【ナツカヨ】夏を彩る歌謡曲
秋のレビュー祭り(1) 晩夏〜初秋に聴くメロウ・ラテン

【ナツカヨ特別編】光GENJI〜最後のスーパーアイドル

こんにちは。それにしても毎日本当に暑いですね。この酷い暑さが毎年レベルアップしていかないことを願うばかりです。皆さま、くれぐれもご自愛ください。お盆休み中(Uターン中?)の方も多いでしょうから、夏バテしないよう、ゆったりとお過ごしください。



そんな夏を乗り切る歌「ナツカヨ」(本家ナカレコさんお墨付き)の第二弾。女性だけピックアップした前回の予告通り、今回は男性特集、しかも「おそらく音楽的切り口では誰も取り上げないだろうと思われる」アイドル・グループ、光GENJIの特集です!

昭和から平成へと移行する時代の変わり目、爆発的人気を博した彼ら。短期間で異常に盛り上がった人気は歌番組の終焉とも相まって、一気に下降線を辿ってしまった印象があります(あくまで個人的感想ですが)。その後は残念ながら元メンバーの不祥事等あり、一般的にはあまりいいイメージがないかもしれません。ただ社会現象という意味では、おそらく彼ら以降、彼らを超える男性アイドルは出て来てないと言っても過言ではないでしょう。

しばらく前までは僕もご多分に漏れず、初期のシングル曲(特に「パラダイス銀河」)でローラースケート履いてクルクル回ってるイメージが強すぎ、アルバムまではなかなか手を出せずにいました。が、思い立って中古CDを購入し聴いてみたところ、想像以上にいい曲が多くてビックリした次第。季節的に夏向きの曲が多く(やっぱアイドルは夏と冬ですね)、いいナツカヨが集まりましたので、まとめてご紹介します。

なお男性アイドルとしてのカッコ良さ(加えてメンバー個々人に対する思い入れ)という視点/視線は残念ながら少なめですので、熱狂的ファンの方々はその点ご了承頂ければと。あくまでCD/レコードを通して音楽的観点から魅力を掘り下げるという紹介の仕方になることを踏まえて、お楽しみ頂ければと思います。前置きが長くなりましたが、アルバム曲を中心にドドンと10曲お届けします(各アルバム2曲ずつ。基本的にソロ曲を除きグループ歌唱曲をセレクト)。では、よろしくどうぞ。

(補足)今も夏の甲子園ブラバン(こちらでもあまちゃんが話題)で、「パラダイス銀河」が演奏されてるのを聞くとちょっと感慨深いですね。



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■光GENJI/Hi! ('88/7/28発売・2nd)

☆ サマー スクール →YouTubeリンクはこちら(22:50あたりから)

特大ヒット曲「パラダイス銀河」(作詞・作曲:飛鳥涼、編曲:佐藤準。最近ASKAが話題になってますが、この曲はポップスとして完璧。レコード大賞受賞も納得)を収録した2ndアルバムより。ジャケからも想像できるように南国をイメージした曲多し。この曲は思春期男子の想いが詰まった青春サマーポップ。作詞:原真弓、作曲:濱田金吾、編曲:佐藤準、コーラスアレンジ:JIN。キラキラした夏を描き出した佳曲で、濱田金吾の起用に思わず唸った。

☆ 君を乗せた海賊船 →YouTubeリンクはこちら

アルバムからもういっちょ。ファンキー度増量のカッコイイ曲。サウンド的にはプリンスやジャネット・ジャクソンを彷彿とさせるデジタル・ファンク。歌詞とビートが相まって、結構クセになるジャム&ルイス歌謡(特にサビは気付いたら口ずさんでること多し)。時代が違ったら「ONE PIECE」のテーマ曲になってたかも。作詞:高柳恋、作曲:米倉良夫、編曲:佐藤準。



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■光GENJI/Cool Summer ('90/7/25発売・6th)

まずアルバムについて。とにかくジャケがスゴイ。透け透けシャツっすよ。ブックレットの他の写真も露出度高いっす。女子人気があるのは分かるけど、こりゃゲイの人たちにも根強い人気ありそうだわ(短パンも多いし)。あとこのアルバム、バハマの首都ナッソーにあるコンパス・ポイント・スタジオ(アイランドのクリス・ブラックウェルが創設したスタジオ)で録音されてるとは!日本国内のスタジオも併記されてるから、どのパートを録ったのかは分からないけど、ちょっとビックリ。さすが、金あるよね〜。

☆ 風はオレンジ →YouTubeリンクはこちら

ズバリ、ジャニーズ史上に残るナツカヨ名曲。夕暮れ時の心地よい風を感じるミディアム・メロウ。作詞:澤地隆、作曲:松尾清憲、編曲:椎名和夫。松尾清憲のナイスメロディを山下達郎バンドつながりの青山純(dr)、伊藤広規(b)、松田真人(key)らがバックで盛り立てる(ギタリストでもあるアレンジャー椎名和夫つながりだろう)。さらに斉藤ノブ(perc)、ジェイク H. コンセプション(sax ←これがまた染みるんだ)が加わり、まさに鉄壁。サマー・ブリーズがフワリと頬を撫でていくこの感じ、シティ・ポップ好きに自信を持ってオススメしたい。

☆ あてもなくオルフェ →YouTubeリンクはこちら

トシちゃんや少年隊がやってそうな情熱ラテン歌謡。サルサのリズムが腰にくる。歌うは年長組「光」の大沢樹生。作詞:平井森太郎、作曲:網倉一也、編曲:和泉一弥。郷ひろみ、田原俊彦を手掛けた網倉一也が作曲ということで、まさにジャニーズ王道ど真ん中。バックは松原正樹(g)、松武秀樹(synthe)、浜口茂外也(perc)、ジェイク H. コンセプション(sax)、木戸やすひろ(cho)など、シティポップ/フュージョン界隈の強力メンツ。溶けるようなビートに乗せて、妖しくゆらめく真夏の夜の夢。クラブでガツンとかけたいジャニ曲筆頭!

