【ナツカヨ】夏を彩る歌謡曲

こんちわー。毎日暑いですが、いかがお過ごしでしょうか。気付けば2ヶ月ぶりのご無沙汰ですね。あいすみません。。

先日ナカレコさんで開催されたナツカヨ特集(=毎年この季節に開催されている夏に聴きたいうた/歌謡曲特集)、いつも楽しみにしている僕は初日に駆けつけ、良(涼)盤を何枚かゲットしました(僅差でゲットできなかったのもありましたが…)。今年も大好評だったようで(今年の特集ページはこちらこちら。店内の様子はこちら)、週明け早々めぼしいモノは既に売り切れ、3日目に伺った際はもう終わった感がありました(早い!)。それだけ楽しみにしてた方が多いという証拠でしょうね。

さてこれからが夏本番、日本の暑い夏を乗り切るにはやっぱ「ナツカヨ」でしょ!ということで、ナカレコさん完全便乗企画「ナツカヨ・ジャッキー編」をドドンとお届けします。もちろん本家承認済み!では、よろしくどうぞ。



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■香坂みゆき/夢で逢えたら →YouTubeリンクはこちら

まずは名曲のボサノヴァ・カバー(作詞・作曲:大瀧詠一、編曲:川村栄二)。今はすっかり女優/タレントのイメージが強い彼女、元はアイドル歌手だった。これは歌手としての最後期にあたる'91/4/21リリースのカバー・アルバム「Cantos 1」に収録された涼感あるボサノヴァ歌謡。ただブラジルの健康美というよりはヨーロッパの退廃美を投影したような感じで、ムーンライダーズ的と言えるかも?(以前書いた石川セリの記事参照ください→こちら)。エアコンの効いた部屋の水槽の中をフワリと漂うような人工的冷ややかさがクセになる。吉田美奈子(オリジナル)、シリア・ポール、サーカス、土岐麻子など多くの歌手に歌い継がれている名曲だけど、このカバーも秀逸。松下誠(g)、浜口茂外也(per)などの強者がバックを固めているのもポイント高し。

このアルバムには「あの日に帰りたい」(荒井由実)、「どうぞこのまま」(丸山圭子)、「ジェントルレイン」(豊島たづみ)など女性SSW曲のカバーも収録されており、軒並み粒ぞろい。現在廃盤みたいだけど、聴くごとに味わい深い好盤につき、中古で見かけたらぜひ購入を。ちなみにこのカバー・シリーズは3枚出ており、他の「Cantos 2」「Cantos 3」はしっとりジャジーな印象。こちらもいい曲があるので機会をみて紹介できればと。



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■中山美穂/白い砂のラ・メール →こちらでアルバム試聴可(動画なし)

次もアイドルから女優へと移行したひと、中山美穂。個人的には80年代のトップアイドル期の印象が(楽曲的にも)強烈だったせいか、90年代も歌手と女優業をしっかり両立してやってるのをここ数年で知って意外に思った。しかもいい曲が結構あって二度ビックリ。上記、香坂みゆきがインドアなら、こちらは陽光が降り注ぐアウトドア・ボッサ。心地よい風を感じる佳曲。海外旅行滞在先ホテルの名前入りエアメールという小道具も、インターネット普及前の時代を感じさせて雰囲気。作詞:松井五郎、作曲・編曲:崎谷健次郎。'90/7/18発売の12thアルバム「Jeweluna」より。

アルバム中で他には、何と本人が作詞作曲を手掛けた「そしてその夏」(作詞・作曲:中山美穂、編曲:十川知司)がトロピカル度高いナツカヨでオススメ。時代的・楽曲的にはズークあたりとリンク。



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■中山美穂/Crazy moon →こちらでアルバム試聴可(動画なし)

次もミポリン連投で(結構いいアルバム多いんですよ!)。ボサノヴァに続いてはエキゾ・ラテン。'91/3/15発売の13thアルバム「De eaya」より。「でいいや」という日本語をスペイン語風に表記したというタイトルの由来からも分かるように、無国籍をテーマに制作されたアルバム。ここからクセになるラテン曲をセレクト。作詞・作曲:大貫妙子、編曲:ATOM(=井上ヨシマサ+久保幹一郎のユニット)。クレジットを見て、ラテンで大貫妙子というのはちょっと意外だった。この曲はゆったりしたビート、ラウンジーなピアノ、軽やかに響くフルートなど、ヒップホップを通過した南国風味のアイドル歌謡といった具合で、ホント素晴らしい。21世紀の今こそ聴かれるべきグローカル・ビーツというのは言い過ぎか?

