[SMH-CD] k.d.lang / Hymns Of The 49th Parallel
February 14, 2010
今日の昼に観た上村愛子選手は惜しくも4位でしたが、選手の皆さん、悔いのないよう全力を出してください。そして、とにかく無事で(グルジア選手の訃報、お悔やみ申し上げます…)。
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開会式も生放送で観ましたが、自然の描き方など見応えがあって良かったです(オリンピックの開会式をちゃんと観たのは久々だったかも)。最後、聖火台の脚が一本出てこなかったのは残念でしたが…。
その開会式にブライアン・アダムス、ネリー・ファータド、サラ・マクラクランといったカナダ出身の有名歌手が出てましたが、やはり個人的に嬉しかったのは、ジョニ・ミッチェルの名曲"Both Sides Now"がかかったことと(残念ながら本人は出ず)、k.d.ラングがレナード・コーエンの名曲"Hallelujah"を生で歌ったことですね。
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ということで前置きが長くなりましたが、約4ヶ月ぶり久々の「私的名盤アワー」をお届けします。第9回目は冬季オリンピック開幕記念、前述の"Hallelujah"カバーを収録したk.d.ラングの秀逸なカバーアルバムです('04年リリース)。
本盤はカナダ出身の彼女がカナダ出身のSSWの曲をカバーしたもの(「北緯49度の賛歌」というタイトルはアメリカとカナダの国境線に由来)。数々の名曲が彼女の歌により新たな息吹を与えられており、シンプルで美しい作品集に仕上がっている。最近のカバーアルバムには安直な企画が多いが、これは本当にオススメできる逸品。カナダ出身のSSWって言われてもよく分からないという人にもぜひ聴いてもらいたい。
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収録曲をざっと挙げると、ニール・ヤング"After The Gold Rush","Helpless"、ジョニ・ミッチェル"A Case Of You","Jericho"、ブルース・コバーン"One Day I Walk"、そしてレナード・コーエン"Hallelujah","Bird On A Wire"(2曲とも素晴らしい出来)といった具合。SSW好きには今更言うまでもない名曲がずらりと並ぶ様は壮観。
そんな中、ロン・セクスミス"Fallen"(今年でデビュー15周年の彼もこの中では若手)や、ジェーン・シベリー"The Valley","Love Is Everything"(このアルバムを聴くまでまったく知らなかった人)といった比較的地味な人たちの曲が印象に残る。これは原曲の印象が薄い分、k.d.ラングの歌唱が響いてくるということなのかもしれない。なお本盤にはデオダートがストリングス・アレンジャーとして参加していることも興味深い。
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見る角度によって色が変わるジャケもとても綺麗で、内容含め作品としての完成度は非常に高い。我らが国境の南マスターが日記でブルース・コバーンの名盤「雪の世界」(前述"One Day I Walk"を収録)を取り上げていたのと同様、冬になると聴きたくなる一枚。凍てつくカナダの大地に想いを馳せながら聴いていると、じわっと心が暖かくなってくる。この素晴らしい企画の第二弾をぜひ期待したいところ。
収録されている元曲が無性に聴きたくなり、この週末はジョニ・ミッチェル、ブルース・コバーンなどを引っ張り出して聴いていた。やっぱりカナダの歌手はいいなぁと。オリンピックとの合わせ技で、すっかりカナダ三昧の休日に。
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k.d.ラングに話を戻すと、ちょうどデビュー25周年記念のベスト盤が出たばかり(僕はまだ買ってませんが、DVD付きの豪華盤を入手したいところ)。これを機に彼女の軌跡を辿ってみたい方にはとてもタイムリーかつ便利かと。しかし、件の開会式でのラングさん、かなりごつくなっててビックリしたなぁ(苦笑)
以上、皆さまの音楽生活の参考になれば幸いです。では、また。