega cat / Sabotage

最後はBeastie Boysのカヴァー。昨年末に出たEP"Ultramegacat"に収録。バルカン~東欧っぽい旋律がいい。爆音で聴きたい。fromシアトル。



▼今月のSpotifyプレイリスト(紹介した曲以外にも、お気に入りを追加しています。雑多なラジオ感覚プレイリストです)


②今月の惹句

惹句とはキャッチコピー、宣伝文句のこと。こちらではレコード(主に日本盤7インチ)の味わい深い惹句を取り上げます。



「ボクはみんなと友だちになりたいんだ‼」

●ニュー・アイドル登場‼
ウチの妹も、隣りのユカちゃんも
みんな夢中‼
ヒデキもヒロミもなんのその‼
キミもきっとショーンの
トリコになっちゃうぞ‼
(ショーンはデイヴィッド・キャシディの弟です)


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ショーン・キャシディ「素敵なモーニング・ガール」
(1977年・日本盤リリース1977年5月)

Shaun Cassidy / Morning Girl


Shaun Cassidy / I Wanna Be With You →B面がちょっとソウルフル。


③今月の読みかけ

気づくと、部屋には読みかけの本ばかり。積読と読了のあいだ。読書・現在進行形。



先日、それぞれ別のブックオフで見かけ、購入。トランプ大統領、大谷翔平、フジテレビ・・・。今、彼女が生きていたら、何を語り、何を彫るだろう?

Nancy
ナンシー関「何が何だか」
ナンシー関、リリー・フランキー「小さなスナック」

■編集後記

年初に、今年は月イチ(できれば月2回)で美術館に行く目標を立てました。今のところ2ヶ月で6件と、いいペースで行けてます。今年は注目度の高い展覧会が関西で多く開催されるので(万博開催にあわせた形かと)、今からとても楽しみです。大阪市立美術館が3月にリニューアルオープンしたり、国宝展的なものが京都奈良大阪でほぼ同時開催されたり。どれも大混雑が予想されますが、ひるまず行きたいところです。



以上、皆さまの音楽生活の参考になれば幸いです。では、また。


Stop Look Listen(2025年1月号)

今年は定期的にオススメをご紹介できたらと思い、お試し的に月イチで雑誌っぽくやってみます。タイトルは「Stop Look Listen」。今回はまず手始めに、最近お気に入りの音楽と惹句をアップします。よろしくどうぞ!

<目次>

①今月の音楽
②今月の惹句
■編集後記 

①今月の音楽

気になるのが色々リリースされてます。



Saem Millward / I Don't Wanna Change

ニュージーランドの新人SSW。声良し、曲良しで、最近めちゃくちゃハマってる。ジャズをベースとしつつ、どこかポップでAOR風味も。元々この曲は高校時代、NCEA Level 3 Music(※)の課題として作ったもので、その後仲間と協力して仕上げたようだ。ちなみに名前のSaemは韓国語で泉や噴水の意味(母方が韓国、父方がニュージーランド)。

※NCEA(National Certificate of Educational Achievement)は、ニュージーランドの中高等学校の資格。Level 3 は通常Year 13(高校3年生)で取るべき単位。



Neal Francis / Back It Up

シカゴのSSW。彼はソウル/ニューオリンズR&Bのイメージがあるけど、この曲はディスコティック。3月にリリース予定のアルバム"Return To Zero"からの先行シングル。4月には来日公演もあり(気になる)。



Eddie Chacon ft. John Carroll Kirby / Empire

続いても、アルバムリリースを控えるSSW(3rdソロ作"Lay Low"・1/31リリース)。この曲はファンキーなブラコン・テイスト。相変わらず渋くてカッコイイ。90年代に活躍したソウル/R&Bデュオ、Charles & EddieのEddie Chaconと言えばピンとくる人がいるかも?



