Stop Look Listen(2025年2月号)

月刊誌的「Stop Look Listen」の第2回。音楽関連以外で、「今月の読みかけ」も始めました。よろしくどうぞ!

<目次>

①今月の音楽
②今月の惹句
③今月の読みかけ
■編集後記 

①今月の音楽

今月もたくさんいい曲に出会えました。



Scott Bradlee's Postmodern Jukebox feat. Stella Katherine Cole / Uptown Girl

ニューヨークのピアニストScott Bradleeが創設した興味深い音楽集団。Billy Joelのヒット曲をヴィンテージ・ジャズ・アレンジでカヴァー。

Scott Bradlee's Postmodern Jukebox feat. Robyn Adele Anderson & Dave Koz / Careless Whisper

こちらはWham!の大ヒット曲カヴァー(西城秀樹や郷ひろみも日本語カヴァーしたほど、当時日本でも売れてた)。どこかクレズマー的なアレンジがクセになる。楽曲との相性、妙にいい。



Everyone Says Hi / Somebody Somewhere

先月セルフタイトルのデビューアルバムをリリースしたばかりのバンド(バンド名の由来はDavid Bowieの曲とのこと)。耳に残るドリーミー・ポップ。



Vulfmon / Dawn

VulfpeckのJack Strattonによるソロ・プロジェクト。溢れるGeorge Harrison感。ちなみにVulfpeckは今年のフジロック2日目のヘッドライナー(山下達郎と同日)。



Emilia Sisco / Love So Divine

昨年末にリリースされたアルバム"Introducing Emilia Sisco"を最近入手。これが素晴らしい。フィンランドのTimmion Records発で、バックを務めるのはCold Diamond & Mink(Bobby Orozaとの共演で有名)とくれば、間違いない出来。ヴィンテージ・ソウル好きの方ぜひ。早くも今年のベストアルバム候補。



Seu Jorge / Sete Prazeres

単独では10年ぶりのアルバム"Baile à la Baiana"の冒頭曲。相変わらずカッコイイ、サンバ・ファンク。ライヴが観たい。



mega cat / Sabotage

最後はBeastie Boysのカヴァー。昨年末に出たEP"Ultramegacat"に収録。バルカン~東欧っぽい旋律がいい。爆音で聴きたい。fromシアトル。



▼今月のSpotifyプレイリスト(紹介した曲以外にも、お気に入りを追加しています。雑多なラジオ感覚プレイリストです)


②今月の惹句

惹句とはキャッチコピー、宣伝文句のこと。こちらではレコード(主に日本盤7インチ)の味わい深い惹句を取り上げます。



「ボクはみんなと友だちになりたいんだ‼」

●ニュー・アイドル登場‼
ウチの妹も、隣りのユカちゃんも
みんな夢中‼
ヒデキもヒロミもなんのその‼
キミもきっとショーンの
トリコになっちゃうぞ‼
(ショーンはデイヴィッド・キャシディの弟です)


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ショーン・キャシディ「素敵なモーニング・ガール」
(1977年・日本盤リリース1977年5月)

Shaun Cassidy / Morning Girl


Shaun Cassidy / I Wanna Be With You →B面がちょっとソウルフル。


③今月の読みかけ

気づくと、部屋には読みかけの本ばかり。積読と読了のあいだ。読書・現在進行形。



先日、それぞれ別のブックオフで見かけ、購入。トランプ大統領、大谷翔平、フジテレビ・・・。今、彼女が生きていたら、何を語り、何を彫るだろう?

Nancy
ナンシー関「何が何だか」
ナンシー関、リリー・フランキー「小さなスナック」

■編集後記

年初に、今年は月イチ(できれば月2回)で美術館に行く目標を立てました。今のところ2ヶ月で6件と、いいペースで行けてます。今年は注目度の高い展覧会が関西で多く開催されるので(万博開催にあわせた形かと)、今からとても楽しみです。大阪市立美術館が3月にリニューアルオープンしたり、国宝展的なものが京都奈良大阪でほぼ同時開催されたり。どれも大混雑が予想されますが、ひるまず行きたいところです。



以上、皆さまの音楽生活の参考になれば幸いです。では、また。


2013年ベストアルバム(コメント入り最終版)

こんにちは。寒い日が続きますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。僕は年末年始ちょっと風邪気味で体調あまり良くなかったですね(今はもうだいぶ良くなりました)。これから冬本番に向かいますし、くれぐれもご自愛ください。

大晦日に取り急ぎコメントなしでアップした年間ベストアルバムですが、体調がそんな感じでしたので正月休みに更新できず、すみませんでした。さらに年末年始はずっと大滝詠一氏の追悼モードでしたし…。少し遅れましたが、今日はコメント入り版をお届けします。では、よろしくどうぞ。



☆ベストアルバム

Jmonae_elady  Habate _yadelal  Jupiterokwess_hu
Masboppers_sb  Abeba_d  Dumpstaphunk
Jh6_minute  Mgaray_asado  Ovoadora_fv  Stromae_racine

