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最近のお気に入り(2024年vol.10)

近所の小学校の横を歩いていたら、色鮮やかなツツジの花に目が留まりました。教室の方からは「春の小川」の合唱が聞こえてきて、澄んだ歌声に心洗われました。



Dent Mayの新作"What's For Breakfast?"がポップでサイコー。"Late Checkout"(2020年)以来、4年ぶり6枚目のアルバム。いいメロディに心地よいサウンド、相変わらず冴え渡るポップ職人の技。

あまり彼のイメージにないようなギターロックが収録されていて、もちろんそれも悪くはないけど、「長生きして、いい曲をたくさん書くのが目標」という彼らしいポップな曲がやっぱり耳に残る(AORテイスト、ポップソウル、Beach BoysやAlan Parsons Projectを彷彿させるナンバーなど)。Pearl&The OystersやJordanaといったインディポップ周辺の人気者がゲスト参加している曲もあり、センスある人選に賛同(どちらもいい曲)。

全体的に夏向きの曲が多く、これからの季節にピッタリかと。ソウルミュージックが好きなんだろうなと思えるところに、とても好感が持てる。ぜひ長生きして、いい曲をたくさん書いてほしい。









以上、皆さまの音楽生活の参考になれば幸いです。では、また。


最近のお気に入り(2024年vol.9)

いつ植えたのか定かではないのですが、春になると裏の畑にふきが生えてきます。しばらくの間、ほろ苦い旬の味覚を楽しめます。今年は間に合いませんでしたが、来春こそ、ふきのとうを天ぷらにして食べたいと思ってます。



NYブルックリンに拠点をおくSSW、Sam OwensによるプロジェクトSam Evianがポップでいい。4枚目のソロアルバム"Plunge"が自身のレーベルFlying Cloud Recordingsからリリースされた(Thirty Tigers経由)。以前はCelestial Shoreのフロントマンとして活動していたが、近年はソロとエンジニア(Big Thief、Cass McCombs、Kate Bollingerなど)としての活動が多いようだ。

パワーポップ、グラム、サイケなど、60~70年代の色合いが濃いアルバムに仕上がっている。The Beatlesのドキュメンタリー"Get Back"を観てから制作したとのことで、The Beatlesはもちろん、メンバーのソロ作、およびその影響下にあるミュージシャンたち(Emitt RhodesやHarry Nilsson、最近だとThe Lemon Twigsあたり)を彷彿させる曲が並ぶ。個人的には、時折The BandやGram Parsonsが顔を出したりするところも◎。

前回アップしたAdrianne Lenker参加曲もあり。その縁でと思われるが、彼女のアルバムの共同プロデューサーであるPhil Weinrobeも2曲でエンジニアとして参加。ゆったりした曲もパワーポップも、このところの暖かい気候にフィットし、とても心地よく聴こえる。快作。








以上、皆さまの音楽生活の参考になれば幸いです。では、また。

最近のお気に入り(2024年vol.8)

ある朝、近所の方から筍をいただきました。続けて別の方からは筍ご飯をいただき、まさに今が旬だなぁと。その日は筍づくし、春の恵みを堪能しました。



USインディーを代表するバンドBig Thiefのヴォーカル/ギター、Adrianne Lenkerのソロアルバム"Bright Future"が素晴らしい。"songs and instrumentals"(2020年)以来4年ぶりとなるアルバムで、引き続きPhilip Weinrobeとの共同プロデュース。リリースは4ADから。

森の中のスタジオにアナログ機材を持ち込み、信頼のおける友人たち(Nick Hakim, Mat Davidson, Josefin Runsteen)とのセッションをレコーディング。デモテープのような生々しさがパッケージされており、その空気感に惹き込まれてしまう。ボブ・ディラン&ザ・バンドの「地下室」がふと頭によぎる瞬間もあるが、全体の印象はもっと密やか。フォークやカントリーを基調としつつ、どこかUKフォーク/トラッドのような感触も。Big Thiefの楽曲"Vampire Empire"の興味深いカヴァーもあり(初期ディランを彷彿させる雰囲気)。

最初は地味かなと思ったものの、ドキュメント的な楽しみ方もでき、聴くたびに味わいを増すアルバム。奏でられる音のひとつひとつにじっくり向き合いたい傑作。








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最近のお気に入り(2024年vol.7)

買い物に出かける途中、駅の近くの桜並木が満開でした。束の間の花見気分を味わいました。



アラバマ州出身で現在はミズーリ州カンザスシティに拠点をおくSSW、Katie CrutchfieldのプロジェクトWaxahatcheeがいい。"Saint Cloud"(2020年)以来、4年ぶりの新作となる"Tigers Blood"が先月ANTI-からリリースされた。

前回アップしたHurray For The Riff Raff同様、プロデュースはBrad Cook。ギターにMJ Lenderman(Wednesdayのギタリスト。ソロでも活躍)、ドラムにSpencer Tweedy(WilcoのJeff Tweedyの息子)が参加。特に先行シングル"Right Back To It"で聴かせるゆったりしたレイドバック感が出色かと(Phil Cookのバンジョーが印象的。MJ Lendermanのコーラスも絶妙)。あとByrds(またはR.E.M.)みたいな"Crowbar"もオススメ。

全体的にフォーク、カントリー、ブルーグラスに根差したルーツロック(若干オルタナ風味)が多い印象。アメリカーナ/アメリカンロック好きの方はぜひ。







以上、皆さまの音楽生活の参考になれば幸いです。では、また。