Stop Look Listen(2025年3月号)
March 30, 2025
月刊誌的「Stop Look Listen」の第3回。花粉症で辛い日々ですが、今月も色々と更新しています。よろしくどうぞ!
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<目次>
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①今月の音楽
南米~北米(カナダ含む)、そしてアジア。今月もたくさんいい曲に出会えました。
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Cuco feat. Jean Carter / My 45
アルバム"Ridin'"のリリースを5月に控えるチカーノ系SSW。南国~レゲエ~ソウル風味と、全体を貫くレイドバック感。このゆるさが魅力的。クリスマス~年末感あるのは、どこかJohn & Yoko"Happy Xmas (War Is Over)"っぽいから?アルバムのプロデューサーはThomas Brenneck(Menahan Street Band、El Michels Affairほか)とのことで、今から楽しみ。
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Ainda / No Es Amor
アルバム"Fuimos Los Dos"を3月にリリースしたばかりのアルゼンチン・デュオ。心弾むようなメロディとストリングス・アレンジが印象的。春向きポップン・ソウル。
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Fust / Spangled
アルバム"Big Ugly"を3月にリリースしたばかりのノースカロライナ州ダーラム出身のオルタナ・カントリー・バンド。これぞアメリカン・ロックの良心といった音で、かなり好み。
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Charley Crockett / Lonesome Drifter
アルバム"Lonesome Drifter"を3月にリリースしたばかりのSSW&ギタリスト。タイトル曲はアメリカーナど真ん中の音で、たまりません。激渋ブルージー。
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Men I Trust / All My Candles
カナダ・モントリオールに拠点をおく人気ドリームポップ/サイケバンド。アルバム"Equus Asinus"を3月にリリースしたばかりだけど、今年はアルバムもう一枚リリースするらしい(タイトルは"Equus Caballus")。たゆたうような音像が心地よい。
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Yuki Dreams Again / Too Much
続いてもカナダ・モントリオールに拠点をおくプロデューサー/パフォーマー。2月にアルバム"Star People"をリリース。ギターワークなど疾走感ありつつ、ファンキー。ファルセットのサビも印象的。
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Thịnh Suy / Thường
最後はベトナム。ホーチミンに拠点をおくSSW。3月にEP"Cú"をリリースしたばかり。穏やかで優しみあるポップ。いつまでも聴いていられる感じの寄り添い具合。
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▼今月のSpotifyプレイリスト(紹介した曲以外にも、お気に入りを追加しています。雑多なラジオ感覚プレイリストです)
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②今月の惹句
惹句とはキャッチコピー、宣伝文句のこと。こちらではレコード(主に日本盤7インチ)の味わい深い惹句を取り上げます。
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全米チャート急上昇シングル!
アメリカでもっともナイーヴなバンド。少し変わっているけどニューヨークでは主席。"TA LKI N GHE ADS"
トーキング・ヘッズ「ナイーヴ・メロディ(ジス・マスト・ビー・ザ・プレイス)」
(1983年・日本盤リリース1984年2月)
Talking Heads / This Must Be The Place (Naive Melody)
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③今月の読みかけ
気づくと、部屋には読みかけの本ばかり。積読と読了のあいだ。読書・現在進行形。
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電車に乗る時、少しずつ読んでいる。豪華な執筆陣で面白いものが多い。7割がた読んだなかで特に印象的だったのは、唐十郎、出久根達郎、鈴木信太郎、有馬頼寧(何と西荻窪の名付け親!)あたり。あと向田邦子「中野のライオン」はいろんな本で何度も読んでるけど、やっぱり面白い。
大学入学と同時に上京して初めて住んだのが中央線の国立(くにたち)だったから、中央線には思い入れがある。国立駅を降りて南にまっすぐ伸びる大学通りには桜とイチョウの木が交互に植えられていて、季節ごとに景色が変わる並木道になる。入学した年の春は大学通りの桜がとりわけ見事で、前途を祝福してくれているように思えた。
もし人生でいちばん印象的な春の光景は?と尋ねられたら、その春の満開の桜だと答えるだろう。今は東京から離れたところにいる僕にとって、中央線はずっと春のイメージのままだ。
南陀楼綾繁 編「中央線随筆傑作選」
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■編集後記
先日ふきのとうの天ぷらを食べました。去年こちらで書いた通り、今年は忘れずに裏の畑から採ってきて、ほろ苦い春の味覚を堪能しました。近所でも桜が咲き始めている様子ですし、いよいよ本格的な春到来ですね(花粉症さえなければ…)。
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以上、皆さまの音楽生活の参考になれば幸いです。では、また。