最近のお気に入り(2024年vol.21)

先日のフジロック配信、Rufus Wainwrightを少し見ることができました。雨降る中での、Leonard Cohen"Hallelujah"のカヴァー、沁みました。



今回はギターロックを。ここまでストレートなロックを取り上げるのは、かなり久々かも?



■If Kansas Had Trees / Where You Thought You Would Be (2024)

風変わりなバンド名が気になり聴いてみたところ、ミョーに気に入ってしまった。普段まったく聴かないタイプの音なんだけど。emo、pop punkといったジャンルになるのでしょうか?

If Kansas Had Treesはカンザス州出身ではなく、ペンシルベニア州(大統領選挙の激戦州)ウィルクスバリ出身のエモ/ポップパンクバンド。6月にリリースされたデビューアルバムがとてもいい。キャッチーなメロディ、清々しいギターサウンド、どこかポップな佇まいが印象的。Weezerっぽい風貌も雰囲気あり。エモ、パンク、ギターロック、パワーポップあたりが好きな方、ぜひ。








以上、皆さまの音楽生活の参考になれば幸いです。では、また。


最近のお気に入り(2024年vol.20)

昨日からフジロックが始まってます。配信で見ることのできるアーティストも結構いて、うまくタイミングが合えば見ようと思ってます。それにしてもRemi Wolfの直前キャンセルは残念でした。



前回からのつながりで、UKのお気に入りアルバム2枚を。



■Liana Flores / Flower Of The Soul (2024)

イギリス系ブラジル人SSW、Liana FloresがVerveからリリースしたメジャーデビューアルバムがとてもいい。ブリティッシュフォーク、ジャズ、ボサノヴァなどがブレンドされた音と、彼女の透明感ある声が魅力的。ミナス、サイケフォーク、アコースティックポップなどいくつもの色を見せつつ、統一感のあるところが秀逸。Jaques Morelenbaum、Tim Bernardesが参加しているのもブラジル音楽好きにはポイント高し。各所で今年のベストアルバムに選ばれるだろう良盤。







■Lava La Rue / Starface (2024)

西ロンドン出身のイギリス系ジャマイカ人ミュージシャン、Lava La RueがDirty Hitからリリースしたデビューアルバムがサイコー。ファンキーでグラム、ニューウェイヴでサイケ。色んな要素のごった煮サウンドで、変態チックな官能性はプリンスを彷彿させるところも。Cuco、Audrey Nunaなどゲストのセンスもいい。今年のベストアルバム候補。







以上、皆さまの音楽生活の参考になれば幸いです。では、また。


最近のお気に入り(2024年vol.19)

梅雨の中休み、セミが鳴き始めてました。また今年の夏も暑くなるとか。お手柔らかに。。



オススメ曲紹介の3回目は、UKの4曲を。



Brad Stank - Natty Wine

リヴァプール出身のSSW、Brad StankことBradley Mullins。印象的なクルーナーヴォイスで、ちょっとEddie Chaconっぽくもある。軽く揺れる感じのグッドミュージック。アルバム"In The Midst Of You"(2024年)収録。アルバムにはSean O'Hagan(The High Llamas)が数曲アレンジで参加。



Ezra Collective ft. Yazmin Lacey - God Gave Me Feet For Dancing

ロンドン出身でUKジャズを代表するバンド、Ezra Collective。スモーキーな声が特徴的なYazmin Laceyをゲストに迎えたシングルをリリース。ゆったりしたグルーヴが心地よい。今秋(9/27)発売されるアルバム"Dance, No One's Watching"が今から楽しみ。



Nubiyan Twist ft. Nile Rodgers - Lights Out

ロンドンに拠点をおく9人組多国籍アフロジャズ楽団、Nubiyan Twist。Nile Rodgersをゲストに迎えたファンキー・ダンサー(ギターのカッティングがいかにも)。4thアルバム"Find Your Flame"(2024年)収録。アルバムにはSeun Kutiもゲスト参加。



Bess Atwell - Fan Favourite

ブライトンに拠点をおくSSW、Bess Atwell。初めて聴いた人だけど、すごくいい。少し憂いを含んだ声と耳に残るメロディ。アルバム"Light Sleeper"(2024年)収録。



以上、皆さまの音楽生活の参考になれば幸いです。では、また。


最近のお気に入り(2024年vol.18)