1.JANELLE MONAE/The Electric Lady
2.HAMELMAL ABATE/Yadelal
3.JUPITER & OKWESS INTERNATIONAL/Hotel Univers
4.吾妻光良&ザ・スウィンギン・バッパーズ/シニア・バカナルズ
5.ABEBA DESALEGN/Yelehubetim
6.DUMPSTAPHUNK/Dirty Word
7.THE JAMES HUNTER SIX/Minute By Minute (LP)
8.MININO GARAY Y LOS TAMBORES DEL SUR/Asado
9.ORQUESTRA VOADORA/Ferro Velho
10.STROMAE/Racine Carree

<コメント>
旧譜は相変わらず歌謡曲の7インチ中心に聴いていたが、新譜は例年に比べワールドミュージックとソウル/ファンクをよく聴き込んだ。特に夏〜秋以降に購入した盤が印象に残り、それでほぼベストテンを占める結果になった。ちなみにLPで購入した(7)以外は、すべてCD。

■ワールドミュージック
(2)(3)(5)(8)(9)(10)と久々に6枚ものアルバムがランクイン。引っかかりのあった傑作・充実作が他ジャンルよりも多かった。特に(2)(5)のエチオピア女性陣は歌・サウンドともに素晴らしく愛聴盤に。今回聴き込み不足で外したがアスター・アウェケの新譜も良かった(2014年ベスト候補?)。エチオピアはまだまだ面白い人がたくさんいそうなので、今後楽しみ。個人的に掘り下げていきたいところ。
コンゴ・ファンクの(3)、豊かな音楽性が魅力のアルゼンチンごった煮楽団(パリと行き来するパーカッショニストがリーダー)の(8)、ブラジル産ブラバンの(9)、フレンチ・エレ・ポップの(10)など刺激的な出会いが結構あり、世界には面白い人たちがたくさんいることを再認識した。他にまだしっかり聴けてないCDもあり、それは年初のお楽しみとしたい(気が向けばレビューもアップします)。ランク外となったがアジアやアラブにも好盤があったし、ワールドミュージック関連は今年も面白いことになりそうな予感。なおランクインした6枚はすべてエル・スール・レコーズで購入(今年もよろしくお願いします!)。

■ソウル/R&B/ファンク
日頃から熱心に聴いてるわけじゃないが、自分の波長と合った感じで、繰り返し聴けるものが多かったように思う。(1)は最新型R&Bというよりも、ロックやヨーロッパ映画音楽もぶち込んだハイブリッド・ポップの位置づけ。内容の良さは言うまでもないが、フルアルバム2枚目にしてようやく日本盤が出たのも嬉しかった(傑作1stは日本盤未発売のまま)。重量級ニューオリンズ・ファンクの(6)、パブロックテイストのUKソウル(7)(チェスレーベルの匂いもする好盤)など、高レベル盤に当たる確率が高かった。

■ロック/ポップス
珍しくランクイン作がなかったのに今更驚いた(前述(7)はこちらでもOKかもしれないが)。ただベテラン・ロック勢の佳作はそれなりにあり、特にポール・マッカートニー、エルヴィス・コステロ&ザ・ルーツらのイギリス勢が印象に残った。また購入時期が年末になってしまったので外したが、ポール・キャラックの新譜は内容が非常に良く、愛聴した(あまり日本では話題にならないのが残念)。次点としてぜひ挙げておきたい。

■日本人関連
毎年多くのアルバムがランクイン(もしくは別枠で10枚選出)するのだが、今回は(4)しかランクインせず。個人的にはちょっと面白いことになった。年を取るごとに味わいが増していく吾妻さん(たぶんこれからずっと好きでいるんだろうな)の他には、残念ながらベストテンに入れるほど愛聴したアルバムがなかった。(((さらうんど)))、一十三十一などは優れたシティポップだったが、キラキラした音が僕の気分にたまたまマッチしなかった。
僕の周辺では(Twitterなどの情報も含め)若手歌手・バンドを中心に割と盛り上がっていたような気もするが、僕自身のアンテナにはあまり引っかかってこなかった。理由はよく分からないが、自分のアンテナの向きが違う方向を向いていたのかもしれないし、自分の好みがまた変わりつつあることの兆しなのかもしれない。いずれにしても小手先で作ってみた類いのものではなく、幹がぶっといのを聴きたいなと。今年期待したいのはマンタ・レイ・バレエのフルアルバム。待望のデビュー・アルバムが、もうすぐ出るはず(だよね?)。



上記に載せたものも含め、次点的なものを挙げておきます。ご参考まで。

・PAUL CARRACK/Rain Or Shine
・PAUL McCARTNEY/NEW
・ELVIS COSTELLO & THE ROOTS/Wise Up Ghost
・TROMBONE SHORTY/Say That To Say This
・LORD MOUSE & THE KALYPSO KATZ/Go Calypsonian (LP)
・MOUSSU T E LEI JOVENTS/Artemis
・BOOM PAM/Manara & Summer Singles
・THE SOUL OF MAGNOLIA/Same
・LOS AMIGOS INVISIBLES/Repeat After Me
・(((さらうんど)))/New Age
・一十三十一/Surfbank Social Club
・冗談伯爵/ city line/bird man/雨あがり (CD-R Single)
・ASTER AWEKE/Ewedihalehu(→2014年候補?)



