[CD] 11月のオススメ(新譜編)
December 02, 2007
いつの間にか、もう師走。年末に向け気ぜわしくなりますが、できるだけゆっくり好きな音を楽しみたいところではあります。そんなリスニングタイムの参考になればと、恒例の(?)ひと月まとめてCDレビューをお届けします(もっとタイムリーにとは思ってるんですが…)。まずは新譜編から。
RAY DAVIES/Working Man's Cafe(写真左上)
最近イギリスづいてたところで、タイミング良くレイおじさんのソロがリリースされた。去年出た前作も良かったけど、ほどよくハードで、ほどよくレイドバックした今作も素晴らしい。何たってレイ・デイヴィスだもん、悪いはずがない。彼ならではの英国的メロディも随所に聴け、新味はないものの本当にグッとくる曲が多い。改めて彼のメロディメイカーぶりに感じ入った。あと全部は聴き取れないけど、おそらく歌詞も皮肉たっぷりでしょう(ジャケットも偏屈オヤジ健在って感じだし)。十年以上前、五反田で見たキンクスのライヴは相当カッコ良かったんで、ぜひまた来日してほしいなー。キンクス再始動が叶わぬ夢なら、ソロで何とかお願いします。
THE HEAVY/Great Vengeance And Furious Fire(写真右上)
続いてもイギリス。ザ・ヘヴィーは黒人ヴォーカル+ギターが中心の新人バンド。音はレッド・ツェッペリン+カーティス・メイフィールド(ファルセット主体)+P-Funkてな具合。スペンサー・デイヴィス・グループ(スティーヴ・ウィンウッド)みたいな曲があったり、ブルースに影響を受けているのがもろ分かりだったりして、ある意味その素直さに好感が持てる。今後バンド独自の色が出てくると、もっと面白くなると思う。ドロドロのファンクを求める人には物足りないと思うけど、適度なコンパクトさが今の気分かも(収録時間も30分台だし)。レッチリやベックが好きな人にもオススメしたい。特別スゴイというわけじゃないのに、不思議とクセになる人たち。
BEIRUT/The Flying Club Cup(写真左上)
前作が良かった若手SSWの2nd。今作はフランスをかなり意識したものらしい(数回聴いた感じでは正直よく分かりませんが、アコーディオンの使い方ってことか?)。アメリカ人のシンガーソングライターなのに東欧趣味丸出しなのは相変わらず(前作より若干抑えめながら)。マンドリンがフィーチャーされている本作も、無国籍なのに変わりなくひと安心。そして引き続きジャケット及びブックレットの写真センスがいい。ライプチヒの図書館で見つけたという前作同様、またどっかで拾ってきたんだろうと思ったら、今回はパリで見つけてきたらしい。もしかして好きな写真をジャケットにすることが、アルバムを作るモチベーションのひとつなのかもと想像したり。当たってるかどうかはともかく、そんなことを思わせる佇まいが好きだ。写真センスのいいミュージシャンはやっぱ信用できるもの。
ALICE SMITH/For Lovers,Dreamers & Me(写真右上)
これは掘り出し物。英の良質レーベルbbeから去年リリースされ、今年になってメジャー(ソニーBMG)から出し直された。NYブルックリン出身という彼女、なかなかの実力者。歌はソウルフルだし、曲もよくこなれてる印象を受けた(レアグルーヴのコンピに入ってそうなラスト曲は特にキャッチー)。ダブの要素も含めたいろんな音楽のブレンド具合は、本国アメリカよりもイギリスやヨーロッパで受けそう。これ見よがしでない感じも好感が持てる。エイミー・ワインハウスあたりが好きだったら聴いて損なしの好盤。
♯
さて、もうすぐ年間ベスト選びの季節です。今年はいいものが結構あったんで、難航するかも。まぁどうなりますか、お楽しみに。
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