アルバムには他にも、サンディー的なワールドミュージックというか、無国籍感覚ポップというか、そんな感じのいい曲あり。例えば「MANA」(作詞:上田知華、作曲:井上ヨシマサ、編曲:ATOM)は、ボ・ディドリー製ジャングル・ビートと南国エキゾが合体した、かなり手の込んだ無国籍ポップ。とてもアイドルのアルバム曲とは思えないほどのクオリティ。彼女には他にもいい曲・いいアルバムあり、こちらも折を見て紹介できればと。ところで、キーパーソンの井上ヨシマサって一連のAKB楽曲を手掛けてるひとだったんだと最近知ってビックリ。完全スルーのAKBにもナイスなナツカヨがたくさんあったりしてね。。さすがにそこまで追うと、キリがないけど(笑)。



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■東京パフォーマンスドール/DOUBT ~きょうの貴方はよく喋る~
 →YouTubeリンクはこちら (6:30過ぎくらいから)

次はアイドル冬の時代に活動した彼女たちを。篠原涼子、市井由理、穴井夕子らを擁したアイドルグループで、当時僕も存在は知ってたけど彼女たちの曲は聴いたことがなかった(本アルバムと同時期にリリースされ大ヒットする篠原ソロ、EAST END × YURIはもちろん知ってたけど)。1,2年前ふと思い立ち中古CDを入手して聴いてみたところ、そのクオリティの高さにビックリした次第。この曲は'94/8/1発売の9thアルバム「NEVER STOP: Cha-DANCE PARTY VOL.9」より。夜の高速ドライヴィンにピッタリのアーバン・ラグジュアリー歌謡(作詞:前田たかひろ、作曲:エース清水、編曲:杉山卓夫)。エース清水ってもしや、と思って調べたら聖飢魔Ⅱの人で、またビックリ!歌うのは八木田麻衣、米光美保、木原さとみの3人。歌も上手いし、声もいい。気持ちいいコーラスに乗せたフリーソウル風アレンジとキーボード・ソロ(ビブラフォンに似せた音色)がタマリません。

アルバムからもういっちょ。こちらは、夏!海!恋!というわかりやすい陽性イケイケサマーソングな「夏のススメ -Summer Vacation-」(リンクはこちら)。メンバー全員が歌ういかにも90年代的ゴージャス感あるダンス仕様ファンキーチューン。ギターが芳野藤丸と聞けば触手が動く方もいるだろう。化粧品とか日焼け止めのCMで使われてそう。中国語ヴァージョンもあり(リンクはこちら)、結構いい。時代的に損をしてるのかな?という感じの彼女たち、まだいい曲がありそうなんでアルバム中心にもう少し掘り下げてみたいところ。



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■内田有紀/恋愛セラピスト →YouTubeリンクはこちら

ナツカヨ最後は京平先生で締め。内田有紀の1stアルバム「純情可憐乙女模様」('95/2/8発売)より。ゆるりとしたいい感じのレゲエで、ズバリ"No Woman, No Cry"歌謡(作詞:泉麻人、作曲:筒美京平、編曲:藤井丈司・佐橋佳幸)。「悩まない女はいない」けど、ケセラセラだよ、と歌うお気楽さが気持ちいい。そう言えば、デビューシングル「TENCAを取ろう! ー内田の野望ー」('94/10/21発売。アルバムとともにオリコン初登場第1位獲得)もお気楽レゲエ調だったなぁ。当時の流行り?それとも京平先生の好み?