☆ベスト歌謡曲(シングル)

Nakanoaya_hotel  Amano_siosai

・なかの綾/ホテル(B面:ラヴ・イズ・オーヴァー) (7inch)
・天野春子(小泉今日子)/潮騒のメモリー (CD)

<コメント>
歌謡曲や80年代アイドルポップがマニア以外にも久しぶりに脚光を浴びた年だった。もちろん「あまちゃん」特大ヒットの影響が大きく、関連CDも出たり色々盛り上がった。小泉今日子と薬師丸ひろ子が年末の紅白で共演するなんて誰も想像できなかったし(上掲シングルはストレートな名曲)、これぞ昔の歌謡曲が持っていた正統派「お茶の間感」だと膝を打った。なかの綾はそれとは別のところにある「お水感」が魅力的だった(さすがは現役ホステス)。このシングルはサウンドの良さも相まって、両面とも何度も聴ける逸品だった。

きゃりーぱみゅぱみゅ、Perfume、ももクロ、AKB関連など、楽曲クオリティの高いアイドルもいるんだろうなとは思いつつ、どれも買わずじまい。世の中の過度なサウンド志向に対して、無意識のうちにどこか「歌」を求めてるからなのか?と思ったり(もちろん自分自身もサウンド志向なのは認めつつ)。職業作詞家・作曲家・編曲家チームがしっかり練って作った歌を聴きたいという欲求が自分のなかで高まっていて、往年の歌謡曲にあった輝きの源泉はやはりそこにあったんだろうと思うこと多し。そういうことにも関連して、個人的には『ラグジュアリー歌謡』が出たのも2013年の大きなトピックだった(ブログ関連記事)。



あと補足的につらつらと。

☆ベスト・ライヴ
・PAUL McCARTNEY @京セラドーム大阪(11/12)
(次点)MOUSSU T E LEI JOVENTS @心斎橋Conpass(9/27)
(別枠)国境の南マスター還暦祝ライヴ @渋谷gee-ge(10/19)

☆ベスト・アート(展覧会)
・「アンドレアス・グルスキー展」@国立新美術館
(次点:観た日順)
「マリオ・ジャコメッリ写真展」@東京都写真美術館
「ボストン美術館 日本美術の至宝」@大阪市立美術館
「北魏 石造仏教彫刻の展開」@大阪市立美術館

ベスト・ライヴは文句なしにポール!水も飲まずに歌って弾いて笑わせて最高にハッピーだった3時間。御年71歳とは思えない超人ぶり。また絶対来日してほしい。別枠で挙げたが、ポレポレバンドの再結成が個人的には本当に嬉しかった(アマチュアバンド最高峰)。マスター、今後ともよろしくお願いします。

あとベスト・ブックを選ぼうとしたが、選べるほど新刊を読めてないので見送り。新刊ではないが印象に残った本として、『ちょっとピンぼけ』 (ロバート・キャパ)を挙げておく。昨年が生誕100周年だったキャパだが、日本ではさほど話題にならなかったのが残念。この本はエンターテインメント性に富んで、とにかく面白い。写真や現代史に興味のある人はぜひ。

残念ながら、2013年も多くの方が亡くなった。島倉千代子さん、岩谷時子さん、J.J.CALEなど、、。特にLOU REEDが亡くなったのには非常にショックを受け、しばらく彼の音楽ばかり聴いて過ごしていた。そして言うまでもなく、年末ギリギリに飛び込んできた大滝詠一さんの訃報、、。これには言葉を失った。謹んで故人のご冥福をお祈りします。どうぞ安らかに。



ということで、長文に最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。気が向けば再発・発掘盤のオススメもアップできればと思います。

今年もいい音楽にたくさん出会いたいですね。そのためにはできるだけ動き回って、現場(ライヴ会場やレコ屋など)に足を運ぼうと思ってます。また自分の主催イベントもいくつか新たな展開を考えてますので、お楽しみに。本ブログももう少し更新頻度を増やしていきたいと思ってますので、今年もどうぞよろしくお願いいたします。

以上、皆さまの音楽生活の参考になれば幸いです。では、また。


秋のレビュー祭り(3) ブラジル発ファンキー・ブラバン

こんにちは。関西は10月にして真夏日となってますが(一体どうなってるんでしょうか?)、皆さまいかがお過ごしでしょうか。最近僕はすっかり「読書の秋」です。本屋に足を運んで色々物色するのが楽しくて仕方ありません。今までスルーすることの多かった理工系・建築関連にも面白い本を発見し、世界が拡がっていく感じですね。その分レコ屋に行く時間があまり取れてないんですが…。

さて引き続きワールドミュージック・レビューを。本盤も夏休みにエル・スールにてH店主にオススメされたCD。ズバリ好みの音で、すっかり愛聴盤になってます。ということで、よろしくどうぞ。



Ovoadora_fv
■ORQUESTRA VOADORA/Ferro Velho →オフィシャルサイト(こちら)で全曲試聴可

ブラジルの大所帯ブラスバンドのデビュー作(バンド名は「空飛ぶ楽団」という意味みたい)。これがもう、爆音で聴きたい快作!リオのカーニバルに出てたブラバン+パーカッション集団が母体になってる様子(クレジット記載の主要メンバーは15人)。肝になるのは全体をグイッと引っ張る低音担当のチューバ。これに太鼓隊が絡んで生き生きしたグルーヴを導き出している。とにかく管バス(=チューバ)ならではの弾むビート感が素晴らしい。

