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90年代日本のロック/ポップ名盤ガイド

オリンピックも日本勢がメダルを取ると、やっぱり盛り上がりますね。あと予選リーグ総当たりのカーリングは、観る時間が長くにつれ感情移入の度合いも高くなってます。ぜひ頑張ってほしいッス。

さて今日は、久々に音楽本の紹介です。



Thegroovy90s
「THE GROOVY 90'S」(ミュージック・マガジン3月増刊号)

http://musicmagazine.jp/published/mmex-201003g90s.html

これは90年代日本音楽の回顧本であり、かつ今聴いても(たぶん)面白い音楽を集めた本。昨日入手してからというもの、すっかり90年代にハマってます。

正確には、本自体はまだちゃんと読めてないけど、ここに掲載されている(もしくは関連する)CDを色々引っ張り出して楽しんでるところです。間もなくライヴ復活のオザケンや、最近自分の中で再評価モードに入っていたオリラヴや、その他もろもろ。

同時代的なもののなかでは、やっぱり世代的にこの辺が刺激的だったなぁと(執筆陣も同世代多し)。もちろん僕が音楽に目覚めた80年代や進行形の21世紀にも面白いのはたくさんあるけど、ヴィヴィッドに色んな想い出が蘇ってくる90年代の方が思い入れが強いかもと思ったり。音楽的にもレコ屋的にも色んな面白い動きがあったし、自分も色々動き出した頃だったし。

「心の扉を叩く」名盤や「心のベストテン第1位」候補をあれこれ聴く楽しさ。単に懐かしむだけじゃなく、聴き込んだCDに新たな発見のある驚き。これはしばらく抜けられそうにありません。

※1年ほど前、90年代ロックベスト25その補足を書いてますので、よろしければご覧ください。

[SMH-CD] k.d.lang / Hymns Of The 49th Parallel

昨日からバンクーバーオリンピックが始まりました。ちょうど休みということもあり、連日のTV観戦。

今日の昼に観た上村愛子選手は惜しくも4位でしたが、選手の皆さん、悔いのないよう全力を出してください。そして、とにかく無事で(グルジア選手の訃報、お悔やみ申し上げます…)。



開会式も生放送で観ましたが、自然の描き方など見応えがあって良かったです(オリンピックの開会式をちゃんと観たのは久々だったかも)。最後、聖火台の脚が一本出てこなかったのは残念でしたが…。

その開会式にブライアン・アダムス、ネリー・ファータド、サラ・マクラクランといったカナダ出身の有名歌手が出てましたが、やはり個人的に嬉しかったのは、ジョニ・ミッチェルの名曲"Both Sides Now"がかかったことと(残念ながら本人は出ず)、k.d.ラングがレナード・コーエンの名曲"Hallelujah"を生で歌ったことですね。



Kdlang_hymns

ということで前置きが長くなりましたが、約4ヶ月ぶり久々の「私的名盤アワー」をお届けします。第9回目は冬季オリンピック開幕記念、前述の"Hallelujah"カバーを収録したk.d.ラングの秀逸なカバーアルバムです('04年リリース)。

本盤はカナダ出身の彼女がカナダ出身のSSWの曲をカバーしたもの(「北緯49度の賛歌」というタイトルはアメリカとカナダの国境線に由来)。数々の名曲が彼女の歌により新たな息吹を与えられており、シンプルで美しい作品集に仕上がっている。最近のカバーアルバムには安直な企画が多いが、これは本当にオススメできる逸品。カナダ出身のSSWって言われてもよく分からないという人にもぜひ聴いてもらいたい。



収録曲をざっと挙げると、ニール・ヤング"After The Gold Rush","Helpless"、ジョニ・ミッチェル"A Case Of You","Jericho"、ブルース・コバーン"One Day I Walk"、そしてレナード・コーエン"Hallelujah","Bird On A Wire"(2曲とも素晴らしい出来)といった具合。SSW好きには今更言うまでもない名曲がずらりと並ぶ様は壮観。

そんな中、ロン・セクスミス"Fallen"(今年でデビュー15周年の彼もこの中では若手)や、ジェーン・シベリー"The Valley","Love Is Everything"(このアルバムを聴くまでまったく知らなかった人)といった比較的地味な人たちの曲が印象に残る。これは原曲の印象が薄い分、k.d.ラングの歌唱が響いてくるということなのかもしれない。なお本盤にはデオダートがストリングス・アレンジャーとして参加していることも興味深い。



