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春の盤まつり(4) 注目のイタリア・オヤジたち

こんにちは。気付けば4月も半ば過ぎ、皆さまいかがお過ごしでしょうか。今日は年に一度のRECORD STORE DAY。限定品が発売されたり、各地でイベントが開催されたりと盛り上がりを見せている模様。お時間ある方は、お近くのレコード・ショップへ足を運んでみてはいかがでしょうか?

さて「春の盤まつり」第4回目は、イタリアのイカすオヤジ達をご紹介。粋でカッコイイっすよ。では、よろしくどうぞ。



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■GIULIANO PALMA/Old Boy →動画リンクはこちらこちら

ジャケからしていかにも伊達オヤジ風の、ジュリアーノ・パルマ新譜(経歴などこちらに〜無断リンク失礼します)。彼は初めて聴いたけど、非常にポップかつ粋で気に入った。モータウン風、イカしたロケンロー、しっとりミディアムなどポップス黄金時代を彷彿とさせるナンバーが続く。ノーザンソウルからソフトロック、そしてレゲエと、音作りはベーシックだがとても楽しめるアルバムに仕上がっている。

曲によってはLOS AMIGOS INVISIBLESを思い出したり、ジュールズ・ホランドの雰囲気に近いかもと思ったり。あとはやっぱりバカラック。と思ってたら、バカラックのカバーもあった("Always Something There To Remind Me":リンクはこちら)。何か納得。

フィフティーズ/ポップス愛好家からDJ諸氏までオススメできるアナログレトロなイタロオヤジ。表だけじゃなく、裏ジャケ・内ジャケもスタイリッシュ(実物で確認ください)。活動的になるこれからの季節、ピタリとハマるオススメ盤。



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■BOBO RONDELLI E L'ORCHESTRINO/A Famous Local Singer →動画リンクはこちらこちら

次もイタリア・オヤジ(ちょっと性格俳優っぽい風貌?)、ボボ・ロンデーリ新譜(経歴などこちらに〜再び無断リンク失礼します)。彼も初めて聴いたけど、場末の酔いどれ感あるスウィング/ブルースが全編続き、これまた一発で気に入ったアルバム。

海の臭いがする港町の片隅で奏でられる猥雑なパブジャズといった風情。どことなくニューオリンズを感じさせるところもあり。楽団チックな感じが、好きモノにはタマらない一枚。

ポーグス、トム・ウェイツ、ムッスーT、レ・ネグレス・ヴェルト、ロマ系、アコースティック・スウィング、ジャングル・ビート、、これらの言葉にピンと来た方は必聴。末永く楽しめる好盤です。



今回はこんなところで。タイミングがあえば、「春の盤まつり」もう少し続きますので、引き続きよろしくお願いします。

以上、皆さまの音楽生活の参考になれば幸いです。では、また。


春の盤まつり(3) 陽だまりモッド・ジャズと漆黒ソウル・ジャズ

こんばんは。だいぶ暖かくなってきましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

「春の盤まつり」第3回目は、最近愛聴しているヒップホップ以降の感覚を持つファンク〜ソウル〜ジャズ盤をご紹介。では、よろしくどうぞ。



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■LACK OF AFRO/Music For Adverts →全曲試聴可(リンクはこちら

以前こちらで取り上げた、マルチ・プレイヤー/DJ/プロデューサーとして活躍中のアダム・ギボンズによるユニットの新譜(4thアルバム)。ヒップホップを通過した歌心あるジャズ・ファンクという基本路線は変わらず、より力強くなった印象を受ける。

イギリス人ならではのレア・グルーヴ的要素が満載で、非常にツボを押さえた音作り。軸となるメロウ&ファンキーな歌ものに加え、数曲収録されてるインストがまたいい。陽だまり感ある曲や黄昏ミディアム・ダンサーなどは、90年前半のオリジナル・ラヴを思い出したりも。

モッド・ジャズ、ブレイクビーツものが好きな方もぜひ。何というか、分かっちゃいるけど抗えない魅力というか、こういうのやっぱ好き。ポップにアピールする傑作で、しばらく愛聴盤になりそう。これまた年間ベストアルバム候補に。


■LACK OF AFRO/Recipe For Love (7") →PVリンクはこちら

アルバムとあわせ、シングル盤(7インチ)も買っちゃいました。ハッピーなノーザン・ソウルが心地いい。とにかくキャッチー!