加えて、選曲の何でもあり感がタマリません(アルバム未収録ながら、何と日本のスペクトルマンまでやってます。アメコミ調の映像も最高!←YouTubeリンク参照のこと)。本アルバム全11曲の内訳はカバー7曲:オリジナル4曲。音楽的支柱と思われるチューバのTIM MALIKが主として書いているオリジナル曲もいい感じだけど、とりわけカバーに興味深い曲が多い。以下、カバー曲を列挙してみると。

(非ブラジル系・4曲)マヌ・ディバンゴ"African Battle"、フェラ・クティ"Expensive Shit"、スティーヴィー・ワンダー"Superstition(迷信)"、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン"Know Your Enemy"。
カメルーン、ナイジェリア、アメリカの有名どころが並ぶ。個人的には特にフェラ・クティとスティーヴィーのが盛り上がるが、レイジは意外なセレクトで少しメタリックな感触もあり唸った。ロックギターのリフは結構ブラバンに合うと思うんで、ぜひ色々トライしてもらいたい。

(ブラジル系・3曲)ロベルト・カルロス"Todos Estao Surdos"(カエターノとも縁深いブラジル歌謡界の帝王。間奏でジョルジ・ベン"Ponta De Lanca Africano(Umbabarauma)"のフレーズも挟み込まれる)、セコス&モリャードス"Amor"(鬼才ネイ・マトグロッソ率いるブラジリアン・サイケ〜グラム・ロック・バンドの1st収録曲。オリジナル盤は激レア)。ムタンチス"Top Top"(ブラジル好きにはお馴染みムタンチス4thより。ムタンチス/リミーニャ作のポップ曲)。こちらは結構渋好みの選曲だけど、ホントどれもいい。興味を持った方はぜひオリジナルもあわせて聴いてほしい。



ただ音や言葉よりも、映像の方が彼らの魅力がダイレクトに伝わると思うんで、ぜひ以下の動画リンクを見てください!ホントに楽しいッスよ〜。

これを見るといちばん魅力が伝わるかも。パリの街を練り歩き(監督:ヴィンセント・ムーン)。音もいい!
これは盛り上がる!上述フェラのカバー。それにしてもこの人の多さ!
これも最高!上述スティーヴィー「迷信」のカバー。
これもカッコイイ。上述レイジのカバー。
これはアルバム未収録。WARの"Low Rider"。いいッスねー。



ブラスバンドと言えば、まずこのORQUESTRA VOADORAに直結する雰囲気を持つDIRTY DOZEN BRASS BANDなど、ニューオリンズ産のファンキーな楽団を思い出す。と同時に、'91年に発売された19〜21ユニバーサル・バンド「ブラスは世界を結ぶ」というブラスバンドのアルバムのことも。後者は20年以上経った今聴いてもふくよかで温かい、まろみのある音が素晴らしい傑作である。

このアルバムは19世紀後半まだジャズが生まれる前、世界中に散らばっていたブラスバンドの音(世界音楽)を現代の感覚で蘇らせた素晴らしい試みだった。故・中村とうよう氏、田中勝則氏、エンリッキ・カゼス氏らによる日本とブラジルの合同プロジェクトで、日本からはコンポステラが演奏に参加していた。今回紹介したORQUESTRA VOADORAがブラジル出身なのはもちろん偶然だが、その巡り合わせにちょっと驚いた。

20世紀に各地で花開いたポピュラー音楽の原型のひとつである19世紀型のブラスバンドが、1世紀飛び越えて世界で流行し、閉塞した21世紀の音楽シーンを活性化させたら面白いかも。もしかしたら、大友良英&「あまちゃん」スペシャルビッグバンドがその端緒かも?などと夢想したり。難しいことは抜きにして&話は戻って、このORQUESTRA VOADORA、ブラバン好き、ビッグバンド好きはもちろん、ニューオリンズ・ファンクやアフロビート好きにもオススメ!今いちばんライヴを見たい、というか、ぜひ楽団の後を一緒に練り歩きたい人たち!



思わず長文になりましたが、ホント、世界は広し。色んな面白い人たちがいます!まだまだ探求の旅は続きますが、次回また早めにお目にかかりましょう。

以上、皆さまの音楽生活の参考になれば幸いです。では、また。

僕の好きな「ラグジュアリー歌謡」

こんにちは。このところ暖かい日が続いてますね。この陽気で家の庭の紅梅も一気に満開になりました。「お水取りが終われば奈良に春が来る」と言われますが、今年は3/14の終了を待たずに春がやって来そうな勢いです。色々と大変なこともある毎日ですが、できるだけウキウキ気分でアクティブに過ごしたいものです。



Luxurykayo

さて、また久々の更新ですみません(月イチじゃなく、ホントは週イチくらいのペースにしたいんですが…)。

先月発売された「ラグジュアリー歌謡 (((80s)))パーラー気分で楽しむ邦楽音盤ガイド538」(監修:藤井陽一)が、今までにない切り口のディスクガイドだとTwitter等でかなり話題になってました。Amazonでも一時は品切れだったりと、売れ行き好調の模様です。パラパラ眺めるもよし、じっくり読んでもよしと、ビジュアルとレビュー(読み物)がしっかり両立してるのもポイント高し。洋楽にインスパイアされた80年代歌謡曲を軸に、見た目も音もポップで高品質な好盤がびっしりと紹介されています。

