「BIOMBO/屏風 日本の美」展ほか

先週日曜、大阪市立美術館「BIOMBO/屏風 日本の美」展を見に行ってきた(12/16まで開催中)。先日見た京都の狩野永徳展(こちら参照)と違って人も少なく(それでもぼちぼち入ってたけど。あくまで比較の問題)、ゆったりと見ることができて幸せな気分に浸れた。やっぱりこれくらいの余裕がないとね。前後半で入れ替えが結構あるため、もう一回行こうかと画策中。以下、特に気に入ったものを列挙すると。

*泰西王侯騎馬図屏風(サイズがでかく、惚れ惚れ。エチオピア王の姿も)
*レパント戦闘図・世界地図屏風(前者はレパントの海戦、後者には人魚も)
*豊国祭礼図屏風(輪になった民衆の躍動感)
*柳橋図屏風(色も渋く、スタイリッシュ。現代でも十分通じるデザイン感覚)
*四季折々の風俗画(特に田植え・収穫など農作業の風景があるもの)

事前に想像していたよりも非常に見応えがあり、大満足。とりわけ上の二つは、日本+異国(日本画+洋画、屏風+異国の人・物・事)のB級的な混ざり具合が抜群。南蛮屏風(後半で展示。見たい!)にも通ずるエキゾチシズムとともに、本物にはなり切れない「えせっぷり」がたまらなかった。これはラテン歌謡などの「まがい物」が好きな音楽の趣向にもつながってるんだろうなと思ったり。また僕自身が最も興味のひかれるポイントは、異文化が交差するところ(誤解や曲解も含め)にあるんだなと再認識したり。屏風そのものの素晴らしさに加え、そんな自分の立ち位置を確認できたことも有意義だった。



当日は文庫本も久々に購入。まず古本屋で「果実酒入門」(カラーブックス)を。美術館では「江戸商売図絵」を。特に後者はすべて図入り、600ページ超の労作。衣食住、薬、芸能などに加え、物貰いや季寄せに関する仕事も紹介されている。昔は色んな商売があったんだなーと(今でも残っているものもあるが)、パラパラめくって楽しめる一冊。「わいわい天王」「すたすた坊主」「親孝行」という仕事(笑)が、どんなのか気になる方はどうぞ。



江戸/芸能つながりで言うと、落語特集の雑誌も買ってたっけ。サライ「続・落語入門」、男の隠れ家「落語を愉しむ」がそれ。喜んで買ってきたはいいけど、ゆっくり落語を愉しむ余裕がないんだよなぁ…。何とか時間を捻出したいとは思ってるんだけど。寄席にも行きたいしね。



日記をご無沙汰してるんで、最後にちょっと近況報告。つい最近新しく始めたことがあって、平日も休日も結構忙しくしてます。以前に比べてまとまった時間が取りにくくなってるんですが、細切れの時間で何とか音楽聴いたりしてます。日々忙しいけど、楽しくやってます。ホントありがたいことです。


[Diary] 7/6

Hawaii_waka
レンタルした「ハワイの若大将」を見る。今更だけど、これは素晴らしい!とにかく理屈抜きに面白い。話は他愛もないのだが、映画としてよくできてる。何と言っても、若大将(加山雄三)、ライバル・青大将(田中邦衛)、マドンナ・澄ちゃん(星由里子)など飽きのこないキャラ設定の勝利だろう。あと飯田蝶子演じるお祖母ちゃんがハイカラでいい(有島一郎演じる父とうまく対称をなしている)。

それにしてもヨット部主将にしてバンドのフロントマンという役柄が、そのまんま加山雄三で笑える。劇中ではサーフィンや、ヴォーカルとギター(エレキと言う方がしっくりくる?)演奏も披露。若大将はプロ顔負けの腕前で(加山さん自身が作詞作曲もこなすプロですが…)、当然女の子にモテモテ。こりゃ男が見てもカッコイイわ。マリンスポーツ、バンド(ツイストからハワイアンまで)、ハワイの風景と、見どころ満載でオススメです。

また映像的には、赤・青・黄という原色がうまく使われていて感心した。特に青大将の車の赤が鮮やかで、のっけから引き込まれた。若大将シリーズを今まで見てこなかったことを後悔(娯楽シリーズをなめてたらいけませんね)。このシリーズは借り続けよう。余韻に浸りながら、加山雄三「ハワイの休日」を聴く。