Mac Miller / 5 Dollar Pony Rides

2018年に急逝したラッパー、Mac Millerの未発表アルバム"Balloonerism"が公式音源化。この曲はメロウジャズ風味で、エレピの響きが心地よい。共同プロデュースとベースはThundercat。アルバム通して聴きどころ多し。



▼今月のSpotifyプレイリスト(紹介した曲以外にも、お気に入りを追加しています。雑多なラジオ感覚プレイリストです)


②今月の惹句

惹句とはキャッチコピー、宣伝文句のこと。こちらではレコード(主に日本盤7インチ)の味わい深い惹句を取り上げます。以前こちらでやってたのを久々に再開します。コメントなしでシンプルにいきます。



あの日本公演の興奮が甦る!僕達はもうイーグルスから離れることは出来ない!!

Eagles_takeit
イーグルス「テイク・イット・トゥ・ザ・リミット」
(1975年・日本盤リリース1976年4月)

Eagles / Take It To The Limit


■編集後記

日々刻々と流れていくSNSよりも、少しゆったりとした時間軸を持つブログが、今の自分にはしっくりきます。その感覚を表す言葉を月刊誌的ブログのタイトルにしようと考えていたところ、"Stop Look Listen" ― 立ち止まり、しっかり見て、じっくり聴く ― ふとそのフレーズが浮かびました。次から次へと早送りでチェックを進めるよりも、心に染み込んでいく過程や時間を大切にして、想いを巡らせたい。しばし日常の喧騒を離れ、ひと息入れつつ楽しんでいただけたら幸いです。

▼テーマBGM:The Stylistics / Stop, Look, Listen (To Your Heart)




以上、皆さまの音楽生活の参考になれば幸いです。では、また。


2024年ベストアルバム

あと数時間で2024年も終わろうとしています。今年も公私ともに激動で、生活パターンが大きく変わる年になりました。なかなか自由に外出できず、音楽をじっくり聴く時間が取れないことも多かったです。そんな中でも印象に残る音楽にたくさん出会うことができました。

大晦日の今日は一年の締めくくりとして、恒例の年間ベストアルバムをお届けします。ベストテン+次点的な16枚を選んでみました。よろしくどうぞ。



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★ベストアルバム
1. AROOJ AFTAB / Night Reign
2. FATHER JOHN MISTY / Mahashmashana
3. THEE SACRED SOULS / Got A Story To Tell
4. MYLES SANKO / Let It Unfold
5. HURRAY FOR THE RIFF RAFF / The Past Is Still Alive
6. 吾妻光良 & THE SWINGING BOPPERS / Sustainable Banquet
7. GEORDIE GREEP / The New Sound
8. LINIKER / Caju
9. IF KANSAS HAD TREES / Where You Thought You Would Be
10. NUSRAT FATEH ALI KHAN & PARTY / Chain Of Light

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<次点(順不同)>
・THEE HEART TONES / Forever & Ever
・KELLY FINNIGAN / A Lover Was Born
・JIMMY MONTAGUE / Tomorrow's Coffee
・CLAIRO / Charm
・AARON FRAZER / Into The Blue
・BRAINSTORY / Sounds Good
・THEE MARLOES / Perak
・KATY KIRBY / Blue Raspberry
・FLO / Access All Areas
・BRITTI / Hello, I'm Britti.
・IBRAHIM MAALOUF / Trumpets Of Michel-Ange
・MON DOUX SAIGNEUR / Du Soleil Dans L​’​oeil
・LIANA FLORES / Flower Of The Soul
・LAVA LA RUE / Starface
・ADRIANNE LENKER / Bright Future
・THE ZAWOSE QUEENS / Maisha



以上、皆さまの音楽生活の参考になれば幸いです。

今年も拙ブログをご愛顧いただき、誠にありがとうございました。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

皆さま、よいお年をお迎えください。


最近のお気に入り(2024年vol.21)

先日のフジロック配信、Rufus Wainwrightを少し見ることができました。雨降る中での、Leonard Cohen"Hallelujah"のカヴァー、沁みました。



今回はギターロックを。ここまでストレートなロックを取り上げるのは、かなり久々かも?



