[SMH-EP] ボサノヴァ歌謡+和モノ・グルーヴ

昨日おとといはホントすごい風でしたが、今日は穏やかでいいです(また庭の梅の木にメジロが来てました)。



さて、最近オススメのCDを色々ご紹介。と思っていましたが、ひょんなことからボサノヴァ歌謡、和モノ・グルーヴの音源(YouTube映像は静止画)にぶち当たったため、「私的名盤アワー」の記念すべき第10回目としてお届けします。

知ってる人には当たり前、知らない人にはとても新鮮。有名歌手のレア・グルーヴはもちろん、「えっ、こんな人が?」という大女優や短い芸能生活だったと思われるアイドルなど、すべての曲が「今聴いてカッコイイか」という価値観のもと同一線上に並ぶのがやはり醍醐味ですね。

今回初耳のものもいくつかあり、昔の和モノ・歌謡曲も久々に買ってみようと思いました(深入りしないように気をつけないと…)。取り急ぎ、コメント少なめで貼り付けますが、よろしくどうぞ。



これは「知らない歌」でした。






個人的にはボサノヴァ歌謡史上で一、二を争うほど好きな曲。名曲。






これもいい曲。しっとりしたムード。






初耳だけど、これは素晴らしすぎる!パヤパヤ・スキャット、流麗なリズム、何とも言えないゆる〜いムード(都会で味わう南国の夜という感じ?)がタマりません。

興味のある方は、こちら(ジャケ大きめ)やこちら(詳細な解説)を参照ください。自分の不勉強さ(?)が身に染みます。






最後はガツンと連発で。




オーラスは、どこかのお店でよく見たジャケット(笑)






以上、皆さまの音楽生活の参考になれば幸いです。では、また。

[SMH-CD] k.d.lang / Hymns Of The 49th Parallel

昨日からバンクーバーオリンピックが始まりました。ちょうど休みということもあり、連日のTV観戦。

今日の昼に観た上村愛子選手は惜しくも4位でしたが、選手の皆さん、悔いのないよう全力を出してください。そして、とにかく無事で(グルジア選手の訃報、お悔やみ申し上げます…)。



開会式も生放送で観ましたが、自然の描き方など見応えがあって良かったです(オリンピックの開会式をちゃんと観たのは久々だったかも)。最後、聖火台の脚が一本出てこなかったのは残念でしたが…。

その開会式にブライアン・アダムス、ネリー・ファータド、サラ・マクラクランといったカナダ出身の有名歌手が出てましたが、やはり個人的に嬉しかったのは、ジョニ・ミッチェルの名曲"Both Sides Now"がかかったことと(残念ながら本人は出ず)、k.d.ラングがレナード・コーエンの名曲"Hallelujah"を生で歌ったことですね。



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ということで前置きが長くなりましたが、約4ヶ月ぶり久々の「私的名盤アワー」をお届けします。第9回目は冬季オリンピック開幕記念、前述の"Hallelujah"カバーを収録したk.d.ラングの秀逸なカバーアルバムです('04年リリース)。

本盤はカナダ出身の彼女がカナダ出身のSSWの曲をカバーしたもの(「北緯49度の賛歌」というタイトルはアメリカとカナダの国境線に由来)。数々の名曲が彼女の歌により新たな息吹を与えられており、シンプルで美しい作品集に仕上がっている。最近のカバーアルバムには安直な企画が多いが、これは本当にオススメできる逸品。カナダ出身のSSWって言われてもよく分からないという人にもぜひ聴いてもらいたい。



収録曲をざっと挙げると、ニール・ヤング"After The Gold Rush","Helpless"、ジョニ・ミッチェル"A Case Of You","Jericho"、ブルース・コバーン"One Day I Walk"、そしてレナード・コーエン"Hallelujah","Bird On A Wire"(2曲とも素晴らしい出来)といった具合。SSW好きには今更言うまでもない名曲がずらりと並ぶ様は壮観。