次は去年の作品。今更ながら、ハマってます。。

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■JOSE JAMES/No Beginning No End →フルアルバム試聴可(こちら

NY在住のジャズ・シンガー、ホセ・ジェイムズ(これがソロ3作目)。今年に入ってから(つい先月)購入し、すっかりヘヴィローテーションになってる逸品。毎日2回くらい聴いてるような状態が続いたもんで、遅ればせながらご紹介。

とにかく声が素晴らしい。ダニー・ハザウェイ、ギル・スコット・ヘロン、オマー、ディアンジェロあたりを彷彿とさせる。ジャケ通り、夜の空気感にハマり過ぎる音だけど、朝の通勤中に聴いてもいい具合に気持ちが落ち着く感じもあって、とても重宝してます(朝昼の空気に合う曲もあり)。音的にはヒップホップ以降のジャズで、ダブやソウルの感覚も併せ持つ。男女の違いはあるにせよ、エリカ・バドゥが最も近いところにいる歌い手かもしれない。

音楽的な面白さという点でオススメはM-2(リンクはこちら)。僕も好きな女性シンガーソングライター、インディ・ザーラ Hindi Zahra(モロッコ生まれ・パリ在住・ブルーノートのレーベル・メイト)が参加。ジャズ+グナワ(モロッコの儀礼音楽)の雰囲気で、呪術的とも言えるムードが漂う。あとフラメンコやカッワーリー的なものも感じるし。ゾクゾクする妖気を持つ曲。

タイミングよく、ニューアルバムが6月に出る模様。これは嬉しい!今年2月の来日公演には行けなかったため(完全にノーマークだったんで来てたの知らず…)、アルバム引っさげて、ぜひまた来日してほしい。



今回はこんなところで。「春の盤まつり」まだ続きますので、引き続きよろしくお願いします。

以上、皆さまの音楽生活の参考になれば幸いです。では、また。


春の盤まつり(2) チリの凜々しい女性ラッパー

こんにちは。今日は肌寒く、不安定な天気ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。今年はタイミング合わず、僕は花見らしい花見はせずに終わりそうですが、今日で桜の花も散っちゃうんでしょうね。

さて桜吹雪の中、「春の盤まつり」は続きます。第2回目も南米で行きましょう。今回は注目すべき女性ラッパーfromチリをご紹介。世界はホント広いですね。よろしくどうぞ。



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■ANA TIJOUX/Vengo →音源試聴はこちらこちらなど

チリ人女性ラッパー、アナ・ティジュの新作(4thアルバム)が素晴らしい。彼女の音楽は初めて聴いたけど、一発で気に入ってしまった。ピノチェト軍事独裁政権に抵抗する反体制活動家を両親に持ち、亡命先のフランスで生まれたのが彼女。ライナーによると「ヒップホップを選んだ」のは「世に伝えたいことを的確に言葉で表現」するためだという。女性の闘士を描いたイラストがブックレットにもあるが、まさに彼女自身が決意を持った闘士である(反体制、反グローバリズム、環境問題、少数民族問題、都市化弊害、、というキーワードが浮かんでくる)。

もちろん音楽性も豊かで、聴き飽きない。「私はやってきた」という意味のタイトルである本作は、ケーナの音に導かれるようにして始まる。フォルクローレ、ジャズ、ソウル、サントラなどを練り込んだバックトラックは、センスがあってカッコイイ。いい意味でオーソドックスなヒップホップである。曲間のスキットもいい具合だし。スペイン語のレベル・ミュージックということもあって、時折マヌ・チャオを思い出す瞬間も。個人的には今年のベストアルバム候補に。オススメ!

またM-2(リンクはこちら)ではパレスチナ系英国人の女性ラッパー、シャディア・マンスール SHADIA MANSOUR (彼女のカッコ良すぎるPVはこちら)が参加しており、同志的なつながりを感じさせる。世界とのつながりということで言えば、アルバムには未収録だが、反TPPソング"No Al TPP"も発表している(PVはこちら)。クラシカルなボサノヴァが胸を打つ。彼女のブレのない凜々しい姿に、感じるもの多し。



Anatijoux_1977 Anatijoux_labala
■ANA TIJOUX/1977 (左・2nd・2009年)
■ANA TIJOUX/La Bala (右・3rd・2011年)

彼女のはぜひ遡ってアルバムを聴いてみたいと思い、上掲の過去作を早速購入(この2作ともグラミー賞にノミネートされた)。まだ新作ほど聴き込めてないが、さすがに内容充実しており、カッコイイ。後者には、僕の大好きなウルグアイのホルヘ・ドレクスレルも参加していた。

また「1977」のライナーによると、このアルバムはクラシック・ヒップホップへのオマージュが捧げられているようだ。特にNAS、Wu-Tang Clan、A Tribe Called Questらの名作がリリースされた'92〜'95年の黄金期(彼女がいちばん好きな時期)に対する思い入れが強く、それらのような飽きられないスタイルの作品を作りたいという確固たる意思がある模様。なるほど、確かにその辺の音作りを踏襲しているなと思ったし、今でも十分通用するカッコ良さとシンプルさがあると思う。また最近、僕自身、90年代前半の音を無性に聴きたくなることがあり、不思議とシンクロしていた。20年経って、90年代もそろそろ再評価の時期に来てるのかも。



ということで、アナ姐さん、興味のある方はぜひ聴いてみてください。他にもオススメ盤があるんで、「春の盤まつり」はまだまだ続きます。

以上、皆さまの音楽生活の参考になれば幸いです。では、また。