僕が直接関わった本ではないのですが、行きつけのナカレコ2号店さんスタッフ両名が執筆されており、制作段階からいろいろ話を聞いていたのでとても感慨深いものがあるのです。ということで、少し遅れましたが、刊行記念の勝手企画「僕の好きな『ラグジュアリー歌謡』」と題し、さらに盛り上げちゃいましょう!ちなみに本に掲載されている盤は外してセレクトしています(僕の愛聴盤もたくさん載っていて泣く泣く外しました…)。では、よろしくどうぞ。



Hiromic_hollywood  Soap_kissagain

Seri_martinet  Fsatomi_sambo

Toshi_tokyobeat  Yhiroko_hearts

(本に近づけたセパレートタイプのレイアウトにしていますが、読みづらかったらスミマセン)



■郷ひろみ/ハリウッド・スキャンダル → YouTubeリンクはこちら

ラグジュアリー歌謡と聞いてすぐイメージしたのがこれ。'78年9月21日にリリースされた郷ひろみ28枚目のシングル。ヒロミックにはシングルだけでも数多の名曲あるけど、たぶんこれがいちばん好き。作詩:阿木燿子、作曲・編曲:都倉俊一と、プロによる仕事は聴きどころ満載(特に歌詞、ホーンアレンジなどお気に入り)。それに全くひけを取らないヒロミックの存在感も素晴らしい。個人的には70年代ラグジュアリー歌謡の最高峰。とろけます。



■SOAP/Kiss Again → YouTubeリンクはこちら

お次はマンハッタン・トランスファー的(サーカス的?)なコーラスグループ。'81年に発売されたシングル「愛のTake Off」(日本航空イメージ・ソング)のB面。爽やかで流れるようなメロディ、コーラス、そしてスキャットが最高。ギター・カッティングなど歌謡曲というよりはシティポップ〜フュージョン寄りではあるけど。こういう大人の男女混声グループ、また出てきてほしいなぁ。作詩:山川啓介、作曲:有沢孝紀、編曲:萩田光雄。



■石川セリ/Martinet(マルチネ…雨燕) → YouTubeリンクはこちら

時代的に「ラグジュアリー歌謡」の核となっている80年代半ばへ。これは'84年6月1日発売のシングル「キ・サ・ラ恋人」のB面。ともに同年12月1日発売のアルバム「Femme Fatale ファム・ファタル」収録。クレプスキュール直系、ヨーロピアン・テイストのアコースティック・ボッサ。アンテナ好きにはど真ん中でしょう。作詞・作曲・編曲:かしぶち哲郎。バックを務めるのはムーンライダーズ。今聴いてもまったく古びないアレンジにゾクッとする。ずばり名曲。



■福永恵規/Blind Summer ~やさしい誤解~ → YouTubeリンクはこちら

おニャン子クラブの時代へ。会員番号11番の彼女、おニャン子初期メンバーながら地味な存在で、ソロデビューは他の人気メンバーたちの後塵を拝する形となった。当時僕は会員番号16番・高井麻巳子のファンだったこともあり、福永ソロ曲はまったくと言っていいほど記憶にない。去年ふとしたきっかけで彼女の中古CDを入手したところ、この曲がすっかりお気に入りになってしまった。おニャン子最終期にほど近い'87年7月5日にリリースされた2nd(そしてラスト)アルバム「SAMBO」収録(シングルリリースはなし)。作詞:麻生圭子、作曲:村田和人、編曲:西平彰。男女のデュエット曲で、男性パートは村田氏自身が歌っている。まどろむような夏の午後に聴きたいボッサ風メロウ。こういう曲があるからアイドル歌謡は侮れないな!と強く感じた想い出の曲。



■田原俊彦/宝の山 → YouTubeリンクはこちら

トシ=80年代最強のラグジュアリー男。それを実証するのがこの曲。'89年5月17日発売、16枚目のオリジナル・アルバム「TOKYO BEAT」に収録。ワシントンD.C.の黒人コミュニティで産まれたGo-Goを取り入れたダンスビート歌謡傑作。シンコペーション・ビートがカッコ良すぎる。作詞:松本一起、作曲:羽田一郎、編曲:キタロー&羽田一郎、コーラス・アレンジ:吉川智子。なおこちらのリンクでは同アルバム収録の「どーしようもない」「TOKYOビート」が続いてプレイされるが、ソウルフルで素晴らしい。この時期のトシは向かうところ敵なし。偏見を持たずに聴いてみるべし。アルバムレビュー(傑作多し)はまた追々。



■薬師丸ひろ子/Antique Clock → 動画リンクなし(残念…)

締めは90年代初頭、角川映画を離れてからの薬師丸さん。彼女の歌というと、どうしたって80年代の映画絡みシングル(名曲揃い!)を真っ先に浮かべてしまうが、それ以降も佳曲あり。これは'90年3月28日発売のアルバム「Heart's Delivery」に収録されたミディアム・ポップ。2年前に別れた男性のことを今でも想っている女心と喫茶店の隅にあるアンティーク時計とがうまく歌に織り込まれている。彼女の清涼感ある歌声が本当に素晴らしく、女優だけでなく歌手としても希有な存在であることを再認識。作詩・作曲:平松愛理、編曲:船山基紀。バックを固めるのは今剛(g)、松原秀樹(b)らの豪華布陣。