そんな中、ロン・セクスミス"Fallen"(今年でデビュー15周年の彼もこの中では若手)や、ジェーン・シベリー"The Valley","Love Is Everything"(このアルバムを聴くまでまったく知らなかった人)といった比較的地味な人たちの曲が印象に残る。これは原曲の印象が薄い分、k.d.ラングの歌唱が響いてくるということなのかもしれない。なお本盤にはデオダートがストリングス・アレンジャーとして参加していることも興味深い。



見る角度によって色が変わるジャケもとても綺麗で、内容含め作品としての完成度は非常に高い。我らが国境の南マスターが日記でブルース・コバーンの名盤「雪の世界」(前述"One Day I Walk"を収録)を取り上げていたのと同様、冬になると聴きたくなる一枚。凍てつくカナダの大地に想いを馳せながら聴いていると、じわっと心が暖かくなってくる。この素晴らしい企画の第二弾をぜひ期待したいところ。

収録されている元曲が無性に聴きたくなり、この週末はジョニ・ミッチェル、ブルース・コバーンなどを引っ張り出して聴いていた。やっぱりカナダの歌手はいいなぁと。オリンピックとの合わせ技で、すっかりカナダ三昧の休日に。



k.d.ラングに話を戻すと、ちょうどデビュー25周年記念のベスト盤が出たばかり(僕はまだ買ってませんが、DVD付きの豪華盤を入手したいところ)。これを機に彼女の軌跡を辿ってみたい方にはとてもタイムリーかつ便利かと。しかし、件の開会式でのラングさん、かなりごつくなっててビックリしたなぁ(苦笑)

以上、皆さまの音楽生活の参考になれば幸いです。では、また。

[SMH-LP] AMBITIOUS LOVERS / Greed

だいぶ涼しくなってきましたね。皆さま、風邪など引かないよう、くれぐれもご自愛ください。

さて約1ヶ月ぶりの「私的名盤アワー」、第8回目の今回は久々にアナログ盤をご紹介します(アナログは2回目)。

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最近ちょっとご無沙汰している感もあるアート・リンゼイ(ギタリスト、シンガーとしてだけでなくプロデューサーとしてもいい仕事してる才人。ジャケ写左・メガネの方)。彼が80年代にピーター・シェラー(キーボーディスト、本作のプロデューサーでもある)と組んだデュオがこのアンビシャス・ラヴァーズ。

ソロになってから、特に最近の彼はアコースティック色が濃い印象だけど、この辺りまではDNA(僕もブライアン・イーノがプロデュースしたコンピ盤"No New York" に衝撃を受けたくち。特にJAMES CHANCE & THE CONTORTIONSのこの曲はホントによく聴いた)〜ラウンジ・リザーズといった先鋭的なNYシーンの臭いがしてかなり好きだった。



このアルバムは'88年リリースの傑作2nd。まだアナログで新譜を購入することが多かった時代につき、僕はアナログしか持っておらず、いったん聴き出すとA面ばかり何度もリピートしてしまう盤である。1stが"Envy"('84)なもんで、七つの大罪よろしく7枚は出すんだろうと思ってたら、彼らは"Lust"('91)を発表後に解散してしまいとても残念だった(しかし今思い出しても実にいいユニット)。

内容の方はファンクをベースに、ブラジリアン、ジャズなどを取り混ぜ、クールでアヴァンギャルドだけど随所にポップさもあり、といった感じ。特に突然切り込んでくるアートのチューニング狂ったノイズギターがたまらない。もっともっと!てな感じで盛り上がる。発売から20年以上経った今聴いても十分すぎるほどカッコイイ。オススメはいくつかあるけど、ホワイト・ファンクなA-1"Copy Me"(イントロから鳥肌もの。下記ライヴ・ヴァージョンはイントロ違うも猥雑な感じがいい)と、一筋縄でいかない変態ポップ・ファンク(後半から徐々にブラジリアン・モードに)のA-4"King"がとりわけ素晴らしい。これらはできれば爆音で聴きたいところ。