あとアルバムラスト曲「NEVER ENDING PARTY ~アリガトウ バージョン~」(作詞:工藤哲雄、作曲:坂下正俊、編曲:大竹徹夫・坂下正俊・武部聡志)がナイスなポップ・ジャズ歌謡なんだけど、1分半しかなくてホント残念。あればぜひフルヴァージョン聴きたいです。



以上、女性アイドル/女優/タレントの顔を持つ人たちばかり(しかも90年代のCDのみで)集めてみました。意外とこの辺の人たち・時代は見過ごしがちなのでは?予想以上にいいナツカヨありますよ。おそらく香坂みゆき以外は、安価で中古CD入手できると思いますので(ブック○フなどでは投げ売りコーナーでしょ)、もし興味をお持ちの方は一度聴いてみることをオススメします。

さてこのナツカヨ、実は第二弾も予定してます。今回は女性ばかりでしたので、次回は男性特集を。おそらく音楽的切り口では誰も取り上げないだろうと思われる人たちなので、乞うご期待!引き続きどうぞよろしくお願いします。

以上、皆さまの音楽生活の参考になれば幸いです。では、また。


Do You Remember Me?歌謡(カバー編)

こんにちは。今日から三連休という方も多いと思われます。日中はまだ暑いですし、行楽地等へお出かけの際はお気をつけください。かくいう僕は、気の向くままどこかレコ掘りへ行く予定です。

さて今日は、前回お届けした「Do You Remember Me?歌謡」の続編をお届けします(もう少しお付き合いください)。三姉妹編に続いて今回は本家(次女)のカバー曲をご紹介。

'80年に発表された和製ウォール・オブ・サウンドの名曲がどのようにカバーされているのか、実際に聴いていただければと。以下、すべて作詞:安井かずみ、作曲:加藤和彦の夫婦コンビによるものです。では、よろしくどうぞ。



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■フローレンス芳賀/ドゥー・ユー・リメンバー・ミー(Do You Remember Me?) →動画リンクはこちら

カバー編1人目は、ハーフタレントのフローレンス芳賀(はが)。前回の流れで言うと、次女のクラスに来た交換留学生という感じ?リリースは'84年6月21日。編曲:飛澤宏元(田原俊彦「哀愁でいと」「さらば・・夏」等のアレンジも手がける)。とにかく、カタコト日本語がタマリません!音楽的というよりもネタとして重宝しそう。

ところで、彼女どっかで見たことあるという方がいるかもしれませんが、'84〜'86年当時、何本かCMに出演したり、キャンギャルもやっていた様子。また「青い瞳の聖ライフ」でドラマ主演も果たしている(これ何となく覚えてるなぁ)。改めてドラマの詳細情報を見てみると、共演キャスト(*)と各回のサブタイトルが結構ソソる(特にドラマの内容が一目瞭然のサブタイトルが何ともいい感じ。最終回「涙の卒業式! ダンシング・クイーン」はちょっと見てみたい・笑)。あと主題歌が谷山浩子「DESERT MOON」(YouTubeリンクはこちら)だったとは。時代だね。原曲はもちろん元スティックス、デニス・デ・ヤングのヒット曲。

(*)なかなか豪華な共演者ですが、その中でアイドル的メンツは、竹本孝之、大沢逸美、比企理恵、菊地陽子(話題沸騰中?の音痴アイドル)、荻野目洋子(1回だけの特別ゲスト風)あたりでしょうか。

当のフローレンスさん、そもそも日本での芸能活動を続けるつもりはなく(学生時代のアルバイト感覚?)、短期間でアメリカに帰国した模様。Wikipediaによると「現在は、アメリカの50番以内の資産家と結婚、子どもにも恵まれ幸せに暮らしている」とのこと。(事実ならば)めでたしめでたし。



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■木村恵子/Do You Remember Me(「コルトレーンで愛して」B面)→動画リンクはなし

カバー編2人目は、デビューアルバム「STYLE」に本カバーを収録している木村恵子。こちらは次女の家庭教師的な佇まいだろうか(木村恵子本人もアルバム制作時は慶応大文学部に在籍中だった)。アルバムリリースは'88年5月21日。編曲:鈴木茂。アレンジ等かなり原曲に近い感じ。シングルカットの際、実際B面にカップリングされたのは別の曲で、僕が持ってるこの7インチはプロモオンリー盤だと思われる。

