2013年ベストアルバム(コメント入り最終版)

こんにちは。寒い日が続きますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。僕は年末年始ちょっと風邪気味で体調あまり良くなかったですね(今はもうだいぶ良くなりました)。これから冬本番に向かいますし、くれぐれもご自愛ください。

大晦日に取り急ぎコメントなしでアップした年間ベストアルバムですが、体調がそんな感じでしたので正月休みに更新できず、すみませんでした。さらに年末年始はずっと大滝詠一氏の追悼モードでしたし…。少し遅れましたが、今日はコメント入り版をお届けします。では、よろしくどうぞ。



☆ベストアルバム

Jmonae_elady  Habate _yadelal  Jupiterokwess_hu
Masboppers_sb  Abeba_d  Dumpstaphunk
Jh6_minute  Mgaray_asado  Ovoadora_fv  Stromae_racine

1.JANELLE MONAE/The Electric Lady
2.HAMELMAL ABATE/Yadelal
3.JUPITER & OKWESS INTERNATIONAL/Hotel Univers
4.吾妻光良&ザ・スウィンギン・バッパーズ/シニア・バカナルズ
5.ABEBA DESALEGN/Yelehubetim
6.DUMPSTAPHUNK/Dirty Word
7.THE JAMES HUNTER SIX/Minute By Minute (LP)
8.MININO GARAY Y LOS TAMBORES DEL SUR/Asado
9.ORQUESTRA VOADORA/Ferro Velho
10.STROMAE/Racine Carree

<コメント>
旧譜は相変わらず歌謡曲の7インチ中心に聴いていたが、新譜は例年に比べワールドミュージックとソウル/ファンクをよく聴き込んだ。特に夏〜秋以降に購入した盤が印象に残り、それでほぼベストテンを占める結果になった。ちなみにLPで購入した(7)以外は、すべてCD。

■ワールドミュージック
(2)(3)(5)(8)(9)(10)と久々に6枚ものアルバムがランクイン。引っかかりのあった傑作・充実作が他ジャンルよりも多かった。特に(2)(5)のエチオピア女性陣は歌・サウンドともに素晴らしく愛聴盤に。今回聴き込み不足で外したがアスター・アウェケの新譜も良かった(2014年ベスト候補?)。エチオピアはまだまだ面白い人がたくさんいそうなので、今後楽しみ。個人的に掘り下げていきたいところ。
コンゴ・ファンクの(3)、豊かな音楽性が魅力のアルゼンチンごった煮楽団(パリと行き来するパーカッショニストがリーダー)の(8)、ブラジル産ブラバンの(9)、フレンチ・エレ・ポップの(10)など刺激的な出会いが結構あり、世界には面白い人たちがたくさんいることを再認識した。他にまだしっかり聴けてないCDもあり、それは年初のお楽しみとしたい(気が向けばレビューもアップします)。ランク外となったがアジアやアラブにも好盤があったし、ワールドミュージック関連は今年も面白いことになりそうな予感。なおランクインした6枚はすべてエル・スール・レコーズで購入(今年もよろしくお願いします!)。

■ソウル/R&B/ファンク
日頃から熱心に聴いてるわけじゃないが、自分の波長と合った感じで、繰り返し聴けるものが多かったように思う。(1)は最新型R&Bというよりも、ロックやヨーロッパ映画音楽もぶち込んだハイブリッド・ポップの位置づけ。内容の良さは言うまでもないが、フルアルバム2枚目にしてようやく日本盤が出たのも嬉しかった(傑作1stは日本盤未発売のまま)。重量級ニューオリンズ・ファンクの(6)、パブロックテイストのUKソウル(7)(チェスレーベルの匂いもする好盤)など、高レベル盤に当たる確率が高かった。

■ロック/ポップス
珍しくランクイン作がなかったのに今更驚いた(前述(7)はこちらでもOKかもしれないが)。ただベテラン・ロック勢の佳作はそれなりにあり、特にポール・マッカートニー、エルヴィス・コステロ&ザ・ルーツらのイギリス勢が印象に残った。また購入時期が年末になってしまったので外したが、ポール・キャラックの新譜は内容が非常に良く、愛聴した(あまり日本では話題にならないのが残念)。次点としてぜひ挙げておきたい。