またサンバやボサノヴァが数曲で聞こえてくるのも、まだちゃんとブラジル音楽を聴いてなかった当時の僕には新鮮だった。なぜブラジルかというと(ご存じの方も多いと思うけど)、これはアートが3〜17歳までブラジルに住んでいたことによる。後年カエターノ・ヴェローゾやマリーザ・モンチといった大物をプロデュースするなど、現地ミュージシャンとの交流も深いのはご承知の通り。

当然ながらゲストも強者揃い。ヴァーノン・リード(リヴィング・カラーの新譜も出た模様)、ジョン・ゾーン、ビル・フリゼール、ジョン・ルーリー、ナナ・ヴァスコンセロスなどが参加。このところ80年代音楽が紙ジャケで再発されてたりするけど、本盤もボーナストラックや映像付きでぜひリマスター再発してほしいもんです(たぶん今までちゃんと再発されてないはず)。

以上、皆さまの音楽生活の参考になれば幸いです。では、また。

※おまけ




[SMH-CD] JORGE DREXLER / 12 Segundos De Oscuridad

皆さま、連休いかがお過ごしでしょうか。

先日お知らせしたように、いよいよ今日明日と久々のDJイベントです。今日9/20は渋谷・国境の南(いつもの通りほっこり楽しい感じで)、明日9/21は逗子・カフェシネマアミーゴ(海が近いので晴れたら気持ち良さそう)にて。

何かとお忙しいかと思いますが、お時間のある方はぜひお気軽にお立ち寄りください。お待ちしてます!



さて「私的名盤アワー」も第7回目。前回の20年代から一気に80年早送りして、今回は21世紀の南米音楽をオススメします。

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本作はウルグアイを代表するSSWのホルヘ・ドレクスレル(現在はスペイン・マドリッド在住)が2006年に発表した傑作。ただ、声を大にして傑作と言うには、あまりにも慎ましい佇まいを持つアルバムでもある。

優しく、柔らかく、メランコリック。密やかで、穏やかで、洗練されている。彼の音楽を聴いていると、そんな言葉が浮かんでくる。メロディの良さ、声の良さ、音作りのセンスの良さは抜群で、カエターノ・ヴェローゾを想起させるところ多し。またカエターノ同様、時折ゴリッとした感触も聴き取れ、それが彼の音楽をさらに魅力的なものにしている(アコースティックなサウンドを基調としながら、所々でエレクトロニカ的エッセンスが顔を出したり)。

本作にはレディオヘッドの秀逸なカバー("High And Dry")が収録されているため、レディオヘッド/トム・ヨーク好きの人にもぜひ聴いてもらいたい。両者はジャンルや地域を超えてどこか肌触りが似ている気がするし。まぁ僕はホルヘ→レディオヘッドと逆走した口だけど(笑)

また彼は「モーターサイクル・ダイアリーズ」の主題歌でアカデミー賞を獲ったため、もしかしたら映画ファンにも名前が知られているかもしれない。授賞式では「有名でないから」という理由で歌わせてもらえなかったという、とんでもないエピソードもある。

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僕はまだ近作しか聴けてないんだけど、本アルバムの前作に当たる"Eco"('04)、2枚組の最新ライヴ盤"Cara B"('08)、ともに負けず劣らず素晴らしい。どれか一枚聴いて気に入ったら、ぜひ他のも併せて聴いてみてほしいなぁと。ちなみに「モーターサイクル・ダイアリーズ」の主題歌"Al Otro Lado Del Rio"は、前者にボーナストラックとして収録されている。

前述のカエターノ以外にも、僕が好きなアルゼンチン在住(アラスカ出身)のSSWであるケヴィン・ヨハンセン(ジャケ右は'07年作の傑作"Logo"。僕の年間ベストにも選出済み)に知的なところが通じるよなと思ってたら、何とケヴィン・ヨハンセンが本アルバムに参加していた。最近まで気付かなかったけど(苦笑)、やっぱりつながってるなと嬉しくなった。