こんな感じで。ザッと選んでみて思ったのは、自分なりの「ラグジュアリー歌謡」(的なもの)を見つけるのはとても面白いということ(機会があれば続編もアップします)。もちろんごく普通の楽しみ方としてこの本を片手にレコ掘りするのもいいと思います(僕も掲載盤で欲しいのを探そうと思ってますし)。

ただ個人的により大きかったのは、この本によって、未知の盤への好奇心や挑戦心をかき立てられたことです。そういう意味でも、とても刺激に満ちた力作だと思います。歌謡曲好き/アイドル好きはもちろんマストですが、音盤に対する色んな捉え方を楽しめるため、多くの方にオススメしたいです。

以上、皆さまの音楽生活の参考になれば幸いです。では、また。


雑感

自宅療養中につき、のんびり音楽聴いたりしてます(今日はLittle Walter, Dave Mason, Mod Jazzコンピ, Local Funkコンピなど)。今回の件では色んな方からお見舞いメールなどいただき、ありがとうございました。アクティブに活動するのはもう少し先になりそうですが、面白いイベントなどあれば、ぜひお知らせ&お誘いください。

さて今日は小ネタをいくつか。早速、どうぞ。



日経朝刊「私の履歴書」がスゴイことに。今月の執筆者は女優の有馬稲子さん。こんなの書いていいの?と思うような某巨匠監督との生々しい不倫話とか出てきて、朝から強烈です(既に有名な話ではあるんでしょうけど)。あと有馬稲子さんの昔の顔がはっきり思い出せず検索してみたら、やっぱり綺麗でした(こちらこちらこちら参照)。それにしても、昔の女優さんはホントに綺麗な人が多いですね。



レコードコレクターズが今月からリニューアル。文字が大きくなったり、レイアウトなど相当刷新された印象(まだちょっと慣れないですね…)。サラッと読んだ限りでは、情報量よりも質というか切り口・語り口に重心が置かれている感じ。この方向性は歓迎したい。以下、いくつか感想を。

・「洋楽マン列伝」「American Rock Lyric Landscape ~ロックの歌詞から見えてくるアメリカの風景」といった新連載が面白い。今後さらに読み応えあるものになりそうな予感。

・後ろから読むページ、アーティスト別のリリース情報は見やすい。ただ、レビューのページはどうもレイアウトがしっくりこない。やっぱ今までのに慣れてるからなぁ。

・巻頭特集「リイシューCDの25年」を興味深く読む。最近聴いてないボックスものなど、改めて聴き直そうと思ったり。今回はロック編だけど、そのうち出てくるだろうソウル編やジャズ編も楽しみにしたい。


Dylan_choco   Dylan_choco2   Dylan_choco3
ボブ・ディランとチロルチョコのコラボ、何とAmazonで発売開始!ライヴ会場で入手できなかった方には朗報(こちらでも少し触れたけど、僕は行列に並ぶ気力なく、スルーしてしまいました)。う〜ん、これはやっぱり欲しいッスね。



ジョー・ヘンリーの来日公演はやっぱり良かったみたいで。よせばいいのに、こちらこちらのライヴ・レポートを読んで悔しく思ったり(後者にはセットリストもあり)。もともと年度末で場所が京都のため行くのは難しかったんだけど(しかも予想外の緊急手術で、どうやっても行けなかったんですが…)、やっぱり行きたかったなぁ。ぜひ再来日を!



今回はつらつらと雑記調でしたが、近いうちにオススメCDレビューをアップする予定です。お楽しみに。

[CD] 最近のオススメ(春分version)

桜は咲き始めてますが、まだまだ寒いですねー。今回は最近の雑感から。

まずは城島。格の違いを連日見せつけてくれた(今日は負けたけど…)。打つ方は6番で気楽にやってもらって、彼には投手陣の立て直しに注力してもらいたい。とにかく、阪神に来てくれて感謝!



次はギャラクティック。こないだの金曜、心斎橋クラブクアトロのライヴへ。予想通りのカッコ良さ、グルーヴ感溢れる演奏に大満足。コリー・ヘンリー(トロンボーンfromリバース・ブラス・バンド。サングラスがカニエ風・笑)、シリル・ネヴィル(彼が入ると何とも香ばしい感じになるのはサスガ)といったゲスト陣もバンドにしっくりハマってた。ラッパーが3名参加していた前回よりも、間違いなくバンドとしてのまとまりがあった。

メンバー全員が良かったけど、やはりスタントン・ムーアが最高!アンコール前までの2時間叩きっぱなし(ちなみに顔はエルトン・ジョン似・笑)。ここで来てほしいと思ったところにスコーンと入るドラムを再び体験できて感激の一夜に。また早く来てほしいなぁ。ところで、国境マスターは東京公演に行ったんでしょうか?