先週に引き続き、「文珍・南光のわがまま演芸会」を。演目は、桂南光「ちりとてちん」、桂吉弥「七段目」。後者で、芝居狂いの若旦那と奉公人とのやり取りが面白かった。

阪神、2-0で完封リレー。下柳、通算100勝目(最年長記録更新!)。おめでとうございます。ベテランも頑張ってるなー。


[Diary] 6/29

input/outputな一日。様々な人と連絡を取る。

夜、「かんさい特集」「文珍・南光のわがまま演芸会」を見る。桂文珍・桂南光がホスト役となり、自身のネタと若手落語家の噺を紹介する番組。今日は若手実力派として笑福亭三喬が「花色木綿」を披露。久々にTV見て爆笑した。噺も面白かったが、とにかく顔が面白い。これ反則。

番組は2週連続で、次週の演目は桂吉弥「七段目」と桂南光「ちりとてちん」。こちらも期待できそう。楽しみ!こういう番組があると、関西に住んでて良かったなぁと思う。やっぱ上方落語が落ち着くかも。


[Diary] 6/18

家で取れた梅やシソを亡くなった祖母がよく漬けていた。そういう環境に育ってきたからか、昔から梅酒(特に自家製)が大好きだ。今日は何と家の中に12年ものの梅酒があることが判明!しかも3リットルくらい。僕以外の家族は誰も梅酒を飲まないため(ビールオンリーor下戸)、奇跡的に手つかずで残っていた。スゴイ!他にも7〜8年ものがあるらしい。数年前に実家から送ってもらった時は8年ものが最高に美味だった記憶がある(市販梅酒はもちろん、高級とうたわれる梅酒と比べても段違いの美味しさ)。

奇しくも8年間というのはビートルズがデビューしてから解散するまでの期間と一致する。シングルで言うと"Love Me Do"から"The Long And Winding Road"まで。これくらいの変化が梅酒にも起こっているに違いない。これからチビチビ飲むのがホント楽しみ。贅沢やわ〜(飲んでみたいという方、連絡いただければペットボトルに詰め替えて会った時にお渡ししますよ)。

深夜、久々に落語が聞きたくなり、桂米朝の「たちぎれ線香」を聞く(CDはこちら)。米朝師匠、やっぱ面白いなぁ。ざこばネタの枕も好きだ。寄席では師匠未体験につき、何とか今年中には生で聞きたいと思う。



http://www.cdjournal.com/main/news/news.php?nno=15405


ライ・クーダーの初期8タイトルがリマスター&紙ジャケで再発されるらしい!発売日は8月8日、価格は税込2,200円(ラインナップはこちら参照)。ちなみにリトル・フィートと同様、ボーナストラックはない模様。完全生産限定盤につき、お早めに。

スライ、リトル・フィートはさすがに全部買うところまで行かなかったけど、これは間違いなく全部まとめ買いします!お金貯めなきゃね。今から発売日が待ちきれません(たぶん発売前日にはレコ屋へ行きますが)。


[Diary] 6/8

NHKプレミアム10「オペラ座の弁慶 團十郎・海老蔵パリに傾(かぶ)く」を見る。ニュースのあとついてたTVをぼんやり見てたら、面白くてそのまま最後まで見てしまった。

芸能ニュース的には米倉涼子が会場に足を運んだことで注目されたパリ公演は、市川團十郎・海老蔵親子が交代で弁慶を演じるという画期的な舞台でもあった。日本ではあり得ないだろう配役、そして花道のない舞台をどのようにしていくかに注目するとともに、舞台美術、衣装、音楽なども興味深く見た。

演目の「勧進帳」では、やはり團十郎の存在感が圧倒的。貫禄が全然違う。時として親父・團十郎に対し海老蔵が敬語で話しかけている姿を見て、芸事を極めるには(特に代々続く伝統芸能では)、身近な者に対して尊敬と羨望と挫折と嫉妬という感情を繰り返し抱きながら精進していく過程が必要なんだろうなと思ったり。先達が偉大であればあるほど、常人には計り知れないプレッシャーがあるだろうし。

歌舞伎はここ何年も見てないけど、「勧進帳」を生で見たくなった。