ちなみにA面(作詞:湯川れい子、作曲・編曲:鈴木茂。YouTubeリンクあり→こちら)は、本人も好きだというアンテナ、バーシアあたりのしっとりお洒落系サウンド。世はバブル真っ最中。ジャケの服も含めて懐かしいあの頃の感じ。タイトルはスゴイけど、こちらもなかなかいい曲ッス。

アルバムのプロデュースは鈴木茂で、他にも松本隆、杉真理(杉と木村は、竹内まりやが所属していたことで有名な慶応の音楽サークル、リアル・マッコイズの先輩後輩の間柄でもある)、門あさ美など豪華作家陣が参加。彼女自身もSSWであり、自作も収録されている。アルバムは未聴につき、機会があれば聴いてみたい。また、彼女はバービー人形のコレクターでもあり、洋書で解説書を出しているのにはビックリ(「Barbie in Japan」がそれ)。



以上が7インチ。あとはCD時代のカバー。

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■ribbon/Do You Remember Me? →YouTubeリンクはこちら

この曲、ribbonもカバーしてたのを今回初めて知った(ジャケ写左・短冊シングルCD、右・この曲が収録されているベスト盤)。リリースは'92年12月2日。編曲は当代きっての売れっ子プロデューサー、亀田誠治。ご承知の通り、関わったミュージシャンはスピッツ、椎名林檎、東京事変(ベーシストとして参加)等数え切れない。ribbon関連では、CoCoや永作博美ソロにも関わってたのね。

このカバー、今回色々聴いた中でいちばんの掘り出し物だった。アイドルという枠を超えて、ガール・ポップスとしてかなり上出来の部類だと思う。ロネッツというよりは、シュープリームスといった感じのPVも繰り返し観たくなるし。

音的には、「ハウッ」というコーラス・アレンジがキャンディーズ「年下の男の子」っぽかったり、流麗なストリングス・アレンジが松田聖子「風立ちぬ」を彷彿とさせたりと、思わずニヤリとしてしまう仕掛けあり。特に後者は、岡崎友紀の原曲からフィル・スペクターを経由して、気付けば(意図してだろうが)大滝詠一へのオマージュになってるのがとても興味深い。亀田誠治自身は相当なはっぴいえんど/大滝詠一好きのようだし(こちらのライナーを書くほど)。

さて話をribbonに戻すと。彼女たちはその後'94年7月、グループ存続中の最終作品となった限定アナログEP盤をリリースする(ribbon&ピラニアンズ名義)。それがロネッツのカバー「ビー・マイ・ベイビー」だったというのも、何だか彼女たちとフィレス・サウンドとの不思議な縁を感じた(今はこちらのコンピ盤で聴ける→他の収録曲も素晴らしいので、見かけたら絶対買い!)。



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■キタキマユ/ドゥー・ユー・リメンバー・ミー →YouTubeリンクはこちら

最後は、一応お約束で。僕も含め、このカバーで初めて曲自体を知ったという方も多いのでは?リリースは2001年2月15日。2001年1月から放送されたフジテレビ系ドラマ「カバチタレ!」の主題歌(エンディング・テーマ)。プロデュースはORIGINAL LOVEの田島貴男。チャート最高位15位まで上るヒットを記録した。21世紀に出た好カバーのひとつ。

この歌が流れるタイトルバックは、女性ダンサーのシルエットが踊ったり、ポップな色遣いが印象的だった。あと個人的にはこのドラマの撮影現場(確か代官山)のすぐ横を車で通ったことが懐かしい思い出。主演の二人(深津絵里、常盤貴子)もちらりと見えた。DJイベント終了後の帰り、寒い季節、深夜1時か2時頃だったような。もう10年以上前か、、と遠い目。



ということで、まとまりのない長文に最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。また色々と面白い音楽を紹介していきたいと思いますんで、今後ともよろしくお願いします。

以上、皆さまの音楽生活の参考になれば幸いです。では、また。


ザ・ピーナッツ 伊藤エミさん、逝去

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120627-00000598-san-ent

「恋のバカンス」や「恋のフーガ」のヒット曲で知られる双子の歌手「ザ・ピーナッツ」の姉、伊藤エミさんが15日に亡くなったことが27日、分かったとのこと。享年71歳。
(Twitterではつぶやいてましたが、こちらでは遅くなりました)