■If Kansas Had Trees / Where You Thought You Would Be (2024)

風変わりなバンド名が気になり聴いてみたところ、ミョーに気に入ってしまった。普段まったく聴かないタイプの音なんだけど。emo、pop punkといったジャンルになるのでしょうか?

If Kansas Had Treesはカンザス州出身ではなく、ペンシルベニア州(大統領選挙の激戦州)ウィルクスバリ出身のエモ/ポップパンクバンド。6月にリリースされたデビューアルバムがとてもいい。キャッチーなメロディ、清々しいギターサウンド、どこかポップな佇まいが印象的。Weezerっぽい風貌も雰囲気あり。エモ、パンク、ギターロック、パワーポップあたりが好きな方、ぜひ。








以上、皆さまの音楽生活の参考になれば幸いです。では、また。


最近のお気に入り(2024年vol.20)

昨日からフジロックが始まってます。配信で見ることのできるアーティストも結構いて、うまくタイミングが合えば見ようと思ってます。それにしてもRemi Wolfの直前キャンセルは残念でした。



前回からのつながりで、UKのお気に入りアルバム2枚を。



■Liana Flores / Flower Of The Soul (2024)

イギリス系ブラジル人SSW、Liana FloresがVerveからリリースしたメジャーデビューアルバムがとてもいい。ブリティッシュフォーク、ジャズ、ボサノヴァなどがブレンドされた音と、彼女の透明感ある声が魅力的。ミナス、サイケフォーク、アコースティックポップなどいくつもの色を見せつつ、統一感のあるところが秀逸。Jaques Morelenbaum、Tim Bernardesが参加しているのもブラジル音楽好きにはポイント高し。各所で今年のベストアルバムに選ばれるだろう良盤。







■Lava La Rue / Starface (2024)

西ロンドン出身のイギリス系ジャマイカ人ミュージシャン、Lava La RueがDirty Hitからリリースしたデビューアルバムがサイコー。ファンキーでグラム、ニューウェイヴでサイケ。色んな要素のごった煮サウンドで、変態チックな官能性はプリンスを彷彿させるところも。Cuco、Audrey Nunaなどゲストのセンスもいい。今年のベストアルバム候補。







以上、皆さまの音楽生活の参考になれば幸いです。では、また。


最近のお気に入り(2024年vol.19)

梅雨の中休み、セミが鳴き始めてました。また今年の夏も暑くなるとか。お手柔らかに。。



オススメ曲紹介の3回目は、UKの4曲を。



Brad Stank - Natty Wine

リヴァプール出身のSSW、Brad StankことBradley Mullins。印象的なクルーナーヴォイスで、ちょっとEddie Chaconっぽくもある。軽く揺れる感じのグッドミュージック。アルバム"In The Midst Of You"(2024年)収録。アルバムにはSean O'Hagan(The High Llamas)が数曲アレンジで参加。



Ezra Collective ft. Yazmin Lacey - God Gave Me Feet For Dancing

ロンドン出身でUKジャズを代表するバンド、Ezra Collective。スモーキーな声が特徴的なYazmin Laceyをゲストに迎えたシングルをリリース。ゆったりしたグルーヴが心地よい。今秋(9/27)発売されるアルバム"Dance, No One's Watching"が今から楽しみ。



Nubiyan Twist ft. Nile Rodgers - Lights Out

ロンドンに拠点をおく9人組多国籍アフロジャズ楽団、Nubiyan Twist。Nile Rodgersをゲストに迎えたファンキー・ダンサー(ギターのカッティングがいかにも)。4thアルバム"Find Your Flame"(2024年)収録。アルバムにはSeun Kutiもゲスト参加。



Bess Atwell - Fan Favourite

ブライトンに拠点をおくSSW、Bess Atwell。初めて聴いた人だけど、すごくいい。少し憂いを含んだ声と耳に残るメロディ。アルバム"Light Sleeper"(2024年)収録。



以上、皆さまの音楽生活の参考になれば幸いです。では、また。


最近のお気に入り(2024年vol.18)