曲ごとに作家陣を入れ替え、贅を尽くしただけあって、本アルバムは非常に良い出来。他にもいい曲あるため、見つけてぜひ聴いてもらいたい好盤。



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■光GENJI/VICTORY ('91/10/2発売・10th)

☆ CANDY GANG →YouTubeリンクはこちら

ナツカヨの「真夏の夜のジャズ」枠選出。ポップでスウィンギーなジャニジャズの系譜。作詞・作曲:西岡千恵子、編曲:佐藤準。大恐慌前・20年代ジャズエイジの雰囲気あるのはアレンジの妙。バックを固めるのは今剛(g)、佐藤準(key)ら腕達者たち。キャンディ・ジャズという言葉を思い出したけど、甘さと元気さと背伸び感、そしてゴージャス感までもミックスされた逸品。ジャニーズはこういうショービズ・テイスト得意だよね!ホント感心、アンド安心して聴けるジャニジャズ会心作。

☆ 課外授業 →YouTubeリンクはこちら

溌剌とした夏向きポップ。作詞:高柳恋、作曲:割田康彦、編曲:佐藤準。レゲエで始まるイントロは、ちょっとコートニー・パインみたいな雰囲気。このまま行くかと思ったら、歌が始まる頃にはいつの間にかモータウン調に。その違和感のなさ、アレンジ力に感服。ちなみにバックは上記「CANDY GANG」と同じメンツ。



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■光GENJI/HEART'N HEARTS ('94/3/2発売・17th)

変則的な2枚組アルバム。Disc1(HEART)にはソロ曲7曲を、Disc2(HEARTS)には「TAKE OFF」(16枚目のシングル)から「この秋‥ひとりじゃない」(23枚目のシングル)までのシングル8曲を発売順に収録+最後に新曲3曲を収録。

☆ リラの咲く頃バルセロナへ →YouTubeリンクはこちら

このアルバムからはサクッとシングル2曲を。まずは17枚目のシングル('92/4/29発売)。同年夏に開催されたバルセロナオリンピックの応援ソングとして、日本オリンピック委員会(JOC)に起用された。グループ自体も「オリンピック広報アドバイザー」の肩書きを与えられたらしい。最近オリンピックの話題が多いこともあり選出。当時さんざんTVで流れてたんだろう。♪君は夏のマタドール、というフレーズ、ちゃんと覚えてたよ。思い入れはないけど懐かしいなぁ。口ずさみやすいメロディが好感度高い曲。作詞:康珍化、作曲:後藤次利、編曲:後藤次利/新川博、コーラスアレンジ:曳田修。

☆ BOYS in August →YouTubeリンクはこちら

次は22枚目のシングル('93/8/4発売)。ちょっと派手めロックテイストあるこの曲は、今のJ-POPに直結するようなナンバー。タイトル通りスコーンと突き抜けた明るさは、今では貴重な感じも。作詞:松井五郎、作曲:後藤次利、編曲:米光亮。



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■光GENJI/FOREVER YOURS ('94/7/21発売・18th)

☆ BABY PLEASE →YouTubeリンクはこちら

さて最後のアルバム。これが実質的に7人最後のアルバムとなった。かなりSMAP的なテイストを持つアーバン・ソウル歌謡。作詞・作曲:高橋一路(元ザ・シャムロック)、編曲:根岸貴幸、コーラスアレンジ:土橋雅樹。動画リンクを見る限りでは赤坂晃がソロで歌ってるようだけど、もうすっかり大人。しかも郷ひろみから松本潤(嵐)まで脈々と続く王子様の系譜!これは男が見てもカッコイイね。サウンド的には、松下誠(g)、ジェイク H. コンセプション(sax)がいい仕事してる。大人のムード漂う夜曲。いい曲。

☆ 恋の温度 →YouTubeリンクはこちら

最後はジャニーズ・ナツカヨ屈指の名曲で締め。これが最後のGENJIナンバー(年長者を除いた5人「GENJI」歌唱曲)。詞・曲・アレンジなど完璧なサマーソング。個人的にはこの夏、この曲と出会えてホントに良かったと思えた夏アンセム。作詞:高柳恋、作曲:清水千穂、編曲:根岸貴幸、コーラスアレンジ:土橋雅樹。山下達郎「高気圧ガール」的なコーラスアレンジや、海岸ドライブ仕様の開放感ある夏向きアレンジが素晴らしい極上ラテンフュージョン歌謡。こういうのに出会えるからアイドル歌謡は侮れないッス。



どうでしょ?まさかの展開?売れてる人にはいい曲が集まる(作家・ミュージシャン等にお金をつぎ込めるため)、という最近特に実感してる法則を実証すべく、果敢にチャレンジしてみました。そして、やはりたくさんいい曲がありました。もし興味を持られた方は先入観抜きで聴いてみてください(中古で見かけたら安いCDばかりなので、ぜひ果敢に)。

そうは言っても、こんなにたくさん聴くのは大変。。特にオススメの曲は?という効率重視の方には、以下3曲をご提示させていただきます。どれも名曲!

・「風はオレンジ」(リンクはこちら) メロウ名曲
・「CANDY GANG」(リンクはこちら) ジャニジャズ会心作
・「恋の温度」(リンクはこちら) 最強ナツカヨ

ということで、この辺で。長文失礼しました。アイドル歌謡は奥が深いし、何よりも楽しいのがいいですね!

以上、皆さまの音楽生活の参考になれば幸いです。では、また。

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