見る角度によって色が変わるジャケもとても綺麗で、内容含め作品としての完成度は非常に高い。我らが国境の南マスターが日記でブルース・コバーンの名盤「雪の世界」(前述"One Day I Walk"を収録)を取り上げていたのと同様、冬になると聴きたくなる一枚。凍てつくカナダの大地に想いを馳せながら聴いていると、じわっと心が暖かくなってくる。この素晴らしい企画の第二弾をぜひ期待したいところ。

収録されている元曲が無性に聴きたくなり、この週末はジョニ・ミッチェル、ブルース・コバーンなどを引っ張り出して聴いていた。やっぱりカナダの歌手はいいなぁと。オリンピックとの合わせ技で、すっかりカナダ三昧の休日に。



k.d.ラングに話を戻すと、ちょうどデビュー25周年記念のベスト盤が出たばかり(僕はまだ買ってませんが、DVD付きの豪華盤を入手したいところ)。これを機に彼女の軌跡を辿ってみたい方にはとてもタイムリーかつ便利かと。しかし、件の開会式でのラングさん、かなりごつくなっててビックリしたなぁ(苦笑)

以上、皆さまの音楽生活の参考になれば幸いです。では、また。

春の野外音楽イベント<Springfields '10>開催決定

http://www.springfields.jp/
http://tower.jp/article/news/2679

おおっ。今年は東京、大阪、福岡と拡大開催される模様。去年は大阪場所に行ったけど、内容・雰囲気ともにとても良かったです。

今年は特に矢野顕子が観たいッスねー(生では随分ご無沙汰してるんで)。これは楽しみ!

[CD] 立春のオススメ(ワールドミュージック編)

昨日に引き続き、CDのオススメを。今回はワールドミュージック編です。では、よろしくどうぞ。



Oldworldtangos1  Oldworldtangos2
・V.A./Echoes From Afar - Old World Tangos Vol.1
・V.A./Tango Alla Romanesque - Old World Tangos Vol.2

ことワールドミュージックの音源に限ってもそれこそ山のように持ってるけど、不思議とタンゴ単体のって数えるほどしかないなぁと、これを書いていて改めて気づいた。その理由としては、ダンス音楽としての機能が強調されすぎてなかなか音自体を純粋に楽しむ気にならないことと、ピアソラが特にクラシック愛好家に持てはやされ(彼の音源で好きなのもあります)、その許容のされ方・クラシック絶対主義にも通じる息苦しさに辟易していたことだろうか(いくぶん偏見混じり?)。

20〜30年代の世界中のタンゴを編纂したシリーズの第一弾(原盤である独オリエンテ・ムジークの発売は'01年)が、昨年末にライス・レコードから「世界のタンゴ 第1集」として発売された。タンゴは世界最初のワールドミュージックという宣伝文句と歌謡タンゴというキーワードに惹かれ、試しに購入したところ、これが予想以上に良いコンピレーションだった。

地域的にはルーマニア、トルコ、ロシア、ギリシャ、エジプト、アルジェリアの歌手たち(有名どころはアスマハーン、リリ・ボニッシュあたり)を収録しており、19世紀にアルゼンチンで生まれ世界中に伝播したタンゴが各国各様に受け入れられていった様を垣間見ることのできる好盤である。続けて、このほど出たVol.2(欧州篇)もいそいそと購入。こちらはイタリア、フランス、ルーマニアといったヨーロッパ・ロマンス語圏の国を軸に、ギリシャも追加して収録。内容的にはどちらも甲乙つけがたい出来で、おまけに音質もいい。

ほの暗く哀愁漂う場末の音楽でありがなら、ヴィンテージ音源という性格からか、とても伸びやかな印象も受けた(ほのぼのとさえ言える曲もあり)。その辺が個人的にはとても好み。大衆音楽の真実、オーディブック、ロバート・クラムといってピンとくる人はぜひ。また古いジャズやラテン、歌謡曲が好きな方、ノスタルジーに浸りたい人にもオススメ。今月末にはVol.3(ポーランド篇)も出るようで楽しみ。いつか日本を含めたアジア篇を作ってほしいところです。