■日本人関連
毎年多くのアルバムがランクイン(もしくは別枠で10枚選出)するのだが、今回は(4)しかランクインせず。個人的にはちょっと面白いことになった。年を取るごとに味わいが増していく吾妻さん(たぶんこれからずっと好きでいるんだろうな)の他には、残念ながらベストテンに入れるほど愛聴したアルバムがなかった。(((さらうんど)))、一十三十一などは優れたシティポップだったが、キラキラした音が僕の気分にたまたまマッチしなかった。
僕の周辺では(Twitterなどの情報も含め)若手歌手・バンドを中心に割と盛り上がっていたような気もするが、僕自身のアンテナにはあまり引っかかってこなかった。理由はよく分からないが、自分のアンテナの向きが違う方向を向いていたのかもしれないし、自分の好みがまた変わりつつあることの兆しなのかもしれない。いずれにしても小手先で作ってみた類いのものではなく、幹がぶっといのを聴きたいなと。今年期待したいのはマンタ・レイ・バレエのフルアルバム。待望のデビュー・アルバムが、もうすぐ出るはず(だよね?)。



上記に載せたものも含め、次点的なものを挙げておきます。ご参考まで。

・PAUL CARRACK/Rain Or Shine
・PAUL McCARTNEY/NEW
・ELVIS COSTELLO & THE ROOTS/Wise Up Ghost
・TROMBONE SHORTY/Say That To Say This
・LORD MOUSE & THE KALYPSO KATZ/Go Calypsonian (LP)
・MOUSSU T E LEI JOVENTS/Artemis
・BOOM PAM/Manara & Summer Singles
・THE SOUL OF MAGNOLIA/Same
・LOS AMIGOS INVISIBLES/Repeat After Me
・(((さらうんど)))/New Age
・一十三十一/Surfbank Social Club
・冗談伯爵/ city line/bird man/雨あがり (CD-R Single)
・ASTER AWEKE/Ewedihalehu(→2014年候補?)



☆ベスト歌謡曲(シングル)

Nakanoaya_hotel  Amano_siosai

・なかの綾/ホテル(B面:ラヴ・イズ・オーヴァー) (7inch)
・天野春子(小泉今日子)/潮騒のメモリー (CD)

<コメント>
歌謡曲や80年代アイドルポップがマニア以外にも久しぶりに脚光を浴びた年だった。もちろん「あまちゃん」特大ヒットの影響が大きく、関連CDも出たり色々盛り上がった。小泉今日子と薬師丸ひろ子が年末の紅白で共演するなんて誰も想像できなかったし(上掲シングルはストレートな名曲)、これぞ昔の歌謡曲が持っていた正統派「お茶の間感」だと膝を打った。なかの綾はそれとは別のところにある「お水感」が魅力的だった(さすがは現役ホステス)。このシングルはサウンドの良さも相まって、両面とも何度も聴ける逸品だった。

きゃりーぱみゅぱみゅ、Perfume、ももクロ、AKB関連など、楽曲クオリティの高いアイドルもいるんだろうなとは思いつつ、どれも買わずじまい。世の中の過度なサウンド志向に対して、無意識のうちにどこか「歌」を求めてるからなのか?と思ったり(もちろん自分自身もサウンド志向なのは認めつつ)。職業作詞家・作曲家・編曲家チームがしっかり練って作った歌を聴きたいという欲求が自分のなかで高まっていて、往年の歌謡曲にあった輝きの源泉はやはりそこにあったんだろうと思うこと多し。そういうことにも関連して、個人的には『ラグジュアリー歌謡』が出たのも2013年の大きなトピックだった(ブログ関連記事)。



あと補足的につらつらと。

☆ベスト・ライヴ
・PAUL McCARTNEY @京セラドーム大阪(11/12)
(次点)MOUSSU T E LEI JOVENTS @心斎橋Conpass(9/27)
(別枠)国境の南マスター還暦祝ライヴ @渋谷gee-ge(10/19)

☆ベスト・アート(展覧会)
・「アンドレアス・グルスキー展」@国立新美術館
(次点:観た日順)
「マリオ・ジャコメッリ写真展」@東京都写真美術館
「ボストン美術館 日本美術の至宝」@大阪市立美術館
「北魏 石造仏教彫刻の展開」@大阪市立美術館

ベスト・ライヴは文句なしにポール!水も飲まずに歌って弾いて笑わせて最高にハッピーだった3時間。御年71歳とは思えない超人ぶり。また絶対来日してほしい。別枠で挙げたが、ポレポレバンドの再結成が個人的には本当に嬉しかった(アマチュアバンド最高峰)。マスター、今後ともよろしくお願いします。

あとベスト・ブックを選ぼうとしたが、選べるほど新刊を読めてないので見送り。新刊ではないが印象に残った本として、『ちょっとピンぼけ』 (ロバート・キャパ)を挙げておく。昨年が生誕100周年だったキャパだが、日本ではさほど話題にならなかったのが残念。この本はエンターテインメント性に富んで、とにかく面白い。写真や現代史に興味のある人はぜひ。