裏の畑に植えた夏野菜が育ってきました。ナス、キュウリ、トマト、オクラなど。出来にばらつきはあるものの、しばらく採れたての旬の味覚を楽しめます。ちょっと贅沢な気分。



オススメ曲紹介の2回目は、R&B~ヒップホップな5曲を。



Remi Wolf - Cinderella
Remi Wolf - Toro


カリフォルニア州出身のSSW兼プロデューサー、Remi Wolf。曲も佇まいもホント、サイコーで。この2曲は少し前にヘビロテで、好きすぎて一つに絞れず、両方アップします。基本ラインはR&B~ディスコ~ポップン・ソウル。

"Cinderella"はヒップホップ黎明期的ラテン風味やホーンセクションが印象的(MVにはアイスクリーム屋さんとしてMac DeMarcoがカメオ出演)。"Toro"はどこかP-FUNKを彷彿させ、とりわけベースラインは特筆すべきカッコ良さ。もうすぐ(7/12)出る2ndアルバム"Big Ideas"(1st"Juno"以来3年ぶり)がめちゃくちゃ楽しみ。今年のフジロックに出演するらしく、可能なら観に行きたいところ。



Vince Staples - Black & Blue

カリフォルニア州ロングビーチ出身のラッパー、Vince Staples。既にクラシック感漂う新曲。聴かせるトラック。6枚目のアルバム"Dark Times"(2024年)収録。これがDef Jamから最後のリリース。



Ana Tijoux, Omar - Vida

フランス在住チリ系ラッパー、Ana Tijoux。久々のアルバム"Vida"(2024年)収録のタイトルトラック。"Vengo"(2014年・こちら参照)以来10年ぶりのアルバムということになるんでしょうか。Omarと共演の本曲でも、変わらぬカッコ良さの姐さんに脱帽。



Trueno - Tranky Funky

アルゼンチンのラッパー、Trueno。えらくファンキーかつキャッチーなトラック。アルバム"El Último Baile"(2024年)収録。僕の好きなNicki Nicole(こちらこちら参照)とも以前共演している(元婚約者だったはず)。時間を見つけて、南米のヒップホップも掘り下げたいところ。



以上、皆さまの音楽生活の参考になれば幸いです。では、また。


最近のお気に入り(2024年vol.17)

買い物に行く途中、アサガオのお宅(こちら参照)の前を通りました。ポリポットから植木鉢に移し替えられ、数センチだった双葉が50~60センチほどに育っていました。よそ様のお宅ながら(笑)その成長ぶりが嬉しく、また次通るのが楽しみになりました。



例年に比べブログ更新頻度は高いのですが、まだ紹介できてないものがたくさんあります。少しでも多く紹介できればと思い、これから数回にわたり、サクッとオススメ曲をアップします(全部で十数曲を予定)。今回はフォーキー、ポップ&グッドミュージックな5曲を。よろしくどうぞ。



Sun Kin - I Wanna Believe

GUPPYのメンバーでもあるLA在住ミュージシャン、Kabir KumarのプロジェクトSun Kin。70年代の匂いがするメロディーが印象的なグッドミュージック。最近いちばん聴いてる曲のひとつ。アルバム"Sunset World"(2024年)収録。Rachel Ben-Menachemによるジャケ写も良い。



This Is Lorelei - Where's Your Love Now

NYに拠点をおくWater From Your EyesのNate Amosによる別プロジェクトThis Is Lorelei。Poguesを彷彿させるトラッドっぽさが耳に残る(Poguesに"Lorelei"って曲ありましたね)。アルバム"Box for Buddy, Box for Star"(2024年)収録。アルバムはバラエティに富んでおり、なかなかのセンス。



Babehoven - Birdseye

ニューヨーク州ハドソンに拠点をおくインディー・フォーク・デュオBabehoven(Maya BonとRyan Albertから成る)。フォーキーかつ広がりを感じるナンバー。アルバム"Water's Here In You"(2024年)収録。上記This Is Loreleiと同レーベルDouble Double Whammy所属。