歌謡曲にどっぷりハマり出したこの1,2年というもの、ザ・ピーナッツの素晴らしさや先進性に感激したこと数知れず。いまだ毎日のように何か音源を聴いているだけに、今回の訃報は本当にショックで、とても寂しいです。

もちろんレコードだけでなく、TV番組や映画への出演など、当時のその人気たるや凄まじいものがあったと思われます(まさにメディアミックス型の大スター)。そしてまた、引退して30年以上経った今でも色あせないインパクト・影響力に感服する次第です。

また改めて特集できればと思いますが、ひとまず追悼のため1曲。名曲多すぎるため、名曲のレアversionを。しかし、すべてにおいて素晴らしすぎる!

謹んで故人のご冥福をお祈りします。

 
「ウナ・セラ・ディ東京」with ブルーコメッツ ジャニーズ

それにしても、また最近、本当に色々な方が続けて亡くなりますね(地井武男さん、小野ヤスシさん…)。寂しい限りです。


《Seiko・color》 夏色の聖子

こんにちは。皆さまいかがお過ごしでしょうか。昨日の近畿地方は一日中雨降りでした。しばらく鬱陶しい天気が続くようですが、気分だけでも爽やかにいきたいものです。

前回、田原俊彦のレビューで、早く松田聖子特集を再開させますと書いたところ、何ともタイミングよく(笑)電撃再々婚のニュースが流れました(お友達のトシちゃんからもサスガとしか言えないお祝いメッセージが!)。ということで、祝賀ムードのなか2ヶ月半ぶりに聖子特集再開です。

なお「松田聖子の季節」というタイトルがしっくりこないため、予告通り早くも2回目で「Seiko・color」に変更します。彼女には「色」のついた曲名が多いことと、「Seiko・plaza」「SEIKO・TOWN」「Seiko・Avenue」といったベストアルバムを意識し付けてみました。以後よろしくです。



新装開店の今回は季節を先取りし、「聖子・夏の名曲」を5曲(+α)厳選してお届け。歌の題材にしやすい季節でもあり、20曲くらいはすぐに選べてしまうけど、切りがないので今回はこれで。いま自分が聴きたい曲という切り口で「Seiko Summer Classics」なるカセットテープを作ったらこんな感じかも(曲数的に片面のみだけど)。早めに第二弾やりたいところです。では、よろしくどうぞ。



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■松田聖子/青い珊瑚礁 →YouTubeリンクはこちら

'80年7月1日発売・2枚目のシングル・オリコン第2位。作詞:三浦徳子、作曲:小田裕一郎、編曲:大村雅朗。B面は「TRUE LOVE〜そっとくちづけて」(作家陣はA面と同じ)。収録アルバムは「SQUALL」(右ジャケ/'80年8月1日発売・1stアルバム・オリコン第2位)。

いきなりサビから始まりグイッとハートをわしづかみにする名曲。デビュー2曲目のここから本格的に聖子伝説が始まったと言える(当時歌番組での露出も一気に増えた記憶あり)。資生堂「エクボ」のCMソングであるデビュー曲「裸足の季節」に続き、この2曲目もグリコ「ヨーレル」のCMソングであり、事務所上げての強力なバックアップ体制が見て取れる。僕が取り上げるまでもないあまりに有名な曲だけど、聖子を代表するキャッチーな夏歌謡としてやはり外すわけにはいかない。彼女のヒーカップ唱法、ストリングス含めた躍動感溢れるバックなど聴きどころ多し。シングル盤ジャケ(左)の「聖子ちゃんカット」も懐かしいッスね。