加えてブラジルからは、マリア・ヒタ、パウリーニョ・モスカ、アルナルド・アントゥネスといった豪華メンツが参加。ウルグアイは地理的にブラジルとアルゼンチンに挟まれた小国であるためか、両大国ミュージシャンとの関係も密接なのかもしれない。

南米独特の郷愁感を有するためか、彼にハマると抜けられなくなり、つい何度も聴いてしまう。カエターノ・ヴェローゾ、MPB、ボサノヴァ好きなら絶対気に入ると思いますんで、気になった方はぜひ聴いてみてください。まったくタイプは違うけど、僕の中ではスフィアン・スティーヴンス、ルーファス・ウェインライト、ジョー・ヘンリーらと並んで現代の最重要男性SSWの一人。ということで、SSW愛好家やロック・ファンにもぜひ聴いてほしい人です。

以上、皆さまの音楽生活の参考になれば幸いです。では、また。

[SMH-CD] V.A. / That's What I Call Sweet Music

約一ヶ月半ぶり、久々の「私的名盤アワー」です。しかし不定期連載ってのは気楽でいいですね〜。

Sweetmusic


さて第6回目はオールド・ジャズ。本作の正式タイトルは"From R.Crumb's 78RPM Record Collection - That's What I Call Sweet Music - American Dance Orchestras of the 1920s"。「ロバート・クラムのSP盤コレクションお蔵出し〜1920年代のアメリカン・ダンス楽団集」てな感じだろうか。本日(8/30)めでたく66歳の誕生日を迎えたクラムへのお祝いも兼ね、今回は彼が編纂したコンピ盤をオススメします(最近だと、熱帯の女性歌手ばかりを集めた"Hot Women"がようやく日本盤でも出た)。

ロバート・クラムと言えば、漫画家/イラストレーターとして有名なだけでなく、CHEAP SUIT SERENADERSやLES PRIMITIFS DU FUTURといった音楽活動、ブルースをはじめとした数々の復刻盤ジャケット等で好き者には今さら説明不要の人だろう。そして映画「ゴーストワールド」に出てくる冴えない中年コレクターのモデルとなったように(スティーヴ・ブシェミがハマリ役!)、世界に名だたるSP盤コレクターでもある。



本盤はそのクラムが選曲しただけあって、ほとんど名前を聞いたことのない楽団ばかりが収録されている(僕が知ってるのはEarl HinesとRed Nicholsくらい)。でもこれがみんなまろやかで、ホントにいい。何度聴いてもまったく飽きがこない。7,8年前に購入した時、どれだけマニアックな音が飛び出してくるのかと構えて聴いたら、素直に楽しい音ばかりが流れてきて拍子抜けしたほど。まさにタイトルに偽りなし、Sweet Musicがギッシリとつまった好盤。

20年代と言えば、大恐慌前のジャズ・エイジ。コットン・クラブ、禁酒法、マフィアなどがすぐ浮かんでくるように享楽的な都市文化が花開いた時代。よって本盤に収録されてるのも、ダンサブルでポップ、スウィンギーでウキウキする音ばかり。また収録曲の半分以上がヴォーカル入りで、その素朴な味わいが何ともたまらない。

これはもちろんSP盤起こしなんだろうけど、ノイズもほとんどなく、驚くほど音がいい。こういうのを聴いてると、とても豊かな気分になる(音自体もまろやかだし)。購入当時は、80年前の音を聴いてこんなに楽しめると思わなかったくらい(クラムのイラストを満載した手書きライナーを眺めてるだけでも楽しいし)。ホント、マニアに独占させておくのはもったいない逸品です。



と、オススメしたのはいいものの、どうやら現在入手困難らしく……(10年前に発売されたCDなのに)。ちなみにAmazonではえらい高額になってます(汗)。内容は文句なしに素晴らしいので、もし中古で安く見かけたら、ぜひお買い求めくださいませ。

以上、皆さまの音楽生活の参考になれば幸いです。では、また。


[SMH-CD] BOBBY HUTCHERSON / Montara

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暑いですねー。この感じだと、梅雨明けも間近でしょうか?