Ethio24
V.A./Ethiopiques Vol.24

次は2年ぶりのエチオピーク・シリーズ新作(以前のレビューはこちら)。相変わらずのダサかっこよさ、そして何とも言えないすっとこどっこいぶりがたまらない。しかも本盤はダサさよりも若干カッコよさが上回っている感じも受けた(これは予想以上!)。

演歌・音頭調の曲が多いため、日本人には親しみやすいムードは変わらずだが、JBマナーのファンクあり、ジャズあり、そしてロンドン録音のラテン&カリプソ(!)まで収録。間違って"cool!"と言ってしまいそうなグルーヴが並ぶ。エチオ・ポップ、まだまだ底知れぬ魅力があります。アフリカ音楽ファン、ワールドミュージック愛好家以外にもぜひ聴いてもらいたい。ジャケもカッコイイし。



以上、皆さまの音楽生活の参考になれば幸いです。では、また。

[CD] 立春のオススメ

寒いですねー。先日書いた通り、最近購入したCDのレビューをお届けします。では、早速どうぞ。



Galactic_yakamay

GALACTIC/Ya-Ka-May

3月に来日が決定している(詳細はこちら)ニューオリンズのジャム・ファンク・バンド、ギャラクティックの新譜。これが期待に違わずグルーヴィーで、とにかくカッコイイ。

前作はヒップホップ勢とのコラボ・アルバムだったけど(ちなみ僕の'07年度ベストテン第2位)、今回は地元ニューオリンズ勢との強力コラボ。一聴してニューオリンズと分かるような音は少ないが、思わず体を揺らせずにはおれない圧倒的なファンクが並ぶ。ブルース、R&B、ヒップホップ、ジャズ、ロックをごった煮にしたガンボ・グルーヴは、やはり彼の地でしか生まれえないものだろう。

ゲストはアラン・トゥーサン、リバース・ブラス・バンド、ボー・ドリス、ジョン・ブッテなど豪華で、ニューオリンズ音楽が好きなら思わず触手が伸びる人たち。個人的にはアーマ・トーマスがヴォーカルを取る重心の低いスロー・ファンクにシビレた(この組み合わせでのアルバム熱望)。

スタントン・ムーアのタイトなドラムは相変わらずカッコイイけど、ベースがまたいいんだなぁ。こういうのは爆音で聴きたいッスね。重量級なのに軽やかで、風通しのいいところに僕は惹かれるんだけど(ジプシー・ブラスのコチャニ・オーケスターをサンプリングした曲も)、本作はそんな彼らの魅力がぎっしり詰まった快作で、たぶん彼らの代表作になると思う。早くも今年のベストテン候補。来日公演が楽しみでならない。



Bs_dylan
BEN SIDRAN/Dylan Different

お次はベン・シドランのディラン・カバー集(ディランも来月来るし、来日つながりってことで)。'09年作品だけど最近入手したためご紹介。最初聴いた時はこんなもんかなと思ったけど、これがスルメ盤でつい何度も聴いてしまう。ジャジーでスムーズ。大人の夜の音楽といった趣。

音的にはジャズとR&B、そしてその中間あたり。渋く味わい深いが、ちょっとAOR風味もあり聴きやすい。オルガン、エレピの音が気持ちいいし、ほんのりグルーヴィーな曲が多くて個人的にはとても好み。またこの曲何だっけ?と思うようなアレンジもあって、ディラン好きは二倍楽しめる。特にラストのゴスペルライクな「風に吹かれて」にグッときた。

ゲストにはジョージー・フェイム、ホルヘ・ドレクスレル(!)などが参加。プロデュースは息子のリオ・シドラン。ベン・シドランやボブ・ディランのファンはもちろん、トム・ウェイツやジョー・ヘンリーあたりが好きならハマると思う。またマイケル・レオンハートが参加していることもあり、ドナルド・フェイゲン/スティーリー・ダンを想起させるところも。ジャズ・ヴォーカル愛好家、夜にゆったり聴ける音楽を探している人にもオススメします。しかし、粋だね。



以上、皆さまの音楽生活の参考になれば幸いです。では、また。