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■松田聖子/潮騒 →YouTubeリンクはこちら

作詞:三浦徳子、作曲:小田裕一郎、編曲:大村雅朗。作家陣は上記「青い珊瑚礁」と同様で、収録アルバムも同じく「SQUALL」。

初アルバムを締めくくる(B面ラスト曲)ボッサ・テイストのエレガントな名曲。松原正樹(g)、佐藤準(key)、ペッカー(perc)、伊集加代子(cho)といった豪華メンツがバックを固める。質の良さと品の良さを兼ね備えたこの曲を、18歳の新人がしっとり歌い上げていることに改めて驚く。さすがに松田聖子、最初からタダものじゃないね。あまり知られないままなのがもったいない曲なんで、誰かしっとりジャジーにカバーしてほしいなぁ。



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■松田聖子/レモネードの夏(「渚のバルコニー」B面)→YouTubeリンクはこちら

「渚のバルコニー」('82年4月21日発売・9枚目のシングル・オリコン第1位。作詞:松本隆、作曲:呉田軽穂、編曲:松任谷正隆)のB面。こちらは作詞:松本隆、作曲:呉田軽穂、編曲:新川博。収録アルバムは「Pineapple」(右ジャケ/'82年5月21日発売・5枚目のアルバム・オリコン第1位)。

青春してる歌詞そのままの爽やか夏ポップ。松本隆と呉田軽穂(ご承知の通り、グレタ・ガルボに因んだ松任谷由実のペンネーム)のコンビがいい。シングル盤のB面ってのも、B面ラヴな僕にはこたえられません(もちろんA面も大好き)。演奏クレジットには斉藤ノブ(perc)、バズ(cho)らが名前を連ねる。なお、この曲が収録されているアルバム「Pineapple」は夏の名曲がたくさん入った名盤で、たぶん彼女のアルバム中でも、1,2を争う人気盤。これぞ夏!って感じのジャケも最高。こちらもまた機会を改めて紹介できればと。



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■松田聖子/小麦色のマーメイド →YouTubeリンクはこちら

'82年7月21日発売・10枚目のシングル・オリコン第1位。作詞:松本隆、作曲:呉田軽穂、編曲:松任谷正隆。この3人が手がけたシングルも「赤いスイートピー」「渚のバルコニー」に続けて3枚目。B面は「マドラス・チェックの恋人」(作家陣はA面と同じ)。オリジナル・アルバムには未収録。

松田聖子を代表するサマー・クラシック。彼女の全シングル中、僕がいちばん好きな曲。地味目のシングルだったからか(もしくはアルバム・コンセプトと合わなかったからか)オリジナル・アルバムには収録されなかったが、僕の周りには愛好者が多い隠れた人気曲。気だるいイントロからグイッとつかまれる。夏の昼下がり、まどろみながら幻を見るような、独特の空気感がとてもいい。ゆったりしたテンポや、シルキーなコーラスも最高。なお僕の大好きな土岐麻子さんがアップテンポにカバーしているversion(アルバム「Summerin'」に収録)も、原曲とは違うドライヴ感があって魅力的。



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■松田聖子/マイアミ午前5時 →YouTubeリンクはこちら

作詞:松本隆、作曲:来生たかお、編曲:大村雅朗。収録アルバムは「ユートピア」('83年6月1日発売・7枚目のアルバム・オリコン第1位)。

とにかく松本隆の歌詞が素晴らしすぎる名曲(「〜逆さに振れば二人だけの夏がこぼれるわ」のくだりとか)。今でもコンサートで歌われているという超人気曲(こちらこちらのライヴ映像参照。前者のような80年代映像を見ると当時行かなかったのが今更ながら悔やまれる…)。バックも今剛(g)、松原正樹(g)、松武秀樹(programming)といった豪華メンツがいい仕事してる。楽曲、演奏、歌唱、ビジュアルなどすべてにおいて完璧なポップ・チューン。



最後、ボーナストラック的にもう1曲。

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■松田聖子/愛の神話 →YouTubeリンクはこちら

作詞:三浦徳子、作曲:小田裕一郎、編曲:信田かずお。収録アルバムは「Silhouette 〜シルエット〜」('81年5月21日発売・3枚目のアルバム・オリコン第2位)。

海や太陽など夏を直接イメージさせる歌詞が出てこないため、上記5曲からは外したけど、曲調はこれぞサマー・シティ・ポップ!頬に風を感じるドライヴィン・グルーヴが素晴らしく、ジャパニーズ・シティ・ポップのコンピ盤(ソニー編)に入っていても全く遜色ない逸品。それにしても松田聖子のアルバムには隠れた名曲がホントに多い。DJ諸氏(に限らないけど)、くまなくチェックすべし!



