2011年ベストアルバム
冬越えグルーヴ

郷ひろみのブラコン傑作 <再発CD化希望>

こんにちは。正月以来、ちょっとご無沙汰です。前回書いた通り、今年は去年よりも更新頑張りたいと思ってますので、どうぞよろしくお願いします。

さて、今年に入ってからも、引き続き歌謡曲中心生活を送っています。なので、今回もガツンと歌謡曲レビューで行きましょう。去年はとにかく、郷ひろみ(ヒロミック)の魅力・スゴさを改めて認識した年でした。シングル盤やアルバムを結構な枚数聴き、面白半分ではなく本当に奥が深いなぁと、僕の中での評価が急上昇したのであります。

そんなヒロミックの魅力を広めるべく、微力ながら今後不定期にアルバムなど紹介していく予定ですので、ご期待ください。まず一発目は私的再評価のキッカケとなった傑作LP「プラスティック・ゼネレーション」から。では、よろしくどうぞ。

※本盤もナカレコ2号店さんに教えていただき購入しました。ホントいつもありがとうございます!多謝!
http://nakasecond.livedoor.biz/



Hiromic_pg

■郷ひろみ/プラスティック・ゼネレーション('81/5/1発売)

80年代初頭、郷ひろみ、ブラコン、そしてこのパステルカラーのレオタード・ジャケ(笑)。人によってはまったく触手が伸びない組み合わせかもしれないけど、ぜひ多くの人に聴いてもらいたいブラコン歌謡/ディスコ歌謡の傑作。大げさでなく、ブラックミュージックの影響を受けた歌謡曲の中でも最高峰に位置づけられる一枚だと思う。まぁこのレオタードがくせものだけど…。

まずA面に針を下ろしてみると、1曲目の「禁句S」から抜群のカッコ良さ(下記リンクより試聴できます)。ファンキーなビート、小気味いいストリングス、流麗なホーン隊、そしてちょっとクリスタルな(笑)雰囲気のピアノの音色。それらが煌びやかな夜を演出し、アルバム全体への期待感を高めていく。そして曲の最後"Honey, Can you believe me?"というヒロミックの決めセリフに続き、間髪入れずスムースなステップのディスコ・チューン「パピリオ」へとなだれ込む。個人的にはこの2曲目がベストトラック。この曲のメロディ・ラインがとにかく好きで(コーラスもカッコ良すぎ!)、ふとした瞬間に口ずさんでる。ちなみに冒頭2連発の作曲は林哲司で、さすがにAOR/シティポップ色がうまく練り込まれてる。



そして、A面ラスト5曲目のしっとりとした「Ten Years After」(スティーヴィー・ワンダー「ロケット・ラヴ」歌謡!)が終わり、その余韻に浸る頃には、もうすっかりヒロミックワールドの虜に。

 



次にB面のオススメ曲に移ると。2曲目の「Only One Is Number One」は、夜の匂い濃厚なきらめくファンキー・ダンサー。ゴージャスな雰囲気ある和製ソウルにシビレまくり!続いての「Lonely Dancer」はZAPP&ロジャーが絡んできそうなクール・ファンク。ヒロミックのプラスティックな魅力がフロアに充満するようで、こちらも素晴らしすぎる!この辺りの流れはアルバムB面のハイライト。

 

なお本作に収録されてるシングルは「お嫁サンバ」(B-4)。有名すぎる大ヒット曲でもちろん完成度も高いんだけど、このアルバムの中ではちょっと浮いてるかな。どちらかと言うと、同シングルB面の「シンメトリー・ラブ」の方がアルバムのテイストには近い。もしシングルをお持ちなら、ぜひ裏面も聴いてみてください。なかなかグルーヴィーでカッコイイすよ。



最後に少しスタッフ陣にも触れておこう。作詞は島武実、神田広美、三浦徳子。作曲は上述の林哲司に加え、小田裕一郎、萩田光雄、小杉保夫。編曲は萩田光雄、船山基紀。この中でアルバム全体の功績という意味では、ほぼすべての編曲を手がけた萩田光雄ということになるだろう(「お嫁サンバ」だけが船山基紀)。筒美京平学校を卒業した郷ひろみが本作のようなディスコテイスト溢れるアルバムを出せたのは、やはり彼の力によるところが大きいと思う。

あとは林哲司、小田裕一郎といった新世代の作曲家がフレッシュな風を吹き込んでおり、アルバムに都会的なフィーリングを振りまいている。なお三浦徳子・小田裕一郎のコンビ(本作ではA-4、B-2の2曲)は、同じくソニー所属である松田聖子のデビュー作からのシングル3枚(「裸足の季節」「青い珊瑚礁」「風は秋色」)を手がけており、当時もっとも勢いに乗っていたライターコンビであることを記しておく。



本作のほか、郷ひろみには現在確認しているだけでも以下の良盤あり。これらはまた機会を改めてご紹介します(未聴盤もまだたくさんあり、これから鋭意発掘作業を進めていく所存です)。

・「ひろみの旅」('75/6/21)
・「Hiromic World」('75/11/21)
・「Magic」('80/8/21)
・「アスファルト・ヒーロー」('81/12/21)

それにしても郷ひろみという希代のアイドル/エンターテイナーのアルバムが、きちんとした形で再発されてないのは本当に残念でなりません(再発されたものもあるけど、20年くらい前にCDが出てそれきり廃盤とか…)。紙ジャケ・ボーナストラック付き再発に定評あるビクターさんのように、できればデビュー作から数十枚まとめてきちんと再発してほしいんですよね、ソニーさん!多くのファンの方々も同じことを思ってるはずだし、需要は確実にあると思うんだけどなぁ。歌手デビューからちょうど40周年という節目に当たる今年こそ、そのチャンスではないでしょうか?ぜひともご検討のほど、よろしくお願いします。

ただ他の同世代の人たちに比べ、まだまだ現役感があるせいで(昨年末の紅白にも出るくらいですから)、なかなか回顧的な機運が高まらないとしたらそれも一応理解はできるのですが。でも、それはそれとして、ぜひファンの裾野を広げるためにも素晴らしい過去作品をきちんと再発してもらえたらと、重ねて切にお願いします。

以上、皆さまの音楽生活の参考になれば幸いです。では、また。

Comments

bunboni

趣意、賛同です。
ぼくとしては24th Street Bandと共演した「SUPER DRIVE」(79)を熱烈CD化希望です。

jackie

>bunboniさん
はじめまして。ブログ(after you)、購入の参考にさせていただいてます。拙ブログにコメントいただき、ありがとうございます!恐縮です。

郷ひろみの傑作群、何とか再発してほしいものですね。アルバム自体は持っておらず一部の曲を聴いただけですが、「SUPER DRIVE」も相当良さそうですよね!近いうちに入手しようと思います。

最近はワールドミュージックはあまり聴き込めてなく、歌謡曲中心の音楽生活ですが、よろしければまたふらりとお立ち寄りください。

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