さて、不定期連載「私的名盤アワー」(少しご無沙汰でした)の第5回目はラテン・ジャズ。本作はヴィブラフォンの名手ボビー・ハッチャーソンがラテンに接近した傑作('75年作)で、暑い時には涼しげな音を、いやいや暑い時こそ熱い音を、というどちらの要望にも応えてくれる贅沢な一枚。

不穏な雰囲気がめちゃくちゃカッコイイ冒頭曲からグイッと引き込まれる(じわじわと迫りくる漆黒のグルーヴは70年代のアクション/刑事映画にハマりそうな音)。そのあとは、ゆるめのメロウ・グルーヴ、アップテンポなラテン・ジャズがバランスよく配置され、聴き応えのある楽曲がずらりと並ぶ。そして締めはティト・プエンテ作"Oye Como Va"(サンタナのカバーでも有名なラテン定番)。



しかし何と言っても、このアルバムの白眉はタイトル曲。気だるくも涼しくもあるメロウ・ラテン・チューンで、夏の夕暮れ〜夜の雰囲気がこれほど似合う曲も珍しい。ご存じの方も多いと思うが、この曲はスチャダラパー「サマージャム'95」(名曲!)でサンプリングされており、あの涼しげなヴィブラフォン(マリンバ?)・ループの元ネタである(しかし、いちばんオイシイとこ使ってるよなー)。以下ご参考まで、YouTubeリンクを貼っときます。SDPのが好きなら、何も考えず買いでしょう。

これが原曲。
http://www.youtube.com/watch?v=riYBxOjLK2w&feature=related

こちらはSDPの名曲(2000年のライヴ・ヴァージョン)。
http://www.youtube.com/watch?v=I5phkgaAQj4

THE ROOTSのリミックスも悪くない。
http://www.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&v=aS39Gkfz81A&feature=related



このアルバムは全体通して捨て曲なしで、36分強とコンパクトにまとまってるのもいい。おまけに、HARVEY MASON, RALPH McDONALD, WILLIE BOBO, BLUE MITCHELL, EDDIE CANOなど、参加メンバーも豪華。DJ/クラブ周辺では以前から人気盤だけど、もっと色んなところで取り上げられてもおかしくないアルバムだと思う。最近日本盤で新装再発されたんで、気になった方はぜひどうぞ。間もなくやって来る夏に向けて、ヘヴィローテーションになること間違いなし。



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最後に補足。ボビー・ハッチャーソンでいちばん有名なのは、名盤の誉れ高き"Happenings"(ジャケ左・'66年作)である。Herbie Hancockの名曲"Maiden Voyage"の秀逸なカバーを収録し(ハンコック自身も参加している)、ジャケもスタイリッシュとくれば当然だと思う。ただそれを承知の上で、僕は"Montara"に軍配を上げたい(どちらも好きだけど)。

またアブストラクトな感じのヴィブラフォンが好みなら、ERIC DOLPHYの"Out To Lunch"(ジャケ右・'64年作)もオススメ。これはドルフィーのリーダー作にハッチャーソンが参加し名を上げた、文句なしの名盤。両方ともジャズ好きなら基本中の基本だけど、未聴の方はぜひ聴いてみてください(ちなみに今回取り上げた3枚はすべてブルーノート)。

以上、皆さまの音楽生活の参考になれば幸いです。では、また。


[SMH-CD] GREAT 3 / Richmondo High

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「私的名盤アワー」第4回目は90年代の日本から。渋谷系のムードが高まりつつあった頃、ロッテンハッツという6人組バンドがあった。確かメジャーではアルバム2枚を出して解散、その後ヒックスヴィルとグレイト3という2バンドへ分裂した。