ということで、長文に最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。また近いうち(夏曲第二弾?)、松田聖子の音楽的魅力をお伝えできればと思います。トシちゃん特集とあわせ、今後ともどうぞよろしくお願いします。

以上、皆さまの音楽生活の参考になれば幸いです。では、また。


谷啓さん、逝去

http://mainichi.jp/select/today/news/20100912k0000m040004000c.html?link_id=RAH03

昨日、谷啓さんが亡くなりました。享年78歳。死因は脳挫傷。

日本のエンターテインメント界に偉大な足跡を残した方が、また一人いなくなりました…。本当に寂しいです。これで存命中のクレージーキャッツ・メンバーは、犬塚弘さんと桜井センリさんの2名になってしまいました。

謹んで故人のご冥福をお祈りします。

雑感

自宅療養中につき、のんびり音楽聴いたりしてます(今日はLittle Walter, Dave Mason, Mod Jazzコンピ, Local Funkコンピなど)。今回の件では色んな方からお見舞いメールなどいただき、ありがとうございました。アクティブに活動するのはもう少し先になりそうですが、面白いイベントなどあれば、ぜひお知らせ&お誘いください。

さて今日は小ネタをいくつか。早速、どうぞ。



日経朝刊「私の履歴書」がスゴイことに。今月の執筆者は女優の有馬稲子さん。こんなの書いていいの?と思うような某巨匠監督との生々しい不倫話とか出てきて、朝から強烈です(既に有名な話ではあるんでしょうけど)。あと有馬稲子さんの昔の顔がはっきり思い出せず検索してみたら、やっぱり綺麗でした(こちらこちらこちら参照)。それにしても、昔の女優さんはホントに綺麗な人が多いですね。



レコードコレクターズが今月からリニューアル。文字が大きくなったり、レイアウトなど相当刷新された印象(まだちょっと慣れないですね…)。サラッと読んだ限りでは、情報量よりも質というか切り口・語り口に重心が置かれている感じ。この方向性は歓迎したい。以下、いくつか感想を。

・「洋楽マン列伝」「American Rock Lyric Landscape ~ロックの歌詞から見えてくるアメリカの風景」といった新連載が面白い。今後さらに読み応えあるものになりそうな予感。

・後ろから読むページ、アーティスト別のリリース情報は見やすい。ただ、レビューのページはどうもレイアウトがしっくりこない。やっぱ今までのに慣れてるからなぁ。

・巻頭特集「リイシューCDの25年」を興味深く読む。最近聴いてないボックスものなど、改めて聴き直そうと思ったり。今回はロック編だけど、そのうち出てくるだろうソウル編やジャズ編も楽しみにしたい。


Dylan_choco   Dylan_choco2   Dylan_choco3
ボブ・ディランとチロルチョコのコラボ、何とAmazonで発売開始!ライヴ会場で入手できなかった方には朗報(こちらでも少し触れたけど、僕は行列に並ぶ気力なく、スルーしてしまいました)。う〜ん、これはやっぱり欲しいッスね。



ジョー・ヘンリーの来日公演はやっぱり良かったみたいで。よせばいいのに、こちらこちらのライヴ・レポートを読んで悔しく思ったり(後者にはセットリストもあり)。もともと年度末で場所が京都のため行くのは難しかったんだけど(しかも予想外の緊急手術で、どうやっても行けなかったんですが…)、やっぱり行きたかったなぁ。ぜひ再来日を!