裏の畑に植えた夏野菜が育ってきました。ナス、キュウリ、トマト、オクラなど。出来にばらつきはあるものの、しばらく採れたての旬の味覚を楽しめます。ちょっと贅沢な気分。



オススメ曲紹介の2回目は、R&B~ヒップホップな5曲を。



Remi Wolf - Cinderella
Remi Wolf - Toro


カリフォルニア州出身のSSW兼プロデューサー、Remi Wolf。曲も佇まいもホント、サイコーで。この2曲は少し前にヘビロテで、好きすぎて一つに絞れず、両方アップします。基本ラインはR&B~ディスコ~ポップン・ソウル。

"Cinderella"はヒップホップ黎明期的ラテン風味やホーンセクションが印象的(MVにはアイスクリーム屋さんとしてMac DeMarcoがカメオ出演)。"Toro"はどこかP-FUNKを彷彿させ、とりわけベースラインは特筆すべきカッコ良さ。もうすぐ(7/12)出る2ndアルバム"Big Ideas"(1st"Juno"以来3年ぶり)がめちゃくちゃ楽しみ。今年のフジロックに出演するらしく、可能なら観に行きたいところ。



Vince Staples - Black & Blue

カリフォルニア州ロングビーチ出身のラッパー、Vince Staples。既にクラシック感漂う新曲。聴かせるトラック。6枚目のアルバム"Dark Times"(2024年)収録。これがDef Jamから最後のリリース。



Ana Tijoux, Omar - Vida

フランス在住チリ系ラッパー、Ana Tijoux。久々のアルバム"Vida"(2024年)収録のタイトルトラック。"Vengo"(2014年・こちら参照)以来10年ぶりのアルバムということになるんでしょうか。Omarと共演の本曲でも、変わらぬカッコ良さの姐さんに脱帽。



Trueno - Tranky Funky

アルゼンチンのラッパー、Trueno。えらくファンキーかつキャッチーなトラック。アルバム"El Último Baile"(2024年)収録。僕の好きなNicki Nicole(こちらこちら参照)とも以前共演している(元婚約者だったはず)。時間を見つけて、南米のヒップホップも掘り下げたいところ。



以上、皆さまの音楽生活の参考になれば幸いです。では、また。


最近のお気に入り(2024年vol.17)

買い物に行く途中、アサガオのお宅(こちら参照)の前を通りました。ポリポットから植木鉢に移し替えられ、数センチだった双葉が50~60センチほどに育っていました。よそ様のお宅ながら(笑)その成長ぶりが嬉しく、また次通るのが楽しみになりました。



例年に比べブログ更新頻度は高いのですが、まだ紹介できてないものがたくさんあります。少しでも多く紹介できればと思い、これから数回にわたり、サクッとオススメ曲をアップします(全部で十数曲を予定)。今回はフォーキー、ポップ&グッドミュージックな5曲を。よろしくどうぞ。



Sun Kin - I Wanna Believe

GUPPYのメンバーでもあるLA在住ミュージシャン、Kabir KumarのプロジェクトSun Kin。70年代の匂いがするメロディーが印象的なグッドミュージック。最近いちばん聴いてる曲のひとつ。アルバム"Sunset World"(2024年)収録。Rachel Ben-Menachemによるジャケ写も良い。



This Is Lorelei - Where's Your Love Now

NYに拠点をおくWater From Your EyesのNate Amosによる別プロジェクトThis Is Lorelei。Poguesを彷彿させるトラッドっぽさが耳に残る(Poguesに"Lorelei"って曲ありましたね)。アルバム"Box for Buddy, Box for Star"(2024年)収録。アルバムはバラエティに富んでおり、なかなかのセンス。



Babehoven - Birdseye

ニューヨーク州ハドソンに拠点をおくインディー・フォーク・デュオBabehoven(Maya BonとRyan Albertから成る)。フォーキーかつ広がりを感じるナンバー。アルバム"Water's Here In You"(2024年)収録。上記This Is Loreleiと同レーベルDouble Double Whammy所属。



The Bygones - Glad

NYブルックリンに拠点をおくインディー・フォーク・デュオThe Bygones(Joshua Lee TurnerとAllison Youngから成る)。春風のように軽やかなフォーキー・ポップ。セルフタイトルの1stアルバム"The Bygones"(2024年)収録。アルバムはポップな佳作で、17世紀オランダ絵画のようなジャケも雰囲気あり。