最後はボブ・ディラン。いよいよ日本公演もあと明日の東京を残すのみ。ライヴの余韻に浸りながら、改めて彼の旧作・近作を引っ張り出してきたという方も多いのでは?来日にあわせて刊行された『ボブ・ディラン・ディスク・ガイド『ボブ・ディランのルーツ・ミュージックといった本を参考にしながら、深い世界をじっくり楽しむのもまた一興かと。

僕はあわせて"Anthology Of American Folk Music"(6枚組で値は張るけど、やはり基本アイテムでしょう)や、関連するミュージシャンを聴き返したりしてます。こういう行為がまた楽しく、広い音楽的裾野・背景も含めてオイシイのがディランだよなと、改めて感じ入った次第。



さて前置きが長くなりましたが、最近買ったCDのレビューを。

Ccd_genuine
CAROLINA CHOCOLATE DROPS/Genuine Negro Jig

上述ディランつながり、アメリカン・ルーツつながりでオススメなのがこのキャロライナ・チョコレート・ドロップス。印象的なジャケットに惹かれタワレコで試聴→購入した一枚。最近あまり見かけない黒人3人組のオールドタイム・ストリング・バンド。バンジョー、フィドル、ジャグ、カズーといった楽器が入った音楽が好きなら気に入ると思う。

リリースはノンサッチ(プロモ映像はこちら)、プロデュースはまもなく来日するジョー・ヘンリー(色んな仕事してますね)と聞けば、触手が動く方も多いだろう。オールドタイム/アコースティック・スウィング好きだけでなく、ジョー・ヘンリーの関連作が好きな方にもぜひ聴いてもらいたい。伝統曲が半数を占めるなか、トム・ウェイツのカバーがあるのも面白い。この辺が新世代っぽい?

しかしこれ(↓)見たら、絶対ライヴ行きたくなるよな。







Lackofafro
LACK OF AFRO/My Groove Your Move

お次もタワレコで試聴し気に入った一枚。イギリスから面白い新人バンドが登場かと思ったら、マルチ・プレイヤー/DJ/プロデューサーとして活躍しているアダム・ギボンズによるユニットの2枚目、とのこと(タワレコのレビュー参照)。今まで知らなかったこのラック・オブ・アフロ、相当カッコイイっすよ。歌心あるジャズファンク、クラブライクなロックが好きな方はぜひ。

音的にはメロウ&ファンキー、ブレイクビーツもありと、結構多くの人にヒットしそう(でもちゃんと引っ掛かりはある)。個人的にはヒップホップ以降を感じさせる感覚と雑多な音楽性が魅力的。モータウンなどのソウル風味もあり、やはりその辺はイギリスというお国柄かも。と考えていたら、ふと「黒さ不足」という名前はブルー・アイド・ソウルの宣言でもあるのか、と膝を打った次第。今後要注目。



以上、皆さまの音楽生活の参考になれば幸いです。では、また。

90年代日本のロック/ポップ名盤ガイド

オリンピックも日本勢がメダルを取ると、やっぱり盛り上がりますね。あと予選リーグ総当たりのカーリングは、観る時間が長くにつれ感情移入の度合いも高くなってます。ぜひ頑張ってほしいッス。

さて今日は、久々に音楽本の紹介です。



Thegroovy90s
「THE GROOVY 90'S」(ミュージック・マガジン3月増刊号)

http://musicmagazine.jp/published/mmex-201003g90s.html

これは90年代日本音楽の回顧本であり、かつ今聴いても(たぶん)面白い音楽を集めた本。昨日入手してからというもの、すっかり90年代にハマってます。

正確には、本自体はまだちゃんと読めてないけど、ここに掲載されている(もしくは関連する)CDを色々引っ張り出して楽しんでるところです。間もなくライヴ復活のオザケンや、最近自分の中で再評価モードに入っていたオリラヴや、その他もろもろ。

同時代的なもののなかでは、やっぱり世代的にこの辺が刺激的だったなぁと(執筆陣も同世代多し)。もちろん僕が音楽に目覚めた80年代や進行形の21世紀にも面白いのはたくさんあるけど、ヴィヴィッドに色んな想い出が蘇ってくる90年代の方が思い入れが強いかもと思ったり。音楽的にもレコ屋的にも色んな面白い動きがあったし、自分も色々動き出した頃だったし。

「心の扉を叩く」名盤や「心のベストテン第1位」候補をあれこれ聴く楽しさ。単に懐かしむだけじゃなく、聴き込んだCDに新たな発見のある驚き。これはしばらく抜けられそうにありません。

※1年ほど前、90年代ロックベスト25その補足を書いてますので、よろしければご覧ください。

「BIOMBO/屏風 日本の美」展ほか

先週日曜、大阪市立美術館「BIOMBO/屏風 日本の美」展を見に行ってきた(12/16まで開催中)。先日見た京都の狩野永徳展(こちら参照)と違って人も少なく(それでもぼちぼち入ってたけど。あくまで比較の問題)、ゆったりと見ることができて幸せな気分に浸れた。やっぱりこれくらいの余裕がないとね。前後半で入れ替えが結構あるため、もう一回行こうかと画策中。以下、特に気に入ったものを列挙すると。

*泰西王侯騎馬図屏風(サイズがでかく、惚れ惚れ。エチオピア王の姿も)
*レパント戦闘図・世界地図屏風(前者はレパントの海戦、後者には人魚も)
*豊国祭礼図屏風(輪になった民衆の躍動感)
*柳橋図屏風(色も渋く、スタイリッシュ。現代でも十分通じるデザイン感覚)
*四季折々の風俗画(特に田植え・収穫など農作業の風景があるもの)

