追っかけレビュー(2011年再発盤)
February 05, 2012
こんにちは。しかし毎日ホントに寒いですね。この前の木曜は、昼間というのに大阪も吹雪いてましたよ(外にいたんで大変でした…)。
さて今回は久々に歌謡曲以外で行きましょう(笑)。購入したものの聴けずに放ってあった相当数のCDを最近ようやく聴き込み、遅ればせながらオススメしたいと思った次第。いずれも昨年再発された良質コンピ盤です。では早速どうぞ。
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■V.A./Come Together: Black America Sings Lennon & McCartney
まずは英Aceから出たR&B/ソウル歌手たちによるビートルズ・カバー集。2010年に出たボブ・ディラン・カバー集(未聴)の続編とのこと。去年の夏頃に購入してたCDを半年経ってやっとちゃんと聴いたけど、これが今まで聴いてなかったのを後悔する好企画盤だった(苦笑)。
Chubby Checker "Back In The U.S.S.R."で勢いよく始まる本盤は、とにかく錚々たるメンツがズラリと並ぶ。全部は書き切れないが、Fats Domino、Mary Wells、Chairmen Of The Board、The Moments、Junior Parker、Little Richard、The New Birth、Al Greenといった具合。原曲がいいのはもちろん、素晴らしいパフォーマー揃いのため全曲楽しめる(ちなみに収録曲は'65年〜'76年録音で、ビートルズと同時代に発表されたものが多い)。そんな中でザッと個人的なオススメ曲を挙げてみると。
・Billy Preston "Blackbird":ビートルズにゆかりの深いビリー・プレストンの'73年作。ゆったりリラックスしたムードで、夕暮れのハイウェイとか似合いそうな風情。さすがです。
・David Porter "Help!":Isaac Hayesとのコンビで有名な作家(代表曲はSam & Dave "Soul Man"など)が歌うソウルフル&超ファンキー!なカバー。ゴージャスなコーラス&ホーン・セクションが印象的。本盤のイチオシ曲(YouTubeリンクはこちら)。'71年作。
・Otis Redding "Day Tripper":ビートルズ・カバーの中で最もよく知られているだろう曲。本盤に収録されているのは'66年の既発アルバム収録のよりも1分ほど長いヴァージョン(テイク4)。オーティスだもの、もちろん最高!
・Lowell Fulson "Why Don't We Do It In The Road?":重量級のブルース・ロック。ヘヴィで異様なほどカッコイイ!ツェッペリンやハードロック好きの方にぜひ聴いてほしいッス(YouTubeリンクはこちら)。'69年作。
・Aretha Franklin "Let It Be":ラストに置かれた締めくくりの曲。ポール自身がアレサを想定して書いたというゴスペル調の名曲。やはり、文句なしに素晴らしい。'70年作。
「リボルバー」を模したジャケもいい感じだし、20ページのオールカラー・ブックレットも読み応えあり。ビートルズ好きはもちろん必聴だけど、ソウル愛好家も充分納得の内容かと。ビートルズ(というか、レノン&マッカートニーというソングライターコンビ)の素晴らしさに違う角度から触れられるのがいいッスね。改めてビートルズやR&B/ソウルのアルバムを引っ張り出して聴いてみよう、と思わせる好盤。多くの方にオススメします。
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■V.A./Northern Soul's Guilty Secrets
続いてはおまけ的にご紹介(よって簡単に)。Aceの次は関連レーベルのKentから出たノーザン・ソウル・コンピ盤を。
Ann D'Andreaの弾けるビートポップ"Don't Stop Lookin'"から、Judy Harrisのブルージーな"You Touched Me"へと続く冒頭2曲で絶対買い!と思える良質コンピ。他にはBabe Ruth、Kiki Dee、The Seeds、Keith、Jay & The Americansといった所謂ソウル畑ではない人たちを収録。
よって、ソウルファン向けというよりは、どちらかと言うとロック/ポップスファンの方が楽しめる内容だと思います。踊れるポップやソフトロックが多いので、個人的には大当たり盤でした。
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■V.A./I Wonder What Became Of Records 〜12 Favorites From The Phonograph Era〜 Vol.1
最後は、ノアルイズ・マーロン・タイツ選曲(バンドメンバーがレコ屋経営もしており、お店のHPに詳細載ってました→こちらを参照)のSP盤コンピレーションを。好き者以外にはあまり話題になってないのかもしれないけど、これが本当にいい。
"Come On A My House"の作者版や、キビキビしたホット・スウィングや、ムーディーでノスタルジックなジャズや、最高に美しいギター・インストや、ワイルドなピアノ・ブギウギなど、書いてるだけで思わず頬が緩んでしまう絶品揃い。
蓄音機時代の懐かしく優しい調べ。色んなジャンルに細分化される前の時代だからか、ノイズとともに塊としてやって来る音だからか、何だかとても豊かに響きます。こういうの聴くと、SP盤も集めたくなりますね(ま、それはさすがにヤバイですけど…)。
100年経って一回り、同じ10年代(とか20〜30年代)だからというわけでもないでしょうが、これからこういうSP時代の復刻がさらに盛んになってくるような気がします。多くの方が想像する以上に内容が素晴らしく、音がまろやかなんですよねー。
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ということで、長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。次回もできるだけ早めに更新できたらと思います。
以上、皆さまの音楽生活の参考になれば幸いです。では、また。
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