Magdalena Bay - Death & Romance

LAに拠点をおくエレクトロ・ポップ・デュオMagdalena Bay(Mica TenenbaumとMatthew Lewinから成る)。ダンサブルでパワフルなポップ。夏にリリース予定のアルバムに期待が高まる。



以上、皆さまの音楽生活の参考になれば幸いです。では、また。


最近のお気に入り(2024年vol.16)

ガブリエル・ガルシア=マルケス「百年の孤独」の文庫化が話題になっています(6月26日発売)。僕は昨年一念発起し、積ん読のままだった同作の単行本を読了したのですが、文庫本好きとしてはやっぱりこれも買ってしまうだろうなと。解説を筒井康隆氏が書き下ろしているのもそそります。再読するのが今から楽しみです。



カナダのプチ特集、第5弾。今回は2組ご紹介。まだ紹介しきれない人たちがいますが、いったん今回で終了します(キリがないので)。



モントリオールに拠点をおくフォーク/トラッド系SSW、Myriam Gendron。3年ぶりの3rdアルバム"Mayday"がとても素晴らしい。僕の年間ベストアルバム(2022年)にランクインした(こちら参照)前作同様、自作曲とトラッドのカヴァー両方を収録し、英語とフランス語で歌っている。今作の魅力のひとつは伝統的な音とアヴァンギャルドな要素がブレンドされているところ。特にドラムのJim WhiteやテナーサックスのZoh Ambaのフリーキーな響きが、アルバムにスリリングな瞬間を与えている。







ケベック州サルイット生まれ、現在はモントリオールに拠点をおくSSW、Elisapieの4thアルバム"Inuktitut"がいい。彼女はカナダ北部などの氷雪地帯に住む先住民族イヌイットである。今作は60年代~90年代のロック/ポップスをイヌイットの言語であるイヌクティトゥット語に翻訳/解釈したカヴァー・アルバムで、とても興味深い作品に仕上がっている。Leonard Cohen、Led Zeppelin、Pink Floyd、Queen、Fleetwood MacからCyndi Lauper、Metallicaまで。個人的にはBlondieやRolling Stonesのカヴァーが特に気に入った。







以上、皆さまの音楽生活の参考になれば幸いです。では、また。


最近のお気に入り(2024年vol.15)

買い物に行く途中、近所の家の玄関先に置いてある黒いポリポットが目に留まりました。よく見ると中にはアサガオの双葉が。夏が育っていくさまに思いを巡らせ、これからその道を通るのが楽しみになりました。



カナダのプチ特集、第4弾。今回は2組ご紹介。



モントリオールに拠点をおくドリーム・ポップ/インディー・ロック・バンドGrand Eugene、バンド名を冠したデビューEP(2023年)がポップでとてもいい。EP未収録のオリエンタルな最新シングル"Mile End"や、Niall Mutterと共作したサイケメロウ"Fait du sens"など、今年出た新曲もすべてクオリティ高し。古い写真によくあるフラッシュで飛んだ感じの、アナログ感と匿名性をあわせ持つジャケのセンスも好き。








続いて、上掲シングル"Fait du sens"で共演するなど、Grand Eugeneと関係が深いNiall Mutter。Grand Eugeneの初期シングル2枚にはベースで参加してる(メンバーだった可能性もあり)。彼はオンタリオ州ロンドン出身で、現在モントリオール在住のSSW兼マルチ楽器奏者。デビューEP"Pass Me By"(2022年)はThe Beach Boysや70年代AORを彷彿させるポップな佳曲を多数収録。とりわけベッドルームR&B"You"が素晴らしい。







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最近のお気に入り(2024年vol.14)

雨上がりの朝、庭でカタツムリを見かけました。動いているのか分からないくらい、ゆっくりと進んでいました。しばらく経って見たら、もうどこかへ行って見えなくなりました。



カナダのプチ特集、第3弾。今回はグループ1組とそのメンバー3人をご紹介。



全員ケベック州出身のSSWから成る3人組、Le Roy, la Rose et le Lou​[​p](グループ名はAriane Roy、Thierry Larose、Lou-Adriane Cassidy、各人の名前から)のシングルが素晴らしい。躍動感あるフレンチポップス。映画のワンシーンみたいなジャケも眩しくて。同郷のため以前から交流あると思われるが、2022年から3人で一緒にツアーをやっている。今月末5/31には本シングルを収録したライヴアルバムが出るらしい(こちら参照)。と思ったら、何とレコードもあるみたい!(こちら参照)。これは欲しい!