残念ながら、2013年も多くの方が亡くなった。島倉千代子さん、岩谷時子さん、J.J.CALEなど、、。特にLOU REEDが亡くなったのには非常にショックを受け、しばらく彼の音楽ばかり聴いて過ごしていた。そして言うまでもなく、年末ギリギリに飛び込んできた大滝詠一さんの訃報、、。これには言葉を失った。謹んで故人のご冥福をお祈りします。どうぞ安らかに。



ということで、長文に最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。気が向けば再発・発掘盤のオススメもアップできればと思います。

今年もいい音楽にたくさん出会いたいですね。そのためにはできるだけ動き回って、現場(ライヴ会場やレコ屋など)に足を運ぼうと思ってます。また自分の主催イベントもいくつか新たな展開を考えてますので、お楽しみに。本ブログももう少し更新頻度を増やしていきたいと思ってますので、今年もどうぞよろしくお願いいたします。

以上、皆さまの音楽生活の参考になれば幸いです。では、また。


[Diary] 6/30

午後から散髪。例によって親父さんと写真話。毎月応募されているというカメラ雑誌で金賞ほかを取った写真が店内に飾ってある。一見簡単に撮れそうな写真だけど、なかなか撮れないタイプのスナップ多し(カメラやってる人なら理解できる感覚かと)。いい写真を撮るには?と質問を投げかけると、いつでも撮る準備ができてるかどうか、というシンプルな答えが返ってくる。確かに。それがとっても難しい。これは仕事、趣味など生活全般に通じるよなぁ。

元会社同僚と飲み会の約束をする。上京した際はぜひ実現させたい。

とある団体の飲み会が約10年ぶりに開催された。場所が東京だったため僕は行けなかったが、主催者のUちゃん、NYから一時帰国しているHちゃんと電話で話ができた。Hちゃんは来年も日本公演のため帰国するらしい。花でも持って遊びに行くよと言ったら、花はどこかで捨てて帰らなきゃいけなくなるので(そりゃそうだ)、CD焼いてくださいと。Parliament好きの彼女にP-Funkをリクエストされる。まったく問題なし。2枚組でも作るかねー。

夜、NHK「探検ロマン世界遺産」で映し出されたイタリア・トスカーナの風景に心奪われる。絵はがきのようなオルチャ渓谷の田園風景は、人の手により何百年もかけて作られてきた。ここが元々は作物の育たない不毛の大地だったという話に驚く(よって自然遺産ではなく、文化遺産としての認定らしい)。あの糸杉が並ぶ光景を見るためだけに行く価値あるよなー。同じトスカーナ州にはフィレンツェもあるし、いつかあわせて訪ねてみたいところ。

続けて「新マチベン〜オトナの出番〜」を。特に期待せず見ていたんだけど、これは面白そうだ。還暦を超えた新人弁護士を演ずる3人がいい。渋く実直な渡哲也、いい人そのままの地井武男、そして飄々とした軽い感じの石坂浩二。個人的には石坂浩二の演技が非常に好み。まさに、はまり役。


[Diary] 6/16

Kume01 Kume02
あじさいを見に行こうと思い立ち、午後から久米寺へ。奈良のあじさい寺としては矢田寺が有名だけど、こっちの方が家からは行きやすいんで。割とマイナーなお寺だけど同じように考える人たちが多いのか、お客さんはたくさん来ていた。

「あじさい祭り」開催中の「あじさい園」では、和洋40種、3,000〜4,000株のあじさいがちょうど満開。1時間ほど見て回り、すっかり堪能。以下、疲れ目の保養にどうぞ(山ほど写真撮ったんで、余裕があれば別途アルバムにアップします)。

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(写真左)多宝塔&よく目にする種類のあじさい。(写真右)花の部分がちょっと変形。柔らかな色合いが美しい。

Kume05 Kume06
形もいろいろ。右のは花火?宇宙ステーション?

Kume07 Kume08
ホント色んな種類があるなぁと。勉強になりました。

Kume09 Kume10
金ピカ大日如来像を拝んでから、久米寺をあとに。

ーーー
駅のドトールで一休み。本屋でBRUTUS最新号(食のトレンド番付)を購入して帰宅。

阪神、9回表に一挙9点(!)を入れて、ロッテに大逆転勝利。2-7から11-7ってスゴイ。これで波に乗ってくれるといいんだけど。


[Diary] 5/4

午後、市民ホールへ知り合いの写真展を見に行く。出展者は皆さんアマチュアなのだが、毎回好きな写真があり見ていて楽しい。今回も自然・人物・祭など、テーマがヴァラエティに富んでいて楽しめた。テーマや作風が違うものを続けて見ているうち、自分は綺麗な風景写真よりも、やはり人の匂いのする写真が好きだなぁと再認識。