今回はつらつらと雑記調でしたが、近いうちにオススメCDレビューをアップする予定です。お楽しみに。

[追記] キヨシロー追悼番組

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090508-00000021-nkbp_tren-ent

NHKで特番やるみたいです。これは見なきゃ&録らなきゃ。

・「愛しあってるかい?〜キング・オブ・ロック 忌野清志郎〜」
  5月10日(日)午後11:30〜翌0:19 NHK総合

・「SONGS 忌野清志郎ライブ 完全版」
  5月12日(火)午前0:45〜1:34 NHK総合

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090509-00000034-sanspo-ent

今日の告別式、一般向け弔問時間が大幅に延長される模様です。遠くからご冥福をお祈りします。


赤塚不二夫さん、逝去

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080802-00000949-san-ent
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080802-00000088-mai-soci
http://www.koredeiinoda.net/

漫画家の赤塚不二夫さんが肺炎のため、本日午後亡くなりました。享年72歳。以前から体調を崩されてましたので、突然という感じはあまりしないんですが、やっぱりビックリです…。

個人的には(世代的には?)何と言っても「天才バカボン」。漫画じゃなく、初代アニメの方(「元祖〜」じゃない方)。一家がアメリカに行ってしまう最終回は泣けてしょうがなかったです(さくらちゃんがバカボン作ギターをポロンと鳴らすのです)。鼻の穴ひとつのお巡りさんがピストル打ちながらいい味出してたなぁ。

Akko2
あとは「ひみつのアッコちゃん」。エンディングの「すきすきソング」(水森亜土+山元護久・井上ひさし+小林亜星!)は日本歌謡史に残る名曲。ナンセンス・ガレージ歌謡の最高峰でしょう。

心よりご冥福をお祈りいたします。


[振り返り] 8月もろもろ

書き逃したことを思いつくまま。



阿久悠さん、逝去。数え切れないほど口ずさんだ歌、歌、歌。流行歌という言葉が消えて久しい。謹んでご冥福をお祈りします。

広島出張。帰りに原爆ドーム、平和記念資料館へ立ち寄る。老朽化した広島市民球場を横目に帰途につく。

Amazonでデジカメのバッテリーとメモリーカードを注文。封筒で十分な大きさなのに、必要以上に大きな梱包で届く。はっきり言って無駄。

高島屋で買ったベーグルが美味しかった。知り合いにあげたら、かなり喜んでた。



NHK「思い出のメロディー」を見る。植木等(故人が歌う映像も!)、加山雄三メドレーに燃えた。「真夜中のギター」、(おそらく)阿久悠さん追悼「青春時代」に加え、尾藤イサオ「あしたのジョー」を聴けたのは収穫。

お盆につき、墓参り。

Kamo1 Kamo2
お盆休み、東京の知り合いが京都に来てたので、鴨川の川床で納涼会。そのあと「松葉」で、にしんそば。数年に一回は京都で納涼会をしようという話も。

お盆休み最終日、中学時代の同窓会に参加(卒業してから初めての開催)。昼から夜まで飲んで食って話す。結局3次会まで。



Aja
世界的モデルの山口小夜子さんが逝去。STEELY DAN "Aja"(上掲ジャケ)のカバーモデルは彼女。謹んでご冥福をお祈りします。

「ハゲタカ」が再放送されて嬉しい。一回分見逃してたんで。

夏の甲子園、阪神タイガース、サッカー日本代表、水泳、世界陸上など、スポーツてんこ盛り。

部屋にカエルがいてビックリ。どうやって入ったのか謎。


[Diary] 7/22

TVで久々に喜味こいし師匠(夢路いとし喜味こいしの弟さんの方)を拝見する。少しだけだが、いとしこいしの昔の漫才を見ることができた。さすがは名人、今見てもめちゃ面白い。間の取り方やお二人のキャラの対比に何とも言えない味があるよな。



元々は児童向け図書である「非・バランス」(魚住直子さん・講談社文庫)を読了。小学生の時に受けたいじめが原因で、中学では友達を作らずクールに生きていくと誓った女の子「私」。人知れず悩みを抱えたOLのサラさん(こちらの記述にもグッと来る)や同級生と出会うことにより、過去と決別して新たに自分の居場所を見つけていく再生の物語。

ハイライトと言える緑のレインコートのくだりはホントに爽快。また、陰湿な抵抗が、実は自分や自分の大切な人をも傷つけてしまうという辺りには思わず唸ってしまった。子供向けというよりもむしろ、人間関係・仕事でお悩みの大人にこそ読んでほしい作品です(薄いのですぐ読めますし)。オススメ!