以下、Le Roy, la Rose et le Lou​[​p]の各メンバーついて。

まずはケベックシティ出身のSSW、Ariane Roy。彼女の1stアルバム"Medium Plaisir"(2022年)はポップな曲が多く愛聴した(上述Lou-Adriane Cassidyとの共演曲もあり)。最近出たシングルもなかなかいい。







次はマリーヴィル出身のThierry Larose。2ndアルバム"Sprint!"(2023年)はちょっとロックなサウンドも含んだ好盤。最新作はSophia Bel(ミシガン州出身、現在はモントリオールに拠点をおくSSW)とのデュエットシングル。これが柔らかい雰囲気のアコースティックポップでとてもいい。







最後はケベックシティ出身(たぶん)のLou-Adriane Cassidy。2ndアルバム"Lou​-​Adriane Cassidy vous dit : Bonsoir"(2021年)は佳曲が多く、ジャケも良く、印象に残るアルバム。新曲が待ち遠しい。







以上、皆さまの音楽生活の参考になれば幸いです。では、また。


最近のお気に入り(2024年vol.13)

最近は寝る前に「魔女狩りのヨーロッパ史」(岩波新書)を読んでます。「魔女狩り」ってよく聞く言葉ですが、実際どのようなものだったのか、意外と知ってるようで知らなかったなと。地域的特色、魔女発見人、サバト、家族からの告発など、興味深い記述が多いです。ぼんやりしていた知識の解像度が上がるのは楽しいですね。



カナダのプチ特集、第2弾。今回は3組ご紹介。



トロントのSSW兼プロデューサー、Charlotte Day Wilsonの新作"Cyan Blue"がソウルフルでいい。"Alpha"(2021年)以来3年ぶりの2ndアルバムはXL Recordingsからのリリース。R&B、フォーキー、ミニマルなエレクトロがブレンドされたサウンドと、翳りのある歌声が魅力的。聴くたびにじんわり染みてくる。






モントリオールのインディー・ポップ・バンドTOPSのヴォーカル、Jane PennyのソロデビューEP"Surfacing"がいい。バンドよりもクリエイティヴ的探求を進めたサウンドで、シンセポップ~アンビエント色濃い作品に仕上がっている(ベルリンとモントリオールで制作されているのもポイント)。彼女の奏でるフルートが心地よく響く曲も聴きもの。







Jane Pennyと同じくTOPSのメンバー(キーボード担当)、Marta Cikojevicによるソロ・プロジェクトMarciもいい。アルバムは"Marci"(2022年)以降リリースされてないけど、去年出た2枚のシングルがともにダンサブルでキャッチー。早くフルアルバムが聴きたいところ。






以上、皆さまの音楽生活の参考になれば幸いです。では、また。


最近のお気に入り(2024年vol.12)

妹家族が潮干狩りに行ったらしく、アサリをたくさん持って来てくれました。みそ汁や酒蒸しなどで食べるのが楽しみです。



カナダのお気に入り新作がたまってきたんで、数回にわたりプチ特集的にアップします。今回はフォーキーな2組をご紹介。The Band、Neil Young、Joni Mitchellといったカナダ出身のアーティストたちが僕の音楽的趣向のベースを形作ったと言っても過言ではないため、いつもどこかでカナダの音楽を気にしている自分がいます。



ブリティッシュコロンビアに拠点をおくバンドLovingの2ndアルバム"Any Light"がとてもいい。"If I Am Only My Thoughts"(2020年)以来4年ぶりの今作も、素晴らしいサイケフォークに仕上がっている。フォーキーでドリーミー、儚くて優しい。音の印象は違うけど、どこかThe Bandを彷彿させる瞬間もあって、すっかり愛聴してます。たゆたうような心地よさに酔いしれる好盤。







Jonah Yano(広島県出身で現在はモントリオールに拠点をおくSSW)とLe Ren(モントリオールに拠点をおくSSW、Lauren Spearのソロプロジェクト)のデュオによるEP"the little italy demos"がとてもよい。Jonah Yanoは前作"Portrait Of A Dog"(2023年)を年間ベストアルバムにランクインさせたが(こちら参照)、その後様々なアーティストとコラボしているようだ。Le Renとは前作のレコーディング後、一緒に曲を書き始めたらしい。今では2人は同じ壁を共有している隣人とのこと。静謐を湛える佳作。ぜひ一枚アルバム作ってほしい。







以上、皆さまの音楽生活の参考になれば幸いです。では、また。