The Bygones - Glad

NYブルックリンに拠点をおくインディー・フォーク・デュオThe Bygones(Joshua Lee TurnerとAllison Youngから成る)。春風のように軽やかなフォーキー・ポップ。セルフタイトルの1stアルバム"The Bygones"(2024年)収録。アルバムはポップな佳作で、17世紀オランダ絵画のようなジャケも雰囲気あり。



Magdalena Bay - Death & Romance

LAに拠点をおくエレクトロ・ポップ・デュオMagdalena Bay(Mica TenenbaumとMatthew Lewinから成る)。ダンサブルでパワフルなポップ。夏にリリース予定のアルバムに期待が高まる。



以上、皆さまの音楽生活の参考になれば幸いです。では、また。


最近のお気に入り(2024年vol.16)

ガブリエル・ガルシア=マルケス「百年の孤独」の文庫化が話題になっています(6月26日発売)。僕は昨年一念発起し、積ん読のままだった同作の単行本を読了したのですが、文庫本好きとしてはやっぱりこれも買ってしまうだろうなと。解説を筒井康隆氏が書き下ろしているのもそそります。再読するのが今から楽しみです。



カナダのプチ特集、第5弾。今回は2組ご紹介。まだ紹介しきれない人たちがいますが、いったん今回で終了します(キリがないので)。



モントリオールに拠点をおくフォーク/トラッド系SSW、Myriam Gendron。3年ぶりの3rdアルバム"Mayday"がとても素晴らしい。僕の年間ベストアルバム(2022年)にランクインした(こちら参照)前作同様、自作曲とトラッドのカヴァー両方を収録し、英語とフランス語で歌っている。今作の魅力のひとつは伝統的な音とアヴァンギャルドな要素がブレンドされているところ。特にドラムのJim WhiteやテナーサックスのZoh Ambaのフリーキーな響きが、アルバムにスリリングな瞬間を与えている。







ケベック州サルイット生まれ、現在はモントリオールに拠点をおくSSW、Elisapieの4thアルバム"Inuktitut"がいい。彼女はカナダ北部などの氷雪地帯に住む先住民族イヌイットである。今作は60年代~90年代のロック/ポップスをイヌイットの言語であるイヌクティトゥット語に翻訳/解釈したカヴァー・アルバムで、とても興味深い作品に仕上がっている。Leonard Cohen、Led Zeppelin、Pink Floyd、Queen、Fleetwood MacからCyndi Lauper、Metallicaまで。個人的にはBlondieやRolling Stonesのカヴァーが特に気に入った。







以上、皆さまの音楽生活の参考になれば幸いです。では、また。


最近のお気に入り(2024年vol.15)

買い物に行く途中、近所の家の玄関先に置いてある黒いポリポットが目に留まりました。よく見ると中にはアサガオの双葉が。夏が育っていくさまに思いを巡らせ、これからその道を通るのが楽しみになりました。



カナダのプチ特集、第4弾。今回は2組ご紹介。



モントリオールに拠点をおくドリーム・ポップ/インディー・ロック・バンドGrand Eugene、バンド名を冠したデビューEP(2023年)がポップでとてもいい。EP未収録のオリエンタルな最新シングル"Mile End"や、Niall Mutterと共作したサイケメロウ"Fait du sens"など、今年出た新曲もすべてクオリティ高し。古い写真によくあるフラッシュで飛んだ感じの、アナログ感と匿名性をあわせ持つジャケのセンスも好き。








続いて、上掲シングル"Fait du sens"で共演するなど、Grand Eugeneと関係が深いNiall Mutter。Grand Eugeneの初期シングル2枚にはベースで参加してる(メンバーだった可能性もあり)。彼はオンタリオ州ロンドン出身で、現在モントリオール在住のSSW兼マルチ楽器奏者。デビューEP"Pass Me By"(2022年)はThe Beach Boysや70年代AORを彷彿させるポップな佳曲を多数収録。とりわけベッドルームR&B"You"が素晴らしい。







以上、皆さまの音楽生活の参考になれば幸いです。では、また。