事前に想像していたよりも非常に見応えがあり、大満足。とりわけ上の二つは、日本+異国(日本画+洋画、屏風+異国の人・物・事)のB級的な混ざり具合が抜群。南蛮屏風(後半で展示。見たい!)にも通ずるエキゾチシズムとともに、本物にはなり切れない「えせっぷり」がたまらなかった。これはラテン歌謡などの「まがい物」が好きな音楽の趣向にもつながってるんだろうなと思ったり。また僕自身が最も興味のひかれるポイントは、異文化が交差するところ(誤解や曲解も含め)にあるんだなと再認識したり。屏風そのものの素晴らしさに加え、そんな自分の立ち位置を確認できたことも有意義だった。



当日は文庫本も久々に購入。まず古本屋で「果実酒入門」(カラーブックス)を。美術館では「江戸商売図絵」を。特に後者はすべて図入り、600ページ超の労作。衣食住、薬、芸能などに加え、物貰いや季寄せに関する仕事も紹介されている。昔は色んな商売があったんだなーと(今でも残っているものもあるが)、パラパラめくって楽しめる一冊。「わいわい天王」「すたすた坊主」「親孝行」という仕事(笑)が、どんなのか気になる方はどうぞ。



江戸/芸能つながりで言うと、落語特集の雑誌も買ってたっけ。サライ「続・落語入門」、男の隠れ家「落語を愉しむ」がそれ。喜んで買ってきたはいいけど、ゆっくり落語を愉しむ余裕がないんだよなぁ…。何とか時間を捻出したいとは思ってるんだけど。寄席にも行きたいしね。



日記をご無沙汰してるんで、最後にちょっと近況報告。つい最近新しく始めたことがあって、平日も休日も結構忙しくしてます。以前に比べてまとまった時間が取りにくくなってるんですが、細切れの時間で何とか音楽聴いたりしてます。日々忙しいけど、楽しくやってます。ホントありがたいことです。


東京物語(8/16)

多忙につき更新遅々として進まず。すいません。何とかこの連休で頑張ります。いつの間にか一ヶ月も周回遅れに(汗)



東京ステイ中日。朝ご飯を食べてたら、以前勤めていた会社の先輩(兼DJ仲間)から電話あり。突発的な事情により、残念ながら今日のDJイベントには参加できなくなったとのこと。その代わり、会社近くでランチをすることに。久々に元の会社へ行くと、受付の雰囲気がちょっと変わってた。お盆で少し暇だということもあり、1時間半ほどゆっくりと昼ご飯。仕事に関する話を中心に。きちんと考えを持って仕事をしている人の話は学ぶべき/共感できるところが多い。有意義な時間だった。

とにかく暑いので、カフェで一休みしてから、一旦ホテルへ避難。TVを見ながらしばし休憩。なんでも岐阜・多治見と埼玉・熊谷では史上最高の40.9℃を観測したらしい。どうりで。

イベントの前に、幼馴染みのお宅に訪問。彼とはたまに田舎で会ってるけど、奥さんとは相当久しぶりだったし、お子様とは初対面。クラシックギターの練習成果を聞かせてもらったあと、ずっと本の話。マンションからは話題の某有名人宅が見えた。

時間が迫ってきたんで、国境の南へと向かう。途中ブックファーストに寄り、新書を2冊購入。「安心社会から信頼社会へ」と「旅芸人のいた風景」。前者は先ほど会ってた友人にオススメされたもの。

7時頃、国境の南に到着。イベント開始までマスター、ヘルプに入ってたNちゃんと談笑。ぼちぼち人も集まってきたので、DJを始める。いつの間にか多くの友人、お店の常連さんなどでお店は満員御礼。すっかりいい気分で好きに音楽かけさせてもらいました(いつものことですが)。この曲何ですか?と聞いてきた外人男性お二方が、実はとても著名な方だと後で知って驚いたり、かなり趣味の合いそうな人と新しく知り合ったり。そんな楽しい夜でした。6時間以上に渡り、盛り上がった宴も深夜2時半頃お開きに。僕はと言えば、2時くらいから半分寝てたような気がしますが…。



さて遅まきながら御礼。急なお知らせにもかかわらず、たくさんの方に来ていただき、本当にありがとうございました。DJsもお疲れさまでした。今回も色んな人に会えて、ホント楽しかったです!お盆につき旅行などで来られなかった人、またお盆だけど仕事の都合で来られなかった人、上京したらまた声かけますんで、ぜひよろしくお願いします。


[Diary] 7/22

TVで久々に喜味こいし師匠(夢路いとし喜味こいしの弟さんの方)を拝見する。少しだけだが、いとしこいしの昔の漫才を見ることができた。さすがは名人、今見てもめちゃ面白い。間の取り方やお二人のキャラの対比に何とも言えない味があるよな。



元々は児童向け図書である「非・バランス」(魚住直子さん・講談社文庫)を読了。小学生の時に受けたいじめが原因で、中学では友達を作らずクールに生きていくと誓った女の子「私」。人知れず悩みを抱えたOLのサラさん(こちらの記述にもグッと来る)や同級生と出会うことにより、過去と決別して新たに自分の居場所を見つけていく再生の物語。

ハイライトと言える緑のレインコートのくだりはホントに爽快。また、陰湿な抵抗が、実は自分や自分の大切な人をも傷つけてしまうという辺りには思わず唸ってしまった。子供向けというよりもむしろ、人間関係・仕事でお悩みの大人にこそ読んでほしい作品です(薄いのですぐ読めますし)。オススメ!