阪神、6連敗。おまけに赤星が負傷って…。

Stand
先日購入したスライ&ザ・ファミリー・ストーン(リマスター盤)を聴く。"Stand!"はいつ聴いても、その恐ろしいほどの熱気に鳥肌が立つ。アッパーなソウル、ダークなファンク、明確なメッセージ、そして抜群のポップセンス。60年代末の濃密な空気を真空パックした世紀の名盤。ソウル/ファンク/R&Bファンはマストだが、ロック好きにこそ聴いてほしいと思う。一度聴き始めたら、何度もリピートしてしまった(他の2枚についての感想は別途)。


[Diary] 4/14

ビーチボーイズの"Pet Sounds"を久々に聴く。個人的に思い入れのある名盤。

http://www.ashesandsnow.org/

グレゴリー・コルベールの"Ashes and Snow"広告が、新聞に載っていた。東京に行ったら絶対見たいんだよなー。関西には来ないんだろうか?

「世界ふしぎ発見!」はギアナ高地。カエル、洞窟などの映像を興味深く見る。


[Diary] 3/21

午前中、朝日放送にて(おそらく関西ローカル)「神と遊ぶ 春日大社若宮おん祭」を見る。この祭自体あまりよく知らないので、初めて知ることが多かった。祭って本当に色んな方が関わっているんだなぁと、考えてみれば当たり前のことに驚いたり。非常に興味深く楽しんだ1時間だった。

休日ということもあり、妹夫婦が遊びに来る。相変わらず甥っ子が元気で面白い。

午後、久々に図書館へ。先日こちらでも書いた選評を読もうと「アサヒカメラ」を手に取る。都築響一さん、藤原新也さんのが納得できる感じだったかな?最終候補者に友人の知り合い(微妙)の名前を見つける。近年の受賞者5人の作品も載っていたが、佐内正史さんのがいちばん好み。自分で撮りたい写真にいちばん近い。澤田知子さんのも好きだけど、純粋に写真というよりは、どうしても現代美術という視点で見てしまう。

このところすっかり読書もご無沙汰。日付変わった頃、山のような積ん読本から、宮部みゆきさんの「理由」(朝日文庫版)をピックアップ。確か数年前にブックオフで買ったのだが、今まで読む機会がなくじっくり寝かせておいた(?)本。読み始めたら面白すぎて止まらなくなる。松永さんの言う通り、傑作の予感。結局3時過ぎまで黙々と読む。


[Diary] 3/16

2006年度(第32回)の木村伊兵衛写真賞が決定。本城直季さんと梅佳代さんの2人受賞となった(受賞されたお二人、おめでとうございました!)。それぞれ「small planet」「うめめ」という話題になった写真集を出されており、意外性まったくなしの順当な結果であった。それよりも両写真集とも出版社がリトルモアだということの方がビックリした。とは言え、まもなく出る「アサヒカメラ」の選評は一度読んでみたいと思う。

この賞は「写真界の芥川賞」と言われていることからも分かる通り、新人の登龍門的な色彩が強い賞だ(錚々たる過去受賞者リストはこちら)。しかし芥川賞と同様、何だか話題重視って感じがしないでもない。もはや形骸化している本家(?)のように凋落の一途を辿るのか否かは、受賞者の今後の活躍次第ってことだろう。特に本城さんに関して言えば、今のスタイルを今後どうぶち破っていくのかが気になるところ(こちらのように、現時点では人真似だと言われても仕方ない面もある。これから精進していただければと思います)。

対して梅佳代さんは、たぶんずっとこのままで行くんだろうと思うけど(笑)正直な話、「うめめ」でいいなと思う写真は十枚もなく、好きな写真集とはとても言い難い。でも彼女の(文字通りの)反射神経に加えて、言葉では言い表せない何かを感じるのも確かで、将来大化けするかもしれないなと思ってしまう。まぁとにかく、今回受賞されたお二人の3〜5年後の作品を楽しみにしたいと思う。

しかし何をもって「いい写真」とするかは、本当に難しいなと思う。選者/見る人の好みもあるだろうし、いつどんな状況で見るかということも大きいし。なお木村伊兵衛賞に関して補足すると、アラーキーが過去2度も落選している(結局受賞できず)という事実が、何よりも興味深かったりする。結局は、面白い写真を見たければ自分の足で見つけるべし、という至極当たり前のことに思い至る。これは音楽も文学もアートも映画もみな同じだけど。

ーーー
午後、大阪某所で打ち合わせの後、ジュンク堂へ。調べ物用に本を探すも、しっくりくる本を見つけられず。明日にでも出直そう。タワレコでマダムギター長見順、ニール・ヤング発掘ライヴ、アナ・カロリーナを購入してから帰宅。