男ばかりの方のグレイト3は、片寄明人(近年は嫁さんショコラとのデュオなどで活動中)、高桑圭(カーリー・ジラフ名義のソロ"New Order"が今年出た)、白根賢一から成る3ピースバンドで、男気溢れるアメリカン・ロックからナイーヴなバラードまで、彼らにしか奏でられない音楽が鮮烈な印象を残した。

なかでも、この'95年リリースの1stは疾走感溢れる傑作で、今でも事あるごとに引っ張り出して聴いている一枚。懐かしの80's青春映画『初体験 リッジモント・ハイ』(*)をイメージしたとおぼしきタイトルからして、焦燥や情けなさの入り混じった青春の匂いがプンプンで(リリース当時タイトルを見て「おぉ同世代」と妙に感慨深いものがあった)、音自体もとても瑞々しい。

さて、肝心の内容について。頭5曲の流れが特に素晴らしいが、個人的なイチオシはM-5「エデン特急」。孤独なものどもの魂の彷徨。「どこか遠い街の/ボウリング場で/たったひとりで/プレイして」というフレーズがたまらなく好き。失うことを恐れず前進するんだという内容のサビもグッと来る。押し付けがましくないソウル・マナーにのっとったこの曲は、私的名曲のトップ40にランクインさせたいほど好き。

他にもいい曲が目白押しなんで、ザッと書いてみると。アイズリー・ブラザーズばりの強烈ギターとパーカッションがひっかき傷を残すM-3「I Believe In You」、情けない男の心情を歌わせたら右に出るものなしと言えるM-4「Oh Baby」(2ndの「Little Jの嘆き」も同様に素晴らしい)、シールズ&クロフツ名曲の哀愁カバーM-7「想い出のサマーブリーズ」、スティーヴィー・ワンダー風のハーモニカが飛び出すポップなM-10「Summer's Gone」、ラストの小品「My Bunny Eyes」などなど。今回何度もリピートして聴いたけど、ホントにいいメロディを書く人たちだよなぁと改めて思った次第。

今作を含め初期3部作と言える2nd,3rdも魅力あるけど、勢いと粒揃いの楽曲の多さで、この1stに軍配を上げたい(やっぱりこれがいちばん好きだなぁ)。2007年には紙ジャケで再発されたので、興味のある方はぜひどうぞ。いいバンドなんで、またいつか活動再開してほしいもんです。

以上、皆さまの音楽生活の参考になれば幸いです。では、また。

(*)'82年作品。『あの頃ペニー・レインと』で有名になったキャメロン・クロウの脚本デビュー作。若きショーン・ペンが出演、そして当時人気絶頂アイドルだったフィービー・ケイツ(個人的には彼女のイメージが強い)などが共演。当時CMでトレーラーがよく流れてたこともあり、半分観た気になってるけど、たぶん未見。


[SMH-LP] THE FANTASTIC LOS VEGAS / The Newest Sound In Sounds

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このコーナー、私的に好評につき(笑)、早くも第3弾。紹介するのはどうしてもCDが多くなってしまうんだけど、たまにはアナログ盤をオススメしてみます(よって表記はSMH-LP)。



このLPは数年前にHi-Fiで買ったラテン・ラウンジ・コーラスものの逸品で、DJやる際には必ずバッグに忍ばせていたレコ(僕が持っているのはモノラル盤だけど、ステレオ盤もあるみたい)。彼らはメキシコからやって来たラテン・ラウンジ・ジャズ・ポップ・バンド。ロス・ヴェガスという名前の通り、ラス・ヴェガスあたりのナイトクラブで夜ごと演奏(出稼ぎ)してたのかなと想像したりする。

中身の方は、とにかくA-3の"La Cucaracha"が素晴らしい。これぞキラー・チューン。DJでかけると、かなりの確率で「この曲何ですか?」と尋ねられるのがその証。イントロからピアノがぐいぐいリードするラテン・リズムに乗せて、歌、コーラス、奇声、そして「ジュジュワ!」で締めるスキャット(これがタマらない)が疾走する2分15秒。これを聴くと否が応でもウキウキ楽しい気分(脳天気とも言う)になってしまう。

他の曲は割とまとも(?)で、フォー・フレッシュメンばりのコーラスを聴かせる曲が多い。特にB-4の"I Wish You Love"はかなり洒落たボサ・ジャズで、どっかのカフェ系コンピに入っていてもおかしくないほど。ただグループとしての方向性は「存続する限り模索中」という風情で、そのどっちつかず加減が何ともB級で憎めない。例えばA-5の"A Taste Of Honey"では冒頭のしっとりムードから一転、いきなり高速ラテンになり、スキャットが無理やり盤の溝の隙間に入ってくる。カッコイイというよりは、むしろ何だか落ち着かない。なのに、それが病みつきになるから困ったもんだ。

そして、垢抜けない感じのジャケットをよく見ていただきたい(クリックで拡大できます)。以前どこかで見たような人がいるではないか。上段右端のメンバーはちょい「団しん也」似、そして下段右端のギタリストはかなり「土井勝」似(司会者の土居まさるではなく、料理研究家の方。それにしても両名とも懐かしいッス)。ジャケを眺め、音楽とは別のところでニヤニヤできるのは、ある世代以上の日本人の特権か。

ちなみにリリースはコロンビアからで、その関係かプロデュースはテオ・マセロ(色々やってますなぁ)。また驚いたことに、彼らエド・サリヴァン・ショーにも出演していたらしい(裏ジャケに「センセーショナル以外の何物でもない」との記載あり)。見たいけど、さすがに映像残ってないよなぁ…。

以上、皆さまの音楽生活の参考になれば幸いです。では、また。


[SMH-CD] TISH HINOJOSA / Homeland

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皆さま、日曜の夜いかがお過ごしでしょうか。さて、不定期連載の「私的名盤アワー」ですが、前回に引き続き大学時代に購入したCDを紹介します。



テキサス州サン・アントニオ。この地名を聞くと僕はいつも、郷愁と憧れがないまぜになった何とも形容しがたい気持ちになってしまう。今回紹介するのは、彼の地で生まれたチカーノ(テキサス出身なので狭義にはテハーノ)であるティシュ・イノホーサ。彼女はカントリー、テックス・メックスをうまくブレンドした魅力あるSSWで、上掲ジャケは'89年にリリースされた好盤1st。

大学時代はちょうどライ・クーダーやその周辺のミュージシャンを愛聴し始めた時期で、確かこのアルバムもフラーコ・ヒメネスが参加してるのが理由で購入したはず。他にはロス・ロボスのメンバーも参加しており、デビュー作にしてかなりの豪華ゲスト(実を言うと、買ってしばらく経ってから、プロデュースがロス・ロボスのスティーヴ・バーリンだと気づいた・苦笑)。

彼女は清涼感あるヴォーカルが大きな魅力で、どこかノスタルジックでセンチメンタルなところも感じさせて非常に好みのタイプ。70年代の女性SSW好きなら気に入ってもらえるだろう、あの感じ。英語とスペイン語が混じるのもまさに「国境の南」という感じでgood。

買ってからちょうど20年(!)も経つのに、とにかく佳曲が多く飽きがこない。"Border Trilogy"と名付けられたM1〜3(特にアップテンポなM-2が好み)で幕を開け、ほんのりブルージーなM-4に続くあたりでグイッと引き込まれてしまう。その他、しっとりとしたワルツのM-8、明るいTex-Mex SoundがたまらないM-9(フラーコのアコーディオンが大活躍!)、大滝詠一ファンにオススメのドリーミーポップM-11など粒揃いの楽曲が並ぶなか、僕のイチオシ(いちばん繰り返して聴いた曲)はM-6。ポップで小粋なモータウン・サウンド(おまけにドゥワップ風味も)が何とも心地いい。

下記はつい最近YouTubeで見つけたライヴ映像。クンビア×ポルカ。こういうの、楽しくて好きだなぁ(生で観たいッス…)。
http://www.youtube.com/watch?v=hrC8Ib34aro&feature=related

日本ではほとんど話題にならないけど(かく言う僕も熱心にチェックしてるわけではないんですが…)、彼女は現在に至るまでコンスタントに活動中。この前タワレコで新譜(←Amazonでは間もなく発売の模様)も見かけたんで、久々に買ってみようと思ってるところ。



余談ですが、上述のSTEVE BERLINがプロデュースしたBUCKWHEAT ZYDECOの新譜もオススメ(ジャケもいい感じ)。

以上、皆さまの音楽生活の参考になれば幸いです。では、また。


[SMH-CD] MARY'S DANISH / Circa

皆さま、GWはいかがでしたか?予想通りと言うべきか、僕はわんさとレコ買ってしまいました(苦笑・また折をみてアップします)。まぁレコだけじゃなく久々に美術館へ行くなど、近場でとてもリフレッシュできたのが良かったです。

さて突然ですが、今日から新コーナー「私的名盤アワー」を開始します。ここでは新旧問わず、「personal masterpiece=(極)私的名盤」をゆる〜く不定期でご紹介します。恐らく巷の名盤ガイドブックに取り上げられることのないであろう、個人的に愛聴している(ふとした時に聴きたくなる)ディスクを無理やりオススメします。

単なる思いつきということもあり、今回で最後にならないよう頑張りますので、今後ともご贔屓に。では、よろしくどうぞ。

※便宜的にCDの場合はSMH-CD、LPの場合はSMH-LPと表記します。最近急増中のSHM(Super High Material)-CDではなく、SMH(私的名盤アワー)-CDですのでお間違えなく。

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さて、記念すべき第一回目のアーティストはMARY'S DANISH(誰それ?と言う声が聞こえてきそうですが。バイオグラフィーはこちらを参照ください)。この'91年リリースの2ndはオルタナティヴ・ロックの好盤かつ私的名盤の代表格。

購入した当時(まだ大学生だった)、友人のandeeと二人で「こいつらはスゴイ!」と密かに盛り上がっていたんだけど、さして話題になることもなく消えていったバンド('92年に3rdを出して解散)。彼らは男女白黒混合編成で、ロック、ファンク、パンク、カントリーが絶妙に入り交じるごった煮サウンドが魅力的だった。またビジュアル的なポップさもあり、今の時代だったらもうちょっと売れたんじゃないかなと思ってしまう。

個人的なイチオシはM-7で、ファンキー・ロック・インストの名曲と言っても過言ではないほど好き。ハードなギターにファンキーなリズム隊がかなりカッコイイ(YouTube映像はこちら←ライヴだとギターがあまり聞こえず残念…。なお以下リンクはすべてYouTube)。また、おまぬけ度高いジミヘンカバー"Foxey Lady"も捨てがたい魅力あり。その他ほとんどの曲が聴きどころと言ってもいいくらい軽く水準をクリアしており、なぜほとんど売れなかったのか今もって謎。

とまぁ音的な部分を中心に書いたものの、実はこのバンドの肝は女性のツインヴォーカル(Julie RitterとGretchen Beiderbecke Seager)にあったりする。声質良し、パンチあり、二人のコンビネーションも良し、おまけにカントリー風味もいけるとくれば、ほぼ無敵。しつこいけど(笑)、ホント売れなかったのが不思議(シングルカットされたポップなこちらをぜひご覧ください)。

今ライナー見て気付いたけど、PETER ASHERのマネージメントだったのね。

興味が出たという奇特な方は、ぜひ中古屋でお買い求めいただければと思います(現在廃盤につき)。そもそも売れてないので、中古屋でもあまり見かけないのが難点ですが(笑)

以上、皆さまの音楽生活の参考